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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_15 歌と羊とエンジェルティア 

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15-5 うさねこ・夜のお茶会~議題2-2:『プロジェクト・シープ』始動!!

「で、レン。この先どうする予定なの?」

「こ、こここのさきはっ、しゅしゅ週末待っていちど羊牧場まで、いいい、いってこようかとっ……」


 そうしてイツカとライカが仲良く逆さ吊りになったところで、おれはレンに笑顔を向けた。

 レンはなぜかガクブルしていたが、突っ込むのはやめておく。


「りょかー。メンツは? どーせだからこないだと違うメンツといってくる? 強化合宿かねて。それなら、研究費として連盟で持てるし。たとえばどう、オミたんとふーたんあたり?」


 アスカの言う『オミたん』とはハルオミ、『ふーたん』というのはフユキのこと。

 前者はカモシカ装備、後者はノルウェージャンフォレストキャット装備という、寒いのどんとこいな連中だ。

 さらにはクラフターなので、現地での素材集めや研究にはうってつけの人材である。

 ふたりはそろってうなずいた。


「うん。俺たちは、適任だと思う。行ってくるよ」

「だからふーたんは……ったく。

 異議はない。修行と研究ができるなら願ってもないからな」


 一方、ライオンタマリンのチナツとタテガミオオカミのクレハは、それぞれの理由から辞退。


「俺はよしとくわ。これ以上ひつじミルクに魅入られたらヤバそーだしなっ!」

「マウントブランシェ探索となったら、今の俺じゃ足手まといになりそうだな。

 こっちはこっちで研究進めとくことにする」


 サリイさんとリンカさんについてきた女子たちからは、一番小柄なサクラさんがけなげな理由から志願するが、『すっごく寒い』と聞いて悲壮な顔になった。


「はいはいっ! あたしもいきたい!

 たまにはお姉さまたちのお手伝いがしたいです!」

「だいじょぶ、さくらちゃん? マウントブランシェって、すっごく寒いよ?」

「う、うう……コトハちゃんのもふもふに入って、頑張るっ……」


『コトハちゃん』とは、いま彼女を気遣った眼鏡少女のこと。彼女の装備はたぬき装備、寒さへの防御はお手の物だ。

 しかし、ぷるぷるふるえるチワワっ子をふたりの少女たちがなだめた。

 しゃきしゃきとお姉さんぽいポニーテールが、コノハズクのユキさん。

 のーんびりとしたふたつ結びは、カピバラのナナさんだ。


「いやいや、そこで無理しなくってもよくない?」

「サクラはサクラの得意なことをすればいいんだよー」

「えっと……カップケーキを焼くこととか……?」

「そうそう、疲れて帰ってきたお姉さまたちをスイーツでねぎらう!

 それも充分手伝いだからね?」

「うんうんー。あたしも寒いのだめだからピザ焼くしー」


 サクラさんのカップケーキとナナさんのピザ!

 こんな時間に聞かされるなんて、メシテロ以外の何物でもない言葉である。


「ありがとね、みんな」

「その気持ちがうれしいわ。頑張ってくるから、待っててね」


 がんばる四人娘を、サリイさん、リンカさんがいいこいいこ。

 うんうん、こころなごむ光景だ。やはり彼女たちに加入してもらってほんとによかった。集会室内はホワーンとした空気に包まれた。


「よーしがんばろー! トラちゃんミルクとチーズもらって帰ってきてよ? おいしいの作るからね!」

「おう、がってんだ!」

「あの、じゃあ、もし人数が足りなくなったりしたらわたしも、行きますので……わたし、たぬき装備で寒いのだいじょぶだから……」

「コトハちゃん……!!」


 しかし、内気で優しい少女の献身的な申し出に、野郎どもがいっせいにたちあがる。


「おれが! 俺がいってくるからっ!!」

「俺もやっぱがんばる!!」

「くっ……これを聞いて行かなかったら男が廃るだろっ……!!」


 一方で、サリイさんが迷いを見せ始める。


「これだけ志願者がいるなら、あたしもツバメ装備で寒いのダメだし、やめようかな……

 トラのことは心配だけど……」

「いいのサリイ? エアリーさんに会っとかなくて。

 トラにとって恩師なら、サリイも敬意を示さなきゃな相手よ?」

「それもそうか。そうね、まずは行くだけ行って、戦力になれなそうなら素直に帰ってくることにするわ」

「そうそう。もしそうなったらあとはわたしに任せてくれればいいわ。

 大丈夫、トラに悪い虫はつけないから」

「ふーむ。お姉さま方が両方行くならそっちは大丈夫かな。必要なら呼んでくれれば」


 だが結局、リンカさんの言葉で決意を新たに。

 それを受けてコノハズクのユキさんがうなずく。

 そこで、アスカが立ち上がった。


「はいはーい出そろったとこでまとめるよー。

 行く組がー、ちあっちゃんとレンレン、トラっちハーレム三人組と、あとー……野郎どもたくさん。

 うん、ぶっちゃけほかに優先があったり、寒さと戦力に不安のある野郎どもは残ることを命じまっす!

 まず『ミライツカナタ』とハーちゃんは、試合と装備覚醒を優先すべき局面だから残留!

『うさもふ』も『ふしふた』ここから佳境だから、まずはそっちをきっちりね。

 チナツ、寒いの完全ダメだから研究組! クレハも戦力に不安があるんだよね、なら戦力を磨くから後で打ち合わせ! そして……」


『ふしふた』とは、『うさもふ三銃士』のオリジナルバトルショー『旅の聖者とふしぎなふたり』のことだ。

 シオンが手ずから脚本を書くそれは、どこかほのぼのした味わいの残るドラマパートとガチすぎるバトルの落差、そしてなによりキャストの魅力で大人気。

 大衆演劇的な自由度の高さでハチャメチャするキャストたちと、予想外すぎるアドリブに毎度あわあわしちゃうシオンの姿が楽しい、と評判だ。


 ともあれ、仲間たちの特性と現状を押さえたてきぱきとした仕切りをみせる。

 おかげで特段の異議も出ず、マウント・ブランシェ派遣隊はさくさくと決まっていった。

 まずはチアキとレン、トラオとサリイさんとリンカさん。その他の志願者の中からは、ハルオミとフユキ、アキト――馬(アハルテケ種)装備のハンターだ――が、マウントブランシェに挑むことに。

 残りのクラフター組は研究をメインに。

 ほかはそれぞれ、戦力もしくは学力の強化にと動き出したのだった。


おはようございます。ストックがまたやばいです。

キャラメイクだの、ノリで出した『旅の聖者……』のバックストーリー固めだの、あとチンチラのせいです。

次回、掲示板(定例試合観戦)回を挟んで、覚醒修行&マウントブランシェ編にれっつごーです。

お楽しみに♪

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