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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_15 歌と羊とエンジェルティア 

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15-4 うさねこ・夜のお茶会~議題2-1:チアキとトラオの減乳チャレンジ!~

2020.02.20

クレハをチアキと書いている場所がありましたので修正いたしました……すみません。

「……ぶふっ」

「……ふふっ」


 噴き出したのは、レンとサリイさんだった。

 この鳥系二人、誤解が解けたらわりと仲がいい。


「わり、……トラオが乳離れとか考えたらちょっ……ツボに……」

「言わないでよもう、考えないようにしてたのにっ!!」

「え、僕はいいの??」

「はいはい『聖静篭サイレントケージ』。五分間そのままね~」


 リンカさんがニコニコしながら神聖魔法で二人を隔離する。

 さらに追加オプションでケージを天井から逆さづり。

 なおこれをやると、中のものは逆さづりになる。

 このゆるふわみけねこプリースト、わりと情け容赦ない。


「うちの『妹』たちがごめんねー。さっ続き話しましょ」

「は、はい……」


 リンカさんの笑顔の恐怖政治により、集会室はいやでも静かになった。

 そんななかで、チアキはあわあわしていたが、アスカの目配せを受け、ちょっと早口で話し出す。


「あのっ、えっと、……

 僕たちは『エアリーのひつじ牧場』のひつじミルクで、元気をもらってました。

 でも、通販を始めて人気が出てきて、ミルクが足りなくなってしまうかもしれないんです。

 ミッドガルドのみんなにあのひつじミルクを飲んでほしいし、でも、エアリーおね……エアリーさんとひつじたちに、無理だけはさせたくないし……。

 だから僕たちがすこし、がまんするようにして。

 ゆくゆくは、ミルクだのみじゃなくとも、強くなりたいです!

 でも、いま勝手にそうすると、一時的にでも弱くなって、みんなに迷惑をかけちゃうかも……。

 なにか、いい方法ないかなって。

 これね、最初に言い出したの、トラオくんなの。

 自分と同じようになっちゃう子が、もうでないように、って。

 これからのハンターとクラフターのためにも、方法をみつけたいんです。

 だから、みんなの力を貸してください。おねがいします!」

「お願いします!」


 チアキにつづき、トラオもまじめに頭を下げる。


 ちなみにいまのトラオはかつてのような、ハデな装備を着けていない。

 白の猫耳しっぽの色に合わせた、オフホワイトの素朴なスタンドカラーで、誠実な気持ちを表している。

 それは、サリイさんとリンカさんも同様で、それぞれ深い青と、おちついたオレンジのカットソーで、シンプルに装っていた。


 最初に口を開いたのは、当事者といえる四人――クレハたち、四人のクラフターだ。


「俺たちは賛成だぜ」タテガミオオカミのクレハは、迷う様子もなく言い切る。

「うん、もちろん」カモシカのハルオミも、穏やかな表情でうなずく。

「第二のトラオやチアキを出さないってことは、第二第三の俺たちを出さないことにもつながるからなー。俺も協力する!」明るくそういうのは、ライオンタマリンのチナツ。

「そういうことはもっとはやく言えよ。どこまで進めたんだ?」頼もしい一言はノルウェージャンフォレストキャットのフユキのものだ。


 もちろん、ほかのおれたちにも異はない。

 チアキ、トラオ、リンカさんがありがとう、と大きく頭を下げると、アスカが立ち上がる。

 そして補足説明を……


「いまんとこ、ミルクの成分を利用してポーション化、とかいろいろ試してはあるんだけどねー。

 んー。リンカにゃん、レンレン出してー」


 ……丸投げした。

 ちょっとそこのおしょうゆとってーみたいな調子でレンの釈放を求めると、リンカさんはサリイさんとレンを解放。

 サリイさんが恥ずかしそうにほほを染めて座る一方、レンはとってつけたように咳ばらいをして発表報告をはじめた。


「『ミルクポーション』だと、結局消耗品であることに変わりない。

 さらには、これをガンガン作って儲けようってやつらが出張ってくるおそれもある。

 オレたちとしては、それが出てこないような状況を作りたい。

 つまり、消耗品ではなく、ミルクポーションより効果も上回るようなクラフトの開発。それも、誰しもがバカスカ作れるようなもんでないってことが一目瞭然、かつある程度の量とバリエーションも出せる奴――が早期に必要だと考えてる。

 最新の試作品がこれ。『シープミルクカメオ』だ。ぶっちゃけ、リアルの麻雀パイにヒントを得て作ったもんなんだが、乳製品の宿命として歩留まりがめっちゃ悪い。こいつは軽々しくオモテに出しちゃいけねえ類のものといえるだろうな」


 レンはどこからか白い、直径3cmほどの小さなブローチを取り出した。

 ストームエレファントの牙のような質感のそれは、貴人の身を守る宝飾品の存在感を宿していた。

 これでほんとにカメオブローチを作ってもらったなら……

 きっと、気品ある美しさをもつライムには、この上なく似合うはずだ。

 なとと考えていたら、レンがニヤニヤと声をかけてきた。


「あーそれとー。繊維なんかも作れるからなー。

 絹みたいな光沢があるから、白いドレスにするにもいいかもなー?」

「え、や、おおれはべつにっ……」


 言われれば想像してしまう。真っ白なドレスをまとった、ライムの姿。

 胸元にはライムの好きな、桜の花をモチーフにしたカメオ。背中には白鳥の翼。

 天使だ。まさしく天使だ。

 ライムは白い花束を抱いて……


「よーしよーし。お値段の方はいずれ相談に乗ろうかねー」

「ほ、本末転倒だからそれっ! ただでさえ貴重なミルクなんだしっ!!」


 思わす立ち上がると、集会室内がどっと笑いに包まれた。

 うう、顔が熱い。イツカのやつもニヤニヤしながらおれの肩たたいてくるし。


「イツカ、あとでモフるからね。」

「なんで俺!!」

『そーかそーかー、イツにゃんに着せるのか~』


 さらにはライカも悪乗りしてきた。よしよし、ここは教育的指導が必要のようだ。

 おれはニッコリわらってお願いした。


「アスカー。『聖静篭サイレントケージ』お願いしていいー?」

「おういぇ~♪」

ブクマ、いただきましたー! ありがとうございますっ!!

(やっとセバスチャンに追いついた……この差は一体?!)

次回はひたすらメンバー決めです。新規加入の女子たちもほわほわです。

のんびりお付き合いくださるとうれしいです♪

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