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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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109-2 集う友! 狙撃の名手と蒼穹の加護、そしてカードの申し子たち ~白リボンのカナタの場合~

2023.03.25

すみませんサラッとミスってました……

二万キロ→40万キロ

 召喚士は、召喚対象やその力を自分に宿して戦うこともできる。

 いまのルクは、その最大のポテンシャルを発揮しているといってよかった。

 その姿はまさしく、人を超越した戦神。

 そしてそのチカラもまた、恐ろしいものだった。


 第一手のダブルブレスはエルカさんの機転で封殺したものの、続く斉射の威力は『蒼翼』による追い風を受け、ガリガリとこちらの防御を削っていく。

 だが、救いの天使はすぐやってきた。


「まおうさまがたぁぁぁ!! いまこのレティシアがぁぁぁ!! お助けいたしますよぉぉぉ!!」

「フォルカ=リンシャール=アリオン。友のため、参るっ!!」


 かたや、真っ赤な双翼を広げた狙撃屋シスター。かたや、赤いボディスーツの背に、二対の翼を展開したそらとぶガンナー。

 二人は虚空からあらわれ名乗りを上げるや、息の合った様子で、的確きわまる迎撃をはじめた。

 一発の銃撃で、何発もの弾や矢を貫き、誘爆させ、処理していくさまはまさしく神業。


「すごい、すごいよふたりとも!」


 思わず声に出た。おれもガンナーのはしくれだけど、こんなことまではできない。


「わが心の主のためですからっ!!」

「あなたたちは、わたしに希望をくれた。だから今のわたしがある。

 つまりこれは、恩返しだ!」

「ぶっちゃけ、そーいうことっ!」


 カッコよすぎる『天使』は二人だけじゃなかった。

 なんと彼女らのうしろには、ルリアさままで飛んでいた。

 明るい笑顔でウインクひとつ。そしてカッコよく宣言するに。


「六獣騎士・蒼穹の女帝ルリアの名にかけて!!

 この空の風に、あなたたちを害させはしない!!

『蒼翼・ジェットストリーム』!!

 全力でぶっかますわよ――!!」


 背中の翼、両腕を変じた翼。

 さらにはもう一対の蒼翼をひろげ、思い切り羽ばたけば、こちらの射撃も強烈な追い風をまとう。

 さすがは『蒼穹の女帝』。背伸びをしてもルクの背の蒼翼より小さいのに、パワーは全く負けてない。

 彼女の後ろに控え、渋い歌声で支援をかける執事さんのおかげか。

 いや、それだけじゃない。

 彼を代表とした『空の民』たちの多くが、約40万キロの彼方から、同じ歌を届けようとしているのが、おれたちの耳にも聞こえる。


 もちろんルクも状況を打開しようと次なる手を打つ。

 射撃を行う二対の腕のうしろ、巧みな手つきで宙にカードを展開した。

 大きさはデカいが、あのカタチと輝きは『スペルカード』。使ったのは投射攻撃強化カード『ストロング・シュート<強射>』。

 あちらからの射撃が重さをます。相殺のペースが下がりじり、と弾幕が押し戻される。

 大丈夫。『スペルカード』と聞けば、すっ飛んでくる強い味方がおれたちにはいるのだ。


「『デコイ』『デコイ』『デコイ』!『矢返し』『暴走キーロック<施錠>』!!

 カードですか? カードですね? それはこの超絶天才カードキャスターたるこの『グリーン』様への挑戦ッということで間違いネェですねェっ!!」

「『スペアキー<合鍵>』オン、『矢返し』に『インフォース<強化>』『エクステンド<延長>』『リピート<再現>』!!

 そういうことで僭越ながらわたくしも、お供させていただきます!!」


 グリーンのスーツに身を包んだ、うさみみかわいい天才カードキャスター、ベルさん。

 そして、ステラ最強『六柱』のひとり、カードと格闘を使いこなして知的に戦う『水雷』エルナールさん。

 まずベルさんが特殊効果カード『矢返し』でお返しを狙う。

 もちろん無防備に展開しただけではすぐ対策を取られてしまう。『デコイ』により、相手のスペルを一発ひきつける体制をつくっておいて発動。

 秀逸なのはスペル破壊や解除を防ぐために追加した『キーロック<施錠>』だ。


 かつてソリステラスに行ったとき、ベルさんにスペルカードについていろいろと教えてもらったものだ。

 そのとき印象に残ったカードのひとつがこれだ――


『『キーロック<施錠>』系は、スペル保護カードのなかでも特殊なものです。

 セットになってるカード『スペアキー<合鍵>』を使用した場合だけ、保護中のスペルに加工ができるという特性があるのです。

 まあブチ破るとかブッ壊すとかとにかく相手をブッ潰すって対処法もないではないですが、相当の力量がないと難しいです。

 特定のスペルを絶対維持したいとき、逆にキーロックの解除そのもので相手方の手を取らせたいとき。

 もしくはスペルを数ターンかけて複合強化したいときや、複数のキャスターが組んで戦うときにぐらいしか、使われないものですが……

 いずれにしてもスロットに余裕がなければ活かしきれないので、あんまり使われない子なんですよね。

『暴走キーロック<施錠>』なんて、無理に破ろうとすると保護中のスペルが暴走するんですよ? めっちゃ使えると思いませんっ?!

 ああ、いつか使いたいなあ。あ、もちろん戦争なんかじゃなく、カードバトルでですよ?』


 ――あのとき、きれいなおめめをキラキラさせて、いとおしげに解説をしていたベルさんの夢は、ここでかなったのである。


 エルナールさんが『スペアキー<合鍵>』を使用。『矢返し』を強化しまくった。

 こうなるとルクは撃てば撃つほど自分に倍率かかったダメージが返る状態だ。

 思い切りよく射撃をストップすると、すらりと長い右脚――地から伸びあがる、巌をまとった長すぎる脚を、ぐっ、と持ち上げ、地面にたたきつけた。


ぶっちゃけ、お祭り進行開始です。

ほんとはみんな出したいけれど、出せない子も……そこは残念。


次回、天災級の攻撃と、それを制する心強い同志たち。

どうぞ、お楽しみに!!

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