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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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106-2 意外な結末? 狐の紳士と健気な妖精! 〜イズミの場合〜

ちょっと早いですが投稿します!

 おれたちの目の前にいるのは、龍と妖精のコンビ。

 木陰の清流を思わせるきれいな青緑の龍と、その背に乗った清楚な金髪の美女(※ハネつき)といった組み合わせだ。


「いくわよ、ダーリン!」

『まかせろ、ハニー!!』


 アハハウフフと笑いあうふたり。なんだろう、逆に新鮮かもしれない。


「フゥハハー!! そのてーどのカッポゥビームがなんだってんだー!!

 ニノさんにはなー、イズミさんというサイッコーのバディが」

「そんな部分で張り合うな。いくぞ」

「ふぇ~い……」


 ニノはなんか涙目になってくだんないところで張り合い始めたので、話をぶった斬って始めることにした。


 シオンからの情報によれば、クエレブレは弾丸さえもはじき返す固い鱗を持つ。

 そいつ相手に、おれたちの攻撃を通すなら。


「『ラビット・リッパー』!!」


 おれは跳ねた。空間を切り裂きながら。

 すなわち、おれの通過した場所はすべてを切り裂くトラップとなる。

 トウヤの『墜華月閃』をまねしたもの。この間、ようやくできるようになった新技だ。


「ウフフ、そんなの! ~♪」


 金髪の妖精が歌いだす。きれいな声で紡ぐのは呪歌だ。

 おれののこしたトラップはどれもきらきらとした光にうずもれ、溶け去ってしまう。

 ゆうゆうと翼を広げ、突っ込んでくるクエレブレを、おれとニノは済んでのところで回避した。


「マジか……

 っしゃ、だったら! 『狐の火花《レヴォントゥレット》』!!」


 ニノが繰り出したのは、第二覚醒技で描く、巨大な錬成陣。


「初級・風? そんなのダーリンには効かないわ!」

「ほほーう? だったら受けてくれるんだな? イズミ!」


 おう、と応え、発動――時止め。

 ニノは『狐の火花《レヴォントゥレット》』を連発、これでもかと言わんばかりの錬成陣を描画、発動。

 空中に火の輪くぐりよろしくズラッと並んだ、錬成陣の列を10こ生成。

 正九角型プラスまんなか、という配置に並んだ全ての列は、最終的に、ニノの手元に収束している。

 アークさんじこみのそいつは、前の一つが発動すると、そのパワーを使って次が発動するエコな作りだ。

 ニノはポーションを飲み干しながら、手元の錬成陣を起動。

 流れるように起動していく風の陣。発生した風は、次の陣を通り抜けながら、その陣で生まれる風と合流して、風量と風速を増していく。

 結果。時止めを解除したときには、もはや風の暴力としか言いようのない突風が、クエレブレの動きを奪った。


『なああああ!!』

「わたしがっ! 〜♪」


クエレブレの背に伏せた妖精が歌い出す。けれど、音さえ吹きちぎられる勢いの風に、しがみつくので手一杯。まともに歌うことはできない。


「ごめん、ダーリン……わたし、もうむり……

 ごめんね、弱くて……!!」

『シャナ!!』


 細腕の妖精が吹き飛ぶ寸前。ニノは最初の陣にリアクト・ブレイクを打ち込み、すべての陣を連鎖的に破壊した。


『お、おお……?』

「さすがに、女の子泣かせてふっ飛ばしたら寝覚め悪すぎなんでな。

 仕切り直そうぜ。彼女が回復してからでもいいし、クエレブレと俺たちどっちかとかでもいいわ」


 このオレンジ狐、古龍とタイマンとかムチャ吹いてんじゃねえ。うさみみパンチを食らわせてやりたかったが、ここは黙っておく。

 なぜって、こういう場面でのこいつのカンとセンスは、なにより信じられるものだったから。

 はたして、クエレブレは一つ息をつくと、停戦を申し出てきた。


『シャナに優しくしてくれるやつらは、俺の仲間だ。

 そいつらとは、戦えん。

 ……シャナは健気な娘でな。戦いとなると、非力を押して俺を守ってくれようとする。

 だが、これまで対峙したやつらはこれ幸いとシャナを狙った。

 もちろんぎったんぎたんにしたのだがな?』


 クエレブレの目がギランと光る。なるほど、シャナ撃破=死にフラグというわけだ。

 申し訳なさそうにうつむく妖精に、クエレブレはやさしく頬を擦り寄せる。


『いいんだ、いいんだ。お前の気持ちが嬉しいんだよ。

 というわけで、この試練は合格だ。

 ここまでに見せた実力も充分。お前たちは、この先にゆく資格がある』

「そっか。ありがとなクエレブレ。

 シャナさんの声も綺麗だった。俺たちの恩師といつかセッションさせてみたいな。ミソラちゃん先生、歌が大好きだからさ」


 このタラシ狐め、他人の奥さん口説いてどーする。

 こんどこそお仕置きパンチをくらわそうとしたおれのうさみみは、空を切った。

 ニノが笑って、おれの肩を抱き寄せたからだ。

 その瞬間、シャナの目がめっさキラキラし始めた。

 なるほど、ファンサービス、というわけだ。

 ちょうどいいのでおれは、つつしんでニノのやつにうさみみパンチを進呈した。


 見れば、白のイツカナも丁々発止と斬り結んでいる。

 だがその向こうには、驚かざるを得ないものが見えた。

 ハヤトが、黄金の龍にばくりと食われてしまったのだ。



シャナ「イケメンカッポゥがきらいな妖精なんていませんっ!!(力説)」


おかげさまで体調は無事快方に向かっておりまして、うれしいことに検査キットでしらべた結果は陰性でした。(∩´∀`)∩


次回、オウリュウVS『白兎銀狼』。

四方をつかさどる究極チートに勝つための方法とは……?

どうぞ、お楽しみに!!

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