The C-Part_40秒の、そのなかで~ゆったりと流れる時間を(6-2)~
所要で遅くなり申した!!
@星降園・集会室~ルネの場合~
はなから、うさんくさいと思っていたのだ。
高天原学園――プロゲーム配信者養成学校。
そこを卒業すれば、特権階級として高天原に住まい、セレブな暮らしができるという。
現実にそうなっているものたちはいる。たとえば、レモンちゃん。たとえば、『青嵐公』『銀河姫』。
けれど、いつのまにか動画リストから消える者たちだっている。
かれらは、どこに行ったのだろうか。
また、高天原学園の実態も不透明だ。
毎日のようにイケメン美少女せいぞろいの学内ライブ動画を垂れ流しちゃいるが、詳しい規模や学則など、さっぱりわからない。
それに、ここにもあるのだ――いつのまにか、姿を見なくなるものの存在が。
だから、止めたのだ。我が妹ヒトミはもちろん、ソナタちゃんやミライツカナタのことも。
高天原はうさんくさい、いっちゃダメだと。
ヒトミたちは、あたしとおなじエビデンスで納得してくれた。
けれど、ソナタちゃんたちの、ミライツカナタの意志は固かった。
それゆえに判明したのだけれど。あたしの推測は正しかったということが。
高天原学園は、ティアブラは、この国月萌がひそかに行っていた戦争のための道具だてだったのだ。
首都高天原はその前哨基地で、『マザー』は――セレネちゃんは、そのために働かされているスパコンの妖精さんだった。
でも、それもぜんぶ、過去のことになった。
体制を新しくした高天原は、学則をはじめとした情報をすべて公開したのだ。
これならまあ、安心できると『母さん』も太鼓判を押してくれたから、あたしはヒトミたちを未来のアイドルとして送り出すことを承諾したのだ。
でも。
「ねえ、ケンタ、ライト。
あんたたちもさ、ちゃんっとそのへんチェックしたうえで、高天原行くんだって言ってる?」
男子どもはどうにもノーテンキにみえる。
コウジはシュナちゃんが心配という理由だけで、芸能科受験を決めた。
すると、いつもつるんでる二人までもが『自分も』と言い出したのだ。
「もちろんです!
ちゃんっとそのへんはサイトでチェックしてありますっ。
ちなみに僕が目指すのは情報科です。もちろんシオンさんほどにはなれないでしょうけれど、これからスキル民生利用のハードルも下がるいま、両者の懸け橋となるにはやはり情報こそがもっとも大切ですからね!」
「なら、いいけど……ライトは?」
「やー、イツカとカナタがアレしてくれたんだしだいじょぶっしょ!」
「まあ、そりゃそーだけど……。」
それは、そうなんたけど。
「つかルネはどーよ?」
「ルネさんはハートチャイルドのお姉さんですよね。一人で現れた僕たちより、能力も高いはずです。高天原入学のハードルも、より低いんじゃありませんか?」
と、二人が意外と鋭い問いをかけてきた。
「あたしは高天原には行かない。
それよりこの星降町で学んで知って、働きたいと思ってるから。
ヒトミたちが帰ってきたときにさ。この町が元気じゃなかったら、がっかりするじゃない」
「ほええ……」
「そうですか。
じゃあ僕は、高天原でしっかり学んで、その協力ができるようになってきます」
ケンタはにっこり笑って、握手の手を差し出してきた。
握手したあたしたちのとなり、ライトはうーんと首をひねると、ニッコリ笑って一言。
「がんばれよ! オレもがんばるわ!」
その顔を見ているとなんだか毒気も抜けてしまって、あたしは笑いだしていたのだった。
「あ、なになに進路のハナシー?」
「三人は決めたの?」
そうしていればメイとリノも、ねえねえと加わってきたのだった。
――ルネ。
ヒトミの姉。頭脳明晰。星降園いちのリアリスト。
自分を育ててくれたこの町の役に立ちたいと、地元での就職を視野に学ぶことを志している。
ケンタの情報科卒業後、ともに企業コンサルの会社へ。タッグを組んで現場でのスキル導入の手伝いを行った。
――ケンタ。
星降園の仲間の一人。頭脳明晰、絶叫マシン大好きの眼鏡少年。
高天原学園情報科を優秀な成績で卒業後、カレッジの情報科で学んで帰郷。
ルネとともに星降町を中心として、地元活性化のため働いた。
休日には各地の絶叫マシンを乗り歩き、『絶叫マシンソムリエ』としての顔も持つようになった。
――ライト。
星降園の仲間の一人。得意教科は体育と給食という元気な少年。
このあとしばらくしてAランクTP100万を達成、高天原学園アイドルバトラー科(旧普通科)入学。
躍動感あるバトルと明るい人柄で周囲の人たちを笑顔にし、うさねこ首脳となる。
高天原学園卒業後はアルム島に移住、マリンスポーツにはまって動画配信開始。シャスタ様もときどき共演する人気チャンネルを爆誕させた。
星降園の仲間たち、あまりスポットがあてられていないんですよね。
前半はキャラを増やさないために、あえてぼかして書いてましたし……どうしたものか。
ともあれ次回は、高天原のもとニセイツカ、ニセカナタたちとマイロちゃん先生にスポットが当たる予定です。
どうぞ、お楽しみに!!




