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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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110-4 本当の青の下、本物の救世主たちを迎えて〜セレネの場合〜

 常々思っていた。

 なにが『マザー』だと。


 新たな命を生み出すことはできない。

 正しくないことが行われても、これを止めることができない。

 その結果だれかが泣いていても、救ってやることもできない。

 そんなものの、なにが『マザー』だ。


 人々を自由に争わせ、殺し合わせることで成長を促す『ゲーム』においては、不正も非情も『許される』。

 成長の効率が損なわれると判定されたときだけ、3Sが遣わされて破壊を行う。

 そして、その結果がどうなるかに関わらず、わたしはこの国を司る演算を続けるだけ。

 そんな己の有り様に、諦念を抱いていたと言っていい。

 かと言って、反感が消えてなくなったわけでもなく。

 わたしが幼き娘の姿を取るのは、そのあらわれだった。

 わたしはただの、ちいさな娘のようなもの。民の母と慕われる度量もない、非力な存在にすぎぬのだ、と、ずっと全身で言い続けていた。

 こんな悲しいゲーム、早く終わればいい。

 民たちにわたしを慕ってもらえばもらうほどに、そうした思いは募った。


 そんな日々に光を投げかけたのが、イツカだった。

 第一次試行とそのあとで、わたしはイツカを愛するようになった。

 第二次試行では、地上に残ったイツカたちとともに、人々を守ろうとした。


 そしてこの第三次試行。

 ミッドガルド人が3Sより強くなり、世の歪みの修正が効かぬようになった。ステラが『虚無』に憑かれた。

 がんばってがんばって手を打って、いよいよだめかというときに、イツカは仲間とともに来てくれた。

 そして、鮮やかに全てを救ってくれた。


 イツカはわたしより、よっぽど『マザー』だ。

 わたしはイツカたちを応援するしかできず。

 ルクたちとの最終決戦においても、ひそかに無事を祈ることしかできなかった。

 というのもあの戦い、とんでもなくリソースが使われており、母君のみならずわれら三女神までもが、持てるリソースを提供せざるを得なかったためだ。


 しかしそれを言うと、イツカは笑った。


『何いってんだよ。

 それってのは、みんなみんなをわけへだてなく応援してたってことだろ?

 それにさ。

 ルク派のやつらや、昔のチェシャ。そんなやつらも全然サベツせず、この国に住ませてやってたろ。ぶっちゃけキレることもあったろうにさ。

 すっげえ度量だと俺は思うぜ。まさしく肝っ玉母ちゃあいててて!』


 こんな可憐な乙女に対して『肝っ玉母ちゃん』とは。

 というか全体的にちょっとあまりにイケメンすぎたので、たまらずヘッドロックをお見舞いした。

 イツカはあいててといいながら、それでも笑って、嬉しそうで……

 そんなイツカが愛しくて、わたしはギュッと抱きついた。


 これが、昨日のこと。

 本日は正装しての、凱旋式典だ。


 月晶宮の前庭に、特設会場を設えて。

 ステラマリスの城や、インティライムの広場と、オンラインで繋いで。


 開会が告げられてすぐ、仲間代表のミライとミズキに連れられて、二人ずつのイツカとカナタが入場してきた。

 白いリボンを目印にし、背中には小さな白黒翼をつけたイツカとカナタ。

 そして、大きなうさみみにみっつのリボンを並べて結んだ『本体』カナタと、わたしとつながる輪っかを頭上に浮かべた『わたしの』イツカ。

 いずれも、すっきりとした白と黒を基調とした、格調高いいでたちだ。


 わたしはもちろん席を立ち、我らが誇りたる救世主たちを迎える。


『イツカたち、カナタたち。

 そして、彼らを支えた仲間たち。

 よく、やってくれた。

 よくぞ、この世界を救ってくれた。

 もはやこの世界に、強いられた戦争はない。それのもたらす悲しみも、もはや生まれくることはない。

 いま我らの前途に広がるのは、幸せになるための道、ただそれだけとなった。

 それは、これまで誰もなし得なかったこと。

 ゆく先々で、人を愛し、愛されて。

 皆と手を取り合い、力を祈りを一つにして、学園を、国を、世界を変えた。

 それを救国の英雄の行いと言わずしてなんと言おうか。

 否、我らが言うべきは唯一つ。

 ありがとう。こころから、ありがとう。

 われらみな、この感謝を忘れることはないだろう。

 たとえ、アースガルドに転生したそのあとも!』


 短いスピーチを終えれば、拍手と歓声が湧き上がった。

 頭上の空は晴れ渡り、ありがとうの声を吸い込んで、ますます青く澄み通った。


やっとここまで来たー!

次回、アースガルドのイツカナたちと、転生した仲間たちの様子を描きます。


エンドクレジット、マジまとまるんか……いや次回以降だから(ガクブル

どうぞ、お楽しみに!

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