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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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Bonus Track_100-2 騎士たちの下剋上? 決意のジャック大作戦! ~ミズキの場合~

2022/12/15

逆です……修正いたしましたm(_ _;)m

授与なさって→受領なさって

『ミズキ、ミライ。

 きみたちはもう十分に、高天原学園の卒業生ですと胸を張れるだけのことをしているんだよ。

 ほかの有資格者の監督下でとはいえ、なんども高天原外に出ているミライは、もう充分に四ツ星講習相当の体験をしているといえる。

 学業もバトルも、実習も文句なく優秀だ。きみたちさえ望むなら、即時卒業資格を授与できるんだからね?』


 ミソラ先生からはそう言われている。

 シルヴァン先生も、ノゾミ先生も、おなじことを言ってくれている。

 もちろん、アキトやセナをはじめとした、仲間たちも。

 それでも、一歩ふみだせないのは、俺のわがままだろうか。

 ミライは優しく笑って、おれはミズキといっしょだよ、と言ってくれる。



 そんな俺たちに転機が訪れたのは、土曜日の夕方。

 星降町の友人たちとの約束のため日帰りで高天原を出たおれたちが、騎士団詰め所にもどったときだった。


「ただいま」と扉を開けるとそこには、誰もいなかった。

 きれいに片づけられたテーブルの上にはプリントアウトが一枚。

 記されているのはQRコード――いつも使っている、VR貸し台所のアドレスだ――と、見覚えのある丁寧な文字でのメッセージ。


『前略

 これなるお台所は、お二方に話し合いをお願いいたすべく、我々有志が占拠させていただきました。

 お疲れのところを大変申し訳ございませんが、どうか冷めないうちにおいでくださいませ 草々』


 署名もしっかりはいっていた。有志代表ロアン・ミキヤと。


「えっと……これ、ご招待?」

「かなあ……??」


 俺とミライは、顔を見合わせてしまった。



 台所を占拠される。それは俺たちにとっては、大変なことだ。

 なぜって、特にミライにとって、台所は大切な場所なのだ。

 お料理を作ってみんなに振る舞い、おいしいと食べてもらうことがミライのいちばんの癒し。

 この台所で何か一品作り、みんなにふるまうのはほぼ日課となっていた。


 だがミライのお料理タイムがなくなるということは、自分たちの楽しみも減ってしまうということだ。

 なにより重大な問題として――ミライが泣いてしまうかもしれない。


 つまりは、それだけの覚悟をもって実行に至ったということだ。

 そして、そうまでしなくちゃならない問題といえば。


 はたしてQRコードを携帯用端末ポタプレで読み込み、移動した先には、厳戒態勢が敷かれていた。

 なんだかすごくいいにおいの漂うテーブルに通された俺たちはそこで、ロアンとミキヤ、アキトとセナから、再び説得を受けた。


「お願いします。卒業資格を受領なさって、イツカさんカナタさんのもとに行ってさしあげてください。

 騎士団は、僕とミキヤで。うさねこは、アキトとセナで。しっかりと守ってみせますから」


 おれたちのこたえはもう決まっていた。

 ふたりでせーので、声を合わせていった。


「よろしくお願いします!」

「…………えっ」


 ロアンが、ミキヤが。

 アキトか、セナが。

 そして熱い思いまなざしにこめて、俺たちを見つめていたみんなが、静まり返った。


「俺たち、今日話してたんだ。

 帰ったら、卒業きめたって、みんなに話そうって」

「急な話でごめんね。でも、思ったんだ。

 第七陣の前も、倒れちゃった。またこんなことがあったら、むしろみんなをつらくさせちゃうって」

「だから、俺たちは俺たちがいま一番やらなきゃならないことで、みんなを応援する。

 イツカとカナタを支えて、ミッション『エインヘリアル』を止めるよ。

 もう、これまでの俺たちみたいな、つらい思いをする人が出なくなるように」

「よっしゃー! よーく言ったな、ふたりっとも!」


 すると、厨房から聞こえてきたのは、なんとソーヤの声。

 エプロンをつけ、おたまをもってにししと笑う。


「悪いな。台所ジャックって聞いたら黙ってらんなくて乱入しちまったわ!」


 その横には、シオンがぴょいと顔を出す。


「オレもだよっ!

 もう、お台所爆発させないから。だいじょぶだからねっ!」


 さらにイズミとニノ、ミツルにイザヤとユウ。ソラに加えて、ノゾミ先生、シルヴァン先生。ソラも控えめにだけど顔を出してくれる。

 ミライが驚いた顔で立ち上がる。


「えっ、そんなにみんないてだいじょぶだった? ぎゅうぎゅうじゃなかった?」

「ぎゅうぎゅうでした――!!」


 次から次に、笑顔いっぱいの仲間たちが現れる。

 うれしいサプライズで、いつもの貸しダイニングは、拡張スペースをつなげてそのままパーティー会場になったのだった。



 その数日後、おれたちは第二覚醒を成し遂げた。

 きっとそれは、限界に挑む勢いで学び、鍛え、働き、戦ってきたおれたちへのごほうびだったのだろう。

『やってみます!』といったその直後のトレーニングで、優しくかわいい守りの結界が発動した。

 技の効果範囲に入ると、光でできたかわいらしいうさぎとこいぬがぴょんぴょこ、どこからか御用を聞きにあらわれる。もちろん、彼らを通じておれたちが来訪者と会話もできる。

 どうやら浄化・鎮静などの効果があるらしく、試しに結界に入ってみた人はみな『癒されました!』『やっぱり平和が一番ですね!!』とすごくいい笑顔になる。

 どうやら物理的防御力もあるようで、レンが『くっ……こんなんかわいくないっ、かわいくないんだからなあっ……!!』と涙目でなんとか投げたボムは見事に叩き落された。


 ミライが『ぴょこりんグリーティング』と名付けたその技には、まだ課題もある。

 けれど、浄化・鎮静のチカラはこれまでの結界のほとんどに付されていなかったもの。

 他の結界と合わせて多重使いすることで、状態異常惹起による間接攻撃への守りも固めることができることになり、とても喜ばれた。


 とくにカナタの『卯王の薬園(ラビットキングダム)』シリーズとの相性がよかったので、卒シビでは思い切ってリンク発動を披露。

 殺到してきた無数のアンデッド兵たちが、結界に踏み入っただけで弱体化……を通り越してつぎつぎ昇天していくという、予想をはるかに上回る結果を示すことができたのだった。


せつめい! が! むずかしいのよー!!

ポンチ絵は頭にあるんだけど、適切に言葉をたがえてつなぐのがもーほんとめんどくせえの(泣)!!


まあいいか。

次回、進む月行きの準備、驚きの対策!

どうぞ、お楽しみに!!


※あしたの投稿につきまして……

健康診断などで一日拘束される予定のため、投稿時間が大きくズレる可能性がございます。

申し訳ございませんが、よろしくお願い申し上げますm(__)m

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