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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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106-1 フリーダム! 厄災の龍と清めの香り! 〜白のカナタの場合〜

ちょっと体調を崩してしまいました。不覚!

おかしいところを見つけましたら後ほど修正します……m(_ _;)m

 人を憎み、天を荒らし、作物を枯らす。

 まっこうから『おれたち』にぶつけるためのチョイスだということは一目でわかった。

 毒々しい、金属的な虹色を浮かべた黒の三頭龍。

 かったるそうに右一つの首だけをあげる仕草とうらはらに、金色の眼光は鋭く突き刺さる。 


『ハァ……面倒……

 もうじゃんけんとかで決めねえ?』

「おっし」


 おっしゃ~とノリノリに乗りかけた黒にゃんこ野郎をうさみみロールに。おれが笑顔で問いかける。


「それも面倒なんで、もうやっちゃったことにしません?」

『いいのか? そんじゃあ俺の勝ちってことで』

「えー、俺の勝ちってことにしよーぜ!!」

「やっぱりやらざるを得ないみたいですね」

『ハァァァ……』


 ふかーくふかーくため息をつくズメイは、どっこらしょと残り2つの首を上げた。


『ムダだ、イツカナ。

 お前らのちっこいハネで俺の嵐は越えられねえ。草を生やそうが森を生やそうが全て、毒を食らって枯れ果てる。

 わかったら無駄な抵抗はやめて投降してくれ』


 すると、イツカが熱血する。


「無駄なんかじゃねえ。

 ルカとルナのくれた翼は無敵だ。カナタは毒程度で参るやつじゃねえ。

 むしろこいつの毒舌ときたら」「いらないことは言わないでいいからねイツカ?」


 しかし、ついでにいらないことを口走り始めたのでうさみみロールでシメておく。

 ギブギブとうさみみをたたくのを確認し、ぺいっと放免。


『うおおイツカナブレなすぎ……』

「すみません、それじゃ始めましょう」


 なぜかいたくビビってるズメイに笑顔を向けて、おれは戦いの始まりを宣言した。



『じゃあもうめんどくせえんで。

 発動、マルチディザスター』


 キャラのブレないズメイがボソッと唱えると、彼を中心に暴風雨がうずまき始めた。

 どっしりと立つ足の下からは毒々しい色合いが広がる。なるほど、嵐と毒の沼による複合攻撃というわけだ。

 彼が台風の目になっているということは、イツカが上から『0G』で攻撃すればクリーンヒットを狙える。

 問題は、台風の中及び周辺が毒の大地となっていること。伝説の古龍の毒なのだ、なめてかかれば大変なことになる。


 第五覚醒者としての超越力でスルーするのも不可。なぜなら、ズメイも第五覚醒者だからだ。


 ここは、正面からやるっきゃない。

 大丈夫。おれは『プロミスオブフィル』で前進、毒の沼に足を踏み入れた。

 清冽なるフィルのチカラが、触れた大地を浄化する。

 でも、これだけではだめだ。

 一歩を踏み出せば、足の離れた大地はすぐに毒に侵される。だからおれは。


「『卯王の(ラビット・)幻想園ファンタジア』!!」


 この毒を愛し、この毒で育つ植物を作り出し、毒の大地に植え込んだ。

 みるみる育つ植物たち。咲き乱れた花花は、ふくいくとした香りを放つ。

 もちろん、その香りにはもう毒などない。むしろ毒を浄化する働きを持っている。


 嵐に巻かれたらかわいそうなことになるので、植物たちを生やすのはズメイから離れた周辺だけ。それでも、浄化の香りは嵐の中心へとぐんぐん引き込まれていく。


『ちょっげっうわ? なんで集まってくんのこのにおい?! いやいい匂いだけど厄災の龍的にはやばいんですケド?!』

『そりゃ、そうですよ。

 台風ってのは超強くなった低気圧です。風も何もかも、その中心に集まっていくんですから』

『なあああ!! どーしろってんだー!!』

『技、解除されてはどうですか?』

『あっそっかそうだった!』


『マルチディザスター』を解除し、多頭龍は首をどかっと地面におろしてため息。なんだろう憎めないこのひと。


『はあああ……たすかったわー……』

「えーと……だいじょぶか? ちょっと休むか……?」


 そのぐったりぶりにイツカもちょっと気の毒になったのだろう、そんな声をかけてやってる。


『あー……おう……いや。

 とりあえずやるだけやらなきゃカッコつかんだろ。

 ちょっと変身するわ、えい』


 どこまでも脱力した掛け声とともに、ズメイは黒衣の美丈夫に姿を変え、黄金の剣を抜いた。


『こっちのほうがお前たち相手にゃよさげだわ。

 んじゃ〜第2ラウンドってかんじで』


 力の抜けた立ち姿、人差し指でちょいちょいと招いてくる。

 ぴん、とイツカの耳が反応した。

 こいつは、強い。

 おれはすかさず距離を取りつつ、ふとももの双銃を抜く。

 ミックスポーション弾をイツカの背中に撃ち込んだときにはもう、2つの剣は交わっていた。


次回、フリーダムどもを横目で見つつのクエレブレvsイズニノ戦!

どうぞ、お楽しみに!

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