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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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Bonus Track_106-3 かがみのなかにみた<未来> ~???の場合~(2)

「ヒトの心音を聞き分ける、だって……??」


 さらりと言われた。嘘でないことはおれたちレベルでもわかる。度肝を抜かれた。


「ああ。

 ここにいる俺たちは、VRゲームとしてのティアブラにログインしてるアバターじゃねえ。

 俺やライカのチカラをつかって直接現地に『跳んで』きた、生身の人間だからな」

「まー今の俺やカナタは実体ぬいぐるみだから心音なんかしないけどさ。

 ほかのメンツは、生身だ。心臓だってそれぞれの音できっちり打ってんのが聞こえる。

 もちろん聞こうとすればだけどさ」

「あっちゃ~……」


 あっちのイツカたちの言うことに、こっちのイツカたちが天を仰ぐ。もうひとりのおれはため息をつき、おれも頭を抱えそうになった。

 ああ。これは、もうどうにもしようのないレベルでの作戦負けだ。

 たしかにあいつらは第五覚醒者。知覚力は人間などはるか超えていると、知識としては知っていた。

 だが、ここまでとはだれも思い至らなかった。

 すくなくとも、現場の人間は。


 仕方ないっちゃないとはいえた。こっちサイドの第五覚醒者はルクと古龍。ルクはあのとおりだし、古龍は女神の召喚獣。ここんとこの細かいアラを指摘できるやつなんかいなかったのだ。


 そんなわけで、底にでっかい穴の開いていた作戦は、ここで瓦解した。

 いや、まだワンチャン残ってる。


「おれたちが、勝てばいい」

「……!」


 イツカたちが、もうひとりのカナタが、はっとおれを見た。

 やつらがセレネ様の正気を『人質』にしたことはすでに知れている。

 だが、同じことはおれたちにもできる。


 赤のイツカを消され、家族のくらす国を混乱のさなかに落とされたくなければ、骨抜きレベルの『平和』で止まれ。そう、要求すればいい。

 おれたちが、やつらに勝って。


 できない、わけがない。

 おれたちのこの体には、GM(グランドマザー)のチカラが吹き込まれてる。

 おれたちの背後にあるのは、この世界を統べる存在。

 あっちはどこまでも、この世界の参加者。

 勝敗なんか決まってる!!


「やろう!

 勝てばいいんだ。どっちにしろ、やればいいことはそんだけだ!」

「だな!!」

「やるっきゃないね!」


 おれたちはうなずきあった。


「勝負だ、イツカナ!」

「勝ったほうが、ホンモノだ!!」

「おい、やめろ!

 みんな、ここは俺とミソラに任せて先に行け。

 お前たちの相手は……」


『青嵐公』が止めようとする。

 わかっている、やつは情の深い男だ。おれたちをも案じているということはすぐにわかった。

 自分たちがかわって戦うことで、この『哀しい対決』を回避させようとしているのだ。

 まあ、そうだろう。そっくりなのだ、おれたちとあいつらは。

 それでも、あいつらは言った。


「いやさ。ここはやっぱ、俺たちがやんなきゃだろ?」

「そうですよ、ノゾミお兄さん。

 おれたちと、といって、ここにきたのなら」


 前回の『ニセモノ事件』はしんどくなかったのか。赤リボンの二人は自信を見せる。


「おれたちは前回、かれらと相まみえなかった。

 ここでちゃんと向かい合えなければ、遺恨も残るでしょう」

「つか、バトってみたいしな!!」


 白のほうもやる気だ。『銀河姫プリンセス・ミルキィ』が『青嵐公』の肩に手を置いた。


「……そうだね。

 ノゾミ、ここは見守ろう。

 ほかのみんなも。ここは、イツカたちとカナタたちだけで。

 だいじょうぶ。全力勝負の一回二回で、へこたれるようなイツカナじゃない。でしょ?」


 そうして、どこかいたずらっぽいような、自信に満ちた笑みを見せた。


きりが悪いので本日はここまでで!


次回、イツカナーズVSイツカナーズ!!

どうぞ、お楽しみに!!


※夕~夜にねこちゃんな数え歌を別途投稿予定です!

そちらもあわせて、お楽しみに!!

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