103-2 こんにちわソリス領! はじまるぞ、ソリス杯! ~ハルキの場合~
2023.01.16
なんかやっぱしサブタイ詐欺やん! 感がぬぐえず……修正させていただきました!!m(__)mスミマセン!!
そんなわけで俺たちは急きょ翌朝、出航した。
もしかしたら移動中に一戦あるかもしれない、そう警戒もしていたけれど、特にそういうことはなく……
「ようこそ! 月萌の貴公子よ!」
「ようこそ! 勇ましき友よ!」
「ようこそ! ステラの姫を射止めたリア充よっ!!」
「ひゅーひゅー!!」
「レモンちゃああん!!」
「しろくろあいしてるうううう!!」
「おこんがー!! おこんがああああ!!」
まもなくソリス領東海域が見えてくれば、空の民と海の民、さらにはステラ領軍による心強い守りと、フリーダムな歓迎を受けた。
正確にはフリーダムだったのはソリスのひとたちで、ステラ領軍のひとたちは基本的にそこまではじけてない。
それでも、笑顔で敬礼してくれたり、手を振って歓迎の意を示してくれた。
俺たちも甲板に出て、笑顔で皆さんに手を振り返した。
上陸後は、平原の民と森の民のエスコートで陽都インティライムへ。
翌日の打ち合わせののち、用意していただいたお宿へ。
残念ながら観光はできないけれど、地の民のつくった花火を見、草原の民のお料理を頂いて、ゆったりと楽しく過ごすことができた。
翌日。
身支度に朝ごはんをすませたら、休憩後軽くウォームアップ。
会場である『戦いの丘』へとむかった。
インティライム北門を抜けて、しばらく歩いたところ。海まで続くエリアがそれだと聞いていたけれど……
ぶっちゃけ、度肝を抜かれた。
だって、埋まっているのだ、人で。
フィールドとして指定されたと思しき楕円の領域と、そこへ続く道以外は。
人、人、人。みんな、期待でいっぱい。
その熱気たるや、局地的に上昇気流が起きてそうなレベルだ。
さすがにちょっとびびりそうになった俺だったけど、エルさんがやさしく寄り添ってくれたら、そんな気持ちも吹っ飛んだ。
そうだ。今日はステラ杯のときとは逆に、俺のかっこいいところを見てもらうんだ。
相手は歴戦のつわものたち。たとえ最終的に勝ちを収められずとも、気持ちの熱さでは勝ってると信じる!
『おっとぉ! 熱い! あついぞロイヤルカッポゥッ!
試練の場をまえにして、甘く優しく寄り添った――!』
「ふぁっ?!」
するとそこにノリノリのアナウンスが響いてきた。
実況席で身を乗りだしてマイクを握っているのは、ルゥさんだ。
俺たちに見られているのに気づくと、大型スクリーンごしにうさみみピコン、ウインクバチコンとばしてくる。
とたん沸き上がる、嵐のようなひゅーひゅー。俺たちは真っ赤になってしまう。
でも兄貴とナナさんに背中をあったかく叩いてもらえば、狼狽もあったかく消えていった。
『初々しい二人を包むのは、あたたかな兄弟愛!
いいですねえ、ほのぼのしますねえタクマさん!』
『それな!
あいつらホント仲良くって、見ててほのぼのするんだよなあ』
となりの席でかけ合いをするのはタクマさん。
今日ここにいるのはゲスト解説者という名目でだが、実はひと試合だけタクマさんが実況をかわることになっているのを、俺たちは知っている。
『と、もう一組のほのぼのコンビがやってきた――!
六獣騎士ライアン代理、ルー=スノウフォレスト!!
北の狼族の長にして、ふゆげモフモフなキレものだ!!
エスコートしているのは森の民の長!
優しき貴婦人・ステファン=ハーティーだあああ!』
そのとき、俺たちの相手となる二人が入場してきた。
先に立つのは、ライアンさんを補佐する、冷静沈着な若い男性。
クールな銀髪と狼耳の彼がエスコートしているのは、どこか俺たちのおばあちゃんに似た、初老の女性だった。
次回、ゲスト枠開戦!
ハルハル兄弟、さらなる覚醒なるか?!
どうぞ、お楽しみに!!




