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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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Bonus Track_107-1 イツカのうちあけばなし

2023.03.02

すみません……サブタイのナンバリングをミスっておりました。

お詫びして修正いたします。

 俺たちのうまれた世界、アースガルドと名付けられたそこでは、人間が絶滅しようとしていた。

 戦争や、病気とか、じゃない。

 平和で豊かだけれど、進みすぎた世に希望を見いだせなくなった人間の魂が、アースガルドに戻らなくなってしまったためだ。


 たとえ人工授精で受精卵をつくりだしても、そこに魂が宿らなければ、生命のサイクルは始まらず。

 人工的に人としての体を作りあげ、呼吸と鼓動を与えたとしても、その目が開くことはなく。

 人間と異なる生き物の魂を宿そうとしてみても、定着することはできなかったという。

 それはたとえ、宿る『本人』の希望があったとしても。


 そんなわけで、ゆっくりゆっくりと、人口は減っていた。

 それを憂えたアースガルドの住人、人間とAIは、力を合わせて解決法を探っていた。

 そのさなか『見つかった』のが、俺たちだった。


 リアルバーチャル、どちらの世界にも愛を注ぐ心優しいAI『セレスト』の研究によって、俺たちは電子の海から見いだされ、大切に育て上げられ、人間になった。

 俺と、カナタ。つづいて、ソナタちゃんが。


 そこから始まったのが、プロジェクト『ソウルクレイドル』。

 アースガルドから出ていった魂たちを説得して、また、魂たちが出て行った先『楽園』にいた生き物たちにも頼んで、育成プログラムを体験して、アースガルドの人間になってもらうことにしたのだ。


 本来なら、俺たちがそうだったように、ゆっくりと人間として生き、暮らし、育っていければよかったのだが、ベータテストのその間にも、事態は悪化していた。

 そこで急きょ企画されたのがミッション『エインヘリアル』。

 短いサイクルで人間になれる者を出していくため、三人の女神――その本体であるスーパーコンピューター『マザー』のもと、三つの陣営に分かれての多国間戦争によって、成長と死、そして輪廻をくりかえす、というものだった。


 カッコいいスキルを駆使しての転生ウォーゲーム。

 日常パートも充実だ。学校に行ったりゲームをしたり、お茶もケンカも恋もする。

 そうしながら、ひとつの世界も救えるのだ。

 自分たちが成長することで、あるいは、仲間たちの成長を助けてやることで。

 俺たちはみんな、ただひたすらワクワクしてた。

 

 いま、その記憶は封じられてしまっているけれど、それはホントのことなのだ。

 そう、みんなに打ち明けた。


「ってことは、『ホントに』ゲームなの。

 ミッション『エインヘリアル』……ううん、おれたちのいきてきた、この世界、この人生は……」


 ミライが大きな瞳を潤ませれば、アトリエのなかは静まり返った。


「ミライは、どうおもう?」


 カナタが優しく聞くと、ミライは言った。


「おれは、……

『ゲーム』じゃないって思う。

 だって、おれたちみんな、一生懸命生きてきたもの。

 この世界が、そもそもVRの世界なんだとしても。記憶を封じたうえで見ている、つくられた舞台なんだとしても。

 おれは、みんなと、全力で生きてきた。

 それは、うそでもまぼろしでもなんでもない」


 子犬みたいにかわいいくせに、そのこころは神狼より強いミライは、真っ直ぐな目で言い切る。


「これが、人間になるための練習で。それを終えたおれが、人間になったら。

 ぜったいわすれない。この人生のこと、みんなのこと。

 そうして、人間として生きる。

 みんなを愛して、平和を愛して、世界中全部をしあわせにしようとがんばる人間に!」


 つぎつぎに、賛同の声が上がった。

 これが、ゆうべのこと。

 ライカネットワーク内に設けられた、VR特設会場でのことだった。


ほんと、せつめいってむずかしい……

必要十分なことをパッとわかる頭がほしいっス。


次回、つづき!

お楽しみに!!

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