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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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Bonus Track_108-2 俺のこと、マリオさんのこと、そして〜ゴーちゃんの場合〜(1)

思いのほか長かったので二話に分けます!

『俺』の肩の上、マリオさんが次々と召喚と指揮を決めていく。

 まずは、スケさんに従うスケルトン軍団。混ぜ込むように、影の魔獣。

 それだけでも負荷はかなりのものなのに……

 フォルドと『さっきー』の負担を減らすため、ふたりに後衛だけを狙うように指示。こちらで『プロミスオブフィル』を引き受けて、ガーゴイルの群れを追加召喚した。

『俺』にもいまは遠隔攻撃の手段はあるのに、マリオさんばかりが働いて、申し訳ない気持ちになる。


「ええんや、ウチのがとしうえなんやから。

 頼れるとこは、頼っとき!」


 でもマリオさんは、優しくそう言ってくれた。



 頭の中に霞がかかったようだった。

 あの子たちは、たぶん、俺たちと仲が良かった子たちなのだ。

 こっちを見る目、語り掛けてくることばから、そんなふうに感じる。

 なのに、まったく誰だったかわからない。


 なにか、おかしい。

 思い出さなくって、いいのか。

 あんなに、いっしょうけんめいなのに。

 胸の中、もどかしさがつもってく。

 けれどまっさきに思い出されたのは、マリオさんとのことだった。



『前世』の俺は、バーチャルワールド『エヴァーグレイスガーデン』をさまよう『モンスター』だった。

 もともとは、人間だったのだ。けれど、それを捨ててしまった。

 自分の夢に、おしつぶされて。


 そうなるまえの俺は、小説家を目指していた。それも、世界的なベストセラー作家を。

 人間のワナビの例に漏れず、俺もずっと鳴かず飛ばず。

 マリオさん――ちっちゃな頃から見守ってくれていた、仲の良い親戚のお兄さん――は、大好きだといってくれたのだけれど。


 運動音痴で、成績もイマイチで。

 唯一、できることが、まとまった量の文章を楽しく書くこと。

 だから、小説を書いた。

 もっと認められたくて、商業化を志した。

 でも、書けども書けども、夢への道のりはいっこうに縮まらなくて。



 こんなストーリーの作品は、もうある。そして、そっちのほうが面白い。

 そんなコメントにがっくりした。


 人間に完璧な文章は書けません。筋立てをまとめてAIに発注すれば如何でしょうか?

 そんなアドバイスに、そうじゃないんだよと言いたくなった。


 どれだけ情熱を注いでも駄作は駄作。すっぱりと切って読まれるものを選び書きましょう。

 そしてそんな記事に、言葉を失った。



 それでも、いくつもの作品を読んで、勉強を重ねて。

 何度も見直し書きつづけても、その域からは抜け出せなくて。



 創作は無限ではありません。現在すでに、エンターテイメントとして成り立つパターンは網羅し尽くされていると言って良いでしょう。

 あなたが自分だけのオリジナルと思うものは、既にどこかにあるのです。

 よって、表現力になにか、天才的なものがある人以外は、世界的アーティストを目指したりしてはいけません。


 ある日、そんな記述に、うなずいてしまった。

 そしてぼくは、『エヴァーグレイスガーデン』をプレーするようになったのだ。



 そのときやっていた連載をブッチすることはなかった。

 マリオさんをはじめとした、作品を読んで、温かい気持ちをよせてくれる人たちへの気持ちが、僕をつなぎとめていたから。

 けれどその物語が大団円で終わったあと、次を書くことはもう、できなかった。



 豊かな楽園をふわふわさまよい、好きなときに寝て起きて、おもいついたら物語を書いて。

 通りすがりの動物たちや妖精さんにねだられて、読んできかせるとすごく喜んでもらえて、お礼にとくれた木の実を食べて少し遊んで、眠くなったらおやすみなさい。


 そんな穏やかな日々は、幸せすぎて。

 愛してくれるひとたち――両親、数少ない友達、そして誰よりだいすきなマリオさんには申し訳ないと思いながらも、ログアウトを押すことができなくなってしまったのだ。



このゴーちゃん、私(´;ω;`)ウッ…

まあ日向はこんなに繊細じゃないので、幼少期編とか書く気なんですけどね!!


次回、続き!

さっきー「わたしたち出番間に合うんでしょうか……」

え、えーと、お楽しみに!!

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