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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_13 それはきっと、ラブコメで

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13-5 シノビ・クッキー・エクセリオン!

 なんとかかんとか、自室に引き上げて後。

 アスカから受けた説明に、おれは衝撃を受けた。


「え……ルカが、おれのことをっ?!」

「そーそ! あれは確実に落ちたねっ!

 や~すみにおけないねーカナぴょーん!」


『落ちた』。その意味くらいはおれだってわかる。その前に『恋に』をつければいいだけだ。

 けれど、さらにその前に『ルカが』『おれへの』とつけると、途端に納得できなくなる。なぜって。


「いやだってさ、ルカは年上がタイプなんでしょ。

 というか具体的には、エルカさんのことが……

 知的で穏やかで高身長、おしゃれで紳士な優男だけど、手は大きくて少し筋張ってて、柔らかな中にもしっかりとした男らしさが秘められてるような男性が」

「それきみにもかーなーりあてはまってるからねカナぴょーん?

 まあお手手なんかはきれーだし、背の高さとかもこれからだけどー」

『じゃじゃーん、とある場所から学生時代のエルエルの画像データ拾ってきましたー!』

「おー、マジかこれ似てるー!」

「わわ、親戚のお兄さんみたーい!」


 ライカが出してきた画像に、イツカとミライが驚きの声を上げる。おれも驚いた。

 髪色や、目の形――おれよりすこし切れ長で、知的なかんじだ――など、細かい部分で違いはあるが、それでもかなり似ている。

 ミライが言うとおり、もしも親戚です、と言ったなら、だいたいの人が納得する感じだ。

 スターシードのおれに親戚はいないのだけれど、エルカさんもたしかスターシード。まえのセカイで何か、ご縁があった可能性も否定できない。

 もっとも、それを証明することもまた難しいだろうけれど。

 そんなことを考えていると、アスカがさらにとんでもないことを言う。


「そーそ、ついでだから在学中の背筋力とかのデータも集めてみたけど見事に合致したよー。ねーシオっちー」

「そうそう!

 あのね、エルカさんのデータをプロットしたグラフがこっち。で、これがカナタの入学からのデータから作ったグラフ。予測曲線もふくめてすっごい綺麗に重なるんだよ!」

「さらにくわえてアレだ。ぶっちゃけ背が低い方が抱っこしたときの顔の距離が縮む!」

「つかカナタさんはまつげも長いしっ!」

「さらには吊り橋効果で!」


 さらにはシオンにニノ、ソーヤにクレハをはじめとして、どっからかわいたクラフター連中がわいのわいのとデータやなんやを披露し始める。

 もっともクラフターズ全員ではない。チアキは無邪気に小首をかしげ、レンは彼をなだめて隔離してるから。

 逆に言えばそれ以外の『うさねこ』クラフターは全参加だ。おい。

 ほかの連中のほとんども止めやしない。おい。


「おまえらはなんの話をしてるんだ?」


 ひとりイズミが冷静にみもふたもない質問をくれると、ニノがなぜか口調も含めておばちゃんMAXなこたえを返した。


「イズミちゃんっ! これはカナタちゃんの将来にかかわる大事な話なのっ!

 ぶっちゃけカナタちゃんの将来の伴侶が」


 そのとき、ぴんぽーんとドアホンが鳴った。

 壁の液晶画面を見ればなんとルカだ。


「ものども、隠形おんぎょうっ!!」


 アスカの一声で、リビングいっぱいの悪友どもはささっと隠れる。

 小生意気なことに、物入れやら勉強部屋スタチェンやらベランダやらに入り込みつつ、寝室と水回りはしっかり開けている。んなことになるわけないだろ。後で『間違えて』スモーククラフトでも焚いてやろう。

 それはともかくとして、せっかくのまともなお客様を待たせるのは申し訳ない。

 おれは気を取り直してドアを開けた。




「あ、あ、あの……さっきはその、ごめんなさいっ。

 えっと、その……び、びっくり……しちゃって、……」


 ルカは制服姿のままだった。

 しかし、いつもの様子とくらべれば、かわいそうなほどしおらしい。

 恥ずかしそうにほほを染め、後ろ手にかくした包みをもじもじと持ちかえる。

 ふわりと漂うのは、香ばしく甘い香り。なかみはきっと……


「カナタさん。上がっていただいてはいかがです?

 よろしければなにか、お飲み物をお入れしますわ」


 そのとき、聞き覚えのある声がそっと語り掛けてきた。

 振り返れば、見覚えのあるメイド服、やわらかな微笑み。

 その顔立ちはブルーベリーさんによく似ているけれど、流れるロングヘアはあの美しいライムグリーン。

 見間違うはずもない。おれの口からは驚きの声が飛び出した。


「えっ、ライム!」

「えっ、ライム・ソレイユ?!」

「どうしてここに? シティメイドはやめたんじゃ……」

「って、なんでメイドさんっ?! 現役エクセリオンが……」


 それはルカも同じだったようで……え?


「えっ?」

「えええ!!」


 いま現役エクセリオンっていわなかったか。

 それを聞こうとすると、部屋の中から無粋なやつらがあふれ出てきた。

 ルカはぱっと逃げ去ってしまう。


「お任せくださいませ。カナタさんはお部屋の方を」

「え、えとっ、はいっ!」


 ルカはライムがつかまえてくれるとのこと。

 ありがたくおれは、室内にはびこる『にわかシノビ』どもをいぶし出す作業に移ることにしたのであった。

いよいよ話がぶっこわれてまいりました……

次回はついに告白ターイム?!(※それどころじゃありません。)

どうぞお楽しみに♪

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