<Stage_108 思い出して! 四女神&ダンサーズとの戦い!!> 108-1 時には強引に? クレイズさまは究極変身したくない! ~クレハの場合~
2023.04.05
サブタイに章タイトルを入れました!
2023.03.08
やらかした! 追加で現れた先代神獣は『四体』でした。
おわびして訂正いたします……!!
チナツの説得はむなしく流れゆき、戦いは始まった。
龍の姿に変化したクレイズさまがひと吠えすると、その足元から森が溢れ出す。
「チナツ!」
「ファニーフォレストッ!!」
チナツはとっさに迎え火ならぬ迎え森を出現させ、安全地帯を確保。
けれどそれだけでは不十分だ。
相手は女神、その領域はみるみる侵食してくる。
すでに白虎の姿となっていたシーラがチナツをくわえ、俺を背に乗せ、舞い上がる。
「チナツくん、大丈夫?」
「お……おう……」
ぷらーんとぶらさがるチナツ。ユキさんが声をかけても生返事。
これは、だめだ。
チナツは反射神経がいい。だから、さっきのようにとっさの対応はとれる。
でも、それ以上が今はできない。
むりもない。俺ですら、冷静さを欠いているのだ。
最愛の女性ユキさん、俺と契約を交わしてくれたシーラさんがここにいてくれているというのに。
『なあ、あいつ……クレイズはいったい何がしたいんだ?』
と、クエレブレがいぶかしげな声をかけてきた。
『あの龍化。見た目だけだぞ。いうなればハリボテだ。
おそらく、本来彼女のそれは、……』
そのとき、『枝葉の槍』がするどく飛来し、クエレブレのことばをぶったぎる。
そういえば俺たちは、龍化クレイズ様をみたことがなかった。
これまで幾度も、胸を貸していただいているけれど、それでも。
考える暇を奪うかのように、飛べる神獣たちが迫ってくる。
まず、シャシャとルゥさん。続くスゥさんは足元に気を集めてばしゅしゅーと飛んでいる。
「って、格闘マンガかーいっ!」
おもわずといった様子で、チナツがツッコミ。スゥさんの表情が少しだけ動く。
しかしすぐに、もとの冷たい瞳に戻ってしまう。チナツは再び肩を落とす。
そんなチナツを背に放り上げ、シーラは言った。
『よくないな。
チナツが立ち直るまで、我らで守りつつ戦うにしても厳しいぞ。
あちらには地上にのこった者たちの支援もあるが、我らはこれで全部だ。劣勢は否めん』
シーラは、強い。三女神とも渡り合える実力者だ。
その彼女をしてそう言わしめる状況。これは他チームから増援を頼まねばならないか。
『ダーリン! みんなー!』
とりあえず距離をとりつつ考えていれば、下からきれいな声がとんでくる。
ミソラ先生の隣にたつ、シャナさんだ。
彼女が手をメガホンにして言うには。
『あたしー! そっちチームを支援するわー!
それと、提案なんだけどー!
ほかの先代神獣たちとは連絡つかないー?』
『おお! ナイス提案!
ちょっと待っててくれ。ライカ、頼めるか?』
『ういういー。みんなそのつもりでスタンバってたよん!
ほんじゃー先代チームー、ドン!』
シーラが虎の手をぽむと打ち、ライカに声をかければ、即座に四体の神獣たちとひとりの女神が姿を現した。
「ハイターイ! 先代鳥神獣のフェイでーす!」
大きな翼でちゃきっと敬礼ポーズを決め、月萌南の方言であいさつするロック鳥。
「こんちわー! イノシシのフーカだよー?」
その背中でふりふり前足をふる、なんかまるっこい巨大イノシシ。
「大蛇のー、イスマイルデース!」
青く美しい大蛇は独特の口調で自己紹介しつつ、愛嬌あるしぐさで鎌首をペコリ。
「でもって俺が大猿のマイキーだてやんでえ!!」
と思ったら次はもっと個性的だった。
「うーえほんえほん。でもってワタクシが、先代森女神のチキでございますわ!」
「………………はい?」
なんだか作った感がはんぱない口調の女神は、大きな葉っぱの仮面をかぶっている。
チナツはめっちゃけげんな顔で彼女を凝視した。
おおお、すんません……この一話で終わらせたかったけれど時間がとれませなんだorz
というわけで次回、クレイズ戦決着であります。
どうぞよろしくお付き合いくださいませ!!




