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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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The C-Part_40秒の、そのなかで~悠久の時を、あなたと(7)~

本日出先からスマホ執筆&投稿です。

おかしいところは見つけ次第直しますm(_ _;)m

 @ゼロブラ館・屋上~ルカの場合~


 もちろん、あたしたちも話した。

 家族と、友達。

 そしてルカは、イツカと。あたしは、カナタと。


 白のリボンのあたしのカナタは、あたしと家族のことを心配してくれた。


「率直に言ってさ。

 ご家族の皆さんは、ホンネのところどう思ってるんだろう。

 おれはそれが、気になるよ」

「もしかして、『ふつーの男性と、ふつーに結婚して。ふつーに子供をつくって、ふつーの家庭を』……って思ってるか、ってこと?

 ないわ。あったら高天原いきたい、そこでアイドルやりたいなんて話、賛成してるわけがないもの」


 そう、少し前まで、高天原ゆきは片道切符のようなもの。

 一度行ったら最後、学園卒業までは基本、連絡も取れず。

 その後も、いくつかの例外を除き短い里帰りしかできない。

 もしも『ふつうの』家庭を築いてほしいと。その姿を見たいと願っている親ならば、どうあったって反対する進路、それが高天原学園だった。


「父さんたちね、いつも言ってくれてたの。

 お前たちの人生は、一番にお前たちのものだよ、って。

 もしも誰かを助けるならば、それによって自分も幸せになれるようなみちを選んでゆきなさい、って。

 だからあたしは高天原に来た。アイトルバトラーになって、カナタたちの仲間になって、……あなたの手をとった。

 あたしとしてはね。むしろあなたはどう思ってるのかなって。

 あたしは、一度あなたたちと離れた。あなたたちと行くよりも、月萌のアイドルとしての道を選んだ。

 それどころか、一度は刃を向けた。

 攻撃しようとしちゃったのよ、高天原から逃げてく、もうひとりのあなたを見て。

 そんなあたしで、いいのかって。あなたの隣にいる資格は、あるのかって……」


 ぽろぽろと、思いが口をつく。

 一度は、手を差し伸べて、手を取り合って。

 でも、あたしは――

『大神意』に憑かれ、もうひとりのこのひとを攻撃しようとしてしまった。

 しのんで会いにきてくれた来たこのひとの、優しい手を拒んだ。


 けれど、そんなわだかまりは跡形もなく吹き飛んだ。

 カナタがみせてくれた、想いのカタチを目にしたら。


「こ、れ……?!」

「月萌基地前での戦いのときさ。約束したじゃん。

 いざってときにTP補充できるアイテムをって。

 でも、どうせなら。いつも身に着けてもらえるなら、それだけじゃないほうがいいかなって。……

 手を放してしまうのが不安なら、指をつなげばいい。

 ルカ。人形としてうまれたおれを、ひとりの男にしてくれた、世界最高の歌姫様。

 おれが、あなたをまもります。

 どうかずっといっしょに、生きてください」


 ひざまずいたカナタが差し出す箱の中には、きらきらかがやく金の指輪。

 カラスのはねと、うさぎのたれみみをメインモチーフに。

 絡み合うつる草に月日星の輝きをはめ込んだ、繊細な意匠の――

 いままでみたこともないほどにきれいな、婚約指輪だった。



 ――白のカナタ&ルカ。

 ミッション『エインヘリアル』廃止後、カナタから正式にプロポーズの指輪を渡し、名実ともに婚約者に。

 双方それからもアイドル活動を続けていたが、結婚を機にアーティストに転向。

『セレネの騎士』の公務の一環として、楽曲やライブを配信したり、『あそべる森のコンサート』などのボランティアをつづけた。

 なお、カナタにいたく心酔するシグルドは、時々犬のフリして庭にいたりするがだいたい適切な距離感を保ちつつ、こころの主人とその奥様につかえている。




 @ゼロブラ館・屋上が見える木の上~ルナの場合~


「……うまくいったね!」

「ああ!」


 わたしとイツカくんは声をひそめてグータッチした。

 ちょっとのぞきみたいだけど、だいじょうぶ。わたしはるかに『見守ってて』ってたのまれてるし、イツカくんはカナタくんのガードだから。

 だから、これはのぞきじゃないのです。見守りなのです。


「しかし何回見てもすげーな、カナタの指輪。

 俺あんなんどーやったってできねーってか、思いつかねーもん。

 ごめんなルナ。ちょっと悔しいけどやっぱし、誰かに頼むことに……」

「イツカくん」


 その言葉に、わたしは思わずくいついてた。


「作ってくれたの? ゆびわ、わたしのために!」

「えっ?! あ、あ〜〜……

 その。ためしに鉱石掘ってきて、つくろーとしてみたんだけど。

 やっぱこんなのしか、できなくって……」


 イツカくんがはずかしそうにみせてくれたのは、マットでシンプルな、気品すらただよう銀の指輪。

 わたしの口から出た言葉は。


「これがいい!」

「え?」

「すっごくきれいだよ。

 それに、イツカくんがわたしのために作ってくれたものだもん。わたしにとっては、それだけでたからものだから!」

「ルナ……!」


 イツカくんの、どんなルビーよりきれいな瞳がうるうるってなって、あったかな腕がわたしをぎゅうっとしてくれた。


「えへへ。あったかい」

「……俺も」


 わたしたちは枝の上、はっぱの屋根の下、二人でよりそって。

 ライアンさんとやくそくした遠駆けの時間まで、わたしたちのはなしをすることにしました。

 うちとわたしのスタンスは、るかがぜんぶ言ってくれたから、そのさきのことを。


「イツカくんは、こども何人ほしい?」


 まずそう聞いたら、イツカくんは落っこちそうになった。



――白のイツカ&ルナ。

 ミッション『エインヘリアル』廃止後、イツカが手作りの指輪を渡し、名実ともに婚約者になる。

 結婚後もそのままアイドルでいくつもりだったけど、カナタとルカ同様に、結婚を機にアーティストに転向。

 イツカをこころの息子と思うライアンとは、その後も親しい交流が続いた。


遂に、ここまで来ました……

これをふくめて、3話プラスアルファ(おい)でCパートも完結、5月31日に完結処理の予定です。

ここまで来ましたらどうぞラストまで、よろしくお付き合いくださいませ!


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