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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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Bonus Track_110-3 人生やりなおします! パートタイマー大魔導士、可愛いカッポゥに『ひゅーひゅー』を送る ~マールの場合~

エルメス様はウマむす……ごほんごほん。


 終わった。やっとこさ終わった。

 わたしはどっと息をついて、おろしていた髪を後ろに払った。


 わたしが何をしていたかというと、ちょっとしたアルバイトだ。

 王城の儀式の間から『大女神(グランドマザー)』の『謁見の間』へ、集まった有志達を送還していたのである。

 もちろん一人で、ではない。

 女王陛下を筆頭とした、国内有数の魔導士チームに、その一角として招かれ参加したのである――『マール』としてではなく、『マレーネ』として。


 わたしの魔力は、なくしていた自らを取り戻すや、再び成長を始めた。

 おかげでわたしの肩書きは、ゼネラリスト系のへーぼんな美少女軍人から、二周目突入の大魔導士(※パートタイマー)に代わっていた。

 なんでパートタイマーか。わたしは、いまの暮らしを捨てる気はないからだ。


 かつてのわたし(マレーネ)には『青春』なんてなかった。

 その延長である日々と職務に戻りたいかというと、こたえはNOだ。

 仲間たちと心から笑える、少女らしい毎日。

 それを手放すことなんか、ごめんだ。すくなくっとも、今は。


 それを訴えたら、女王陛下はわかってくれた。

 だからいまのわたしは、どうしても必要な時だけ、もとマレーネとしてお手伝いに行く、パート魔女なのである。



『シャル』は今日もまたえらく泣いたが、それでもこれは、やらないわけにいかなかった。


『あのねシャル。今日はだいじなおしごとなの。

 あんたを守るためにも、今回はいかなきゃなの。

 言いたいことがあんなら、早く大きくなんなさい――ロディ』


 そう、噛んで含めるように言ったら、ぴたっと泣き止んだ。 

 やっぱり。

 言ってること、わかってる。こいつは、ロディだ。

 これは、再びこいつがしゃべれるようになったなら、いろいろと聞かねばならない。


 しかし、それは数年先のこと。

 いまはまだ、ただのお姉ちゃんのひとりとして、やつをせいぜい可愛がってやろうと思う。

 やつの幼少期は、決して明るいものではなかったと聞いていた。

 だから、一緒にやり直すのだ。

 心優しいお姫様が建ててくれた、しあわせの家で。


 そのお姫様――エルメス殿下は、水鏡の向こうを優しく、実のところちょっとしょんぼり見つめてる。

 彼女は出陣予定だったけれど、急遽とりやめになったのだ。

 殿下は風の天馬ラーハの申し子として、あそこにいく権利も資格もあった。

 ルクが使う『ラーハの翼』の制御を止めるなり弱めるなりすれば、やつの後衛をひっぱりだすことができた。

 そうして、愛する『きーさま』の身の安全のため尽力することが。

 しかし、それをしたらまずいということを、エルメス様もカナタも、直観で感じ取った。

 クエレブレにとってのシャナ。イツカにとってのカナタ。それが、ルクにとってのセレナなのだと。


 それゆえに無事、和解も成立したようだけれど……

 殿下は、愛するきーさまのもとに駆け付ける機会を失ってしまった。

 かくしているけどもちろん、わたしたちはみーんな、わかってる。

 うなずきあうと、陛下がぽんとその肩をたたいた。


「母上……?」

「いってらっしゃい、エルメス。

 きーさまたちを迎えに、ね?」

「へっ?! あのいえ、わたしはっ……?!」


 いつもクールな殿下が真っ赤になって、そんなTPもったいないですよ申し訳ないですからなんて、うまみみしっぽをピョコンさせて言い訳してる。

 そんなかわいすぎる姿をみたら、TPなんか必要以上にわいてきた。

 けっきょく陛下に背中をおされ、殿下は月へと飛んでった。

 あせあせと耳しっぽをしまおうとしながらも、「きーさま」にきゅっとされるとそんなことふっとんで、しあわせいっぱいの顔で『ぎゅー』をかえすお姫様に、わたしたちはめいっぱいの「ひゅーひゅー」を送ったのだった。


よい子のみんな、木を植えかえるなら半年前には準備しないとだめだぞ! ちくしょう!!

取り木で系譜をつなぐことにしますorz


次回、うれしい『戦場』が動き出します。

どうぞ、お楽しみに!

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