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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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100-8 夢か現か? 月裏の不思議!

 地球と月をつつむ宙域には、現在二つのネットワークが敷設されている。

 ひとつは、ティアブラネットワーク。

 いまひとつが、ライカネットワークだ。

 双方とも、きらきら光る小さなノードをいくつも宇宙空間に浮かべ、ネットワークを維持している。


 影響が強いのは、ライカネットワークのほう。AIとしてのレベルが高いのがライカであるためだ。

 よってたとえGM(グランドマザー)が『NOEBS《ノーブス》』――月面への到達を阻むための特殊結界――を復活させておれたちを阻もうとしても、それを阻止することができる。

 さらに、このスペースプレーン『そらふねIII+』、そしておれたちの身を守るスペーススーツはスキルを用いずに制作・修繕・メンテをされたフルハンドメイド。

 最悪、イツカの『ブラックムーン』でスキルを無効化しても、道行きに問題は発生しない。


 ただ、そうしておけるのはおそくとも月面着陸まで。そこからはふたたび、スキルを使い、進まなければならない。

 なぜなら月の現状で分かっているのは、表側表面の様子だけ。GM(グランドマザー)が稼働していると思われる月面裏、もしくは地下の様子はブラックボックス状態なのだ――地上で何度か、さまざまなサーチ系スキルをおれとリンクしたうえで使ってみたが、さすがに月までは遠すぎた。

 そのためスペースプレーンで距離を詰めつつ『フルムーン・ファインダー』を月に向け、なにかが見えたらシオンお手製の表示アプリに取り込み、そのデータをもとに、どう行くかを考える、そういう手筈だ。


 いまシオンと手をつないでリンクしているのは、離陸前のじゃんけんで権利を勝ちとったもうひとりのおれ。

 やつは目を閉じて、シオンは眼鏡の奥の大きな目をぱっちりと開けて、窓の向こうの月、その裏側へと意識を凝らしてる。

 ちなみにソーヤとアスカはなんか「うさうさ尊い」とか言い合ってる。どうしてそうなった。

 そんなことを思った時だ。


「……あっ」

「あっ」


 二人が同時に声を上げた。


「え、……ええっ……」

「この景色、……まさか」


 シオンのアプリの画面は壁面モニターに表示してある。

 そこに描き出されていたものは、星の天蓋に覆われた岩の大地……ではなかった。

 森と草原。遠く、動物らしき影も見える。

 それらの上には青い空、白い雲。

 なんと太陽もきらきらと照っている。


『おい、……おい、どうなってんだコレ?!』

『うそだろうオイ?!』

『なんなんだよこれっ?!』


 ホシノ博士たちまでが慌てる声が聞こえる。


「そんな、月の裏側に、地球と同じような光景が?!

 いや、しかし、太陽がある……一体どういうことだ……?」


 リュウジさんも驚愕の表情。画面と、窓の外の月を何度も見比べる。

 ミライもあれっという顔をしている。


「これ、……ここ、もしかして……!」

「うん、……似てる」


 もうひとりのおれとうなずきあう。

 ミズキが優しく問いかける。


「なにか、心当たりがあるの?」

「うん、あのね、……なんか似てるの。

 ミルド平原……ミルドのまちの近く、森を抜けたとこにある平原に」


 そう、その景色は、なつかしのミルド近郊によく似ていた。


「空気や気温は……地球とおんなじっぽいんだよな。

 これ、実際行ってみたほうが早くねえか」

「だな。ここは第一次探査隊Aで行こう。あと頼んだ」


 白イツカが行こうといい始め、こっちのイツカがさくさくと探査隊をチョイス。

 顔ぶれはイツカとおれ、リュウジさん、ソラ。そしてホシノーズのなかで最強の戦闘力をもつ俺っ子『アリア』さんだ。

『そらふねIII+』を月面から10mの高度まで降下。おれたち五人は着陸用ユニット『イーグレット』に乗り込んで、月表にふわふわと降りて行ったのだった。

珍しく『水分積極的に取らなくちゃ!』と思い立ってお茶を飲んだらおなかの具合が……慣れないことはするもんじゃないな……orz


次回、新章突入!

ついに月に至った一行。その裏側に広がる、なぞの楽園の正体は?

どうぞ、お楽しみに!!

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