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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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101-7 残酷な選択、意外な救世主!

「セレナ、……いや、おまえさ。

『人を、目標値で縛り、その人生をささげさせる。

 二度と、そんなことのない世の中を』

 そう言ってたろ。それが、なんで」


 イツカに問われれば、セレナは哀しい目をして「ごめんなさい」と頭を下げた。


「あなたと話した、あの時は……そう思っていたの。本当に、心から。

 けれど、その後。

 月萌で恩赦を受け、再び『御前』として、働き始めてから。

 わたしは、思い出してしまった。

 わたしがなぜ、生まれたのか。前世、どんな約束をしたのか。

 わたしの、ルクの、犯した罪。

 それから逃げることは許されない。それを繰り返すことだけは絶対にできないの。

 あなたに救ってもらっておきながら、本当に……申し訳ないと思っているわ。

 でも、やらなければ。

 わたしは、わたしたちはほんとうに、世界を滅ぼしてしまう……!」


 イツカから、ほかの仲間たちから。ライカからさえ、驚きが伝わってくる。

 かくいうおれも驚いていた。

 セレナのしぐさが、しゃべり方が、まるで変わっていたのだ。

 以前はなんというかもっと、見た目不相応に大人びていた。

 それが今は、まるで見た目通りの可憐な少女。


「おまえ、セレナ、……なんだよな」

「はい」


 イツカは驚きつつも飲み込んだ様子。おれも彼女の声を聴いて納得した。

 これも、彼女だ。

 おれたちの知らない生を生きてきた、ホンモノの。


「悪い、ちょっと驚いた。

 でも、いまのセレナもセレナらしいし、わるくないと思うからな!」

「え、……」


 イツカが小さな笑みを添えてのたまわると、セレナがぽっと頬を染める。

 またやりやがった、この無自覚主人公野郎めは。

 あとでセレネさんによるお説教確定である。

 もっともその前に、ルクが咳払いで軌道修正を行ったのだが。


「姪を口説くつもりなら、保護者の私をとおしておくれでないかね?

 本題をすませよう。

 君たちがどう足掻こうと、ミッションは止められぬ。

 なぜならこれを果たせねば、イツカ、カナタ。君たちの故郷、そこに住む人類は、遠からず絶滅するのだ。

 そうなればこのミッドガルドもまた滅ぶ。

 君たちはミッドガルドの民を想いやって行動した。その精神は尊いものだ。だがその試みそのものが、状況を悪化させていたのだ。

 きみたちがほんとうに、ミッドガルドの――我々の未来を望むなら。

 なすべきことは明らかだ。

 そこにいる、ともがらをその手で捧げよ。

 我らのために。――未来のために。

 彼らならばすぐにでも、アースガルドに転生できる」


 ルクはおれたちの後ろに立つ、仲間たちを指さした。

 それを裏書きするように、『謁見の間』の空が虹色に輝く。


「ここにいる者らを全て捧げれば、今年度の数値目標は完遂される。

 お前たちにより奪われた、明日への可能性を取り戻すことができるのだよ。

 さあ、早く……」

「うそ、つかないで」


 残酷な問いをかけるルク。その前に飛び出したのはなんと、ソラだった。


次回、ソラが告げる真実。そして始まった戦い。

どうぞ、お楽しみに!

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