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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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100-3 M2の決意! やる気本気の覚醒ラッシュ!

2022.12.12

記述の修正を行いました。

はずだ→と考えられる

『俺』でない人でも→『俺』でない人が

 イツカは直前に察知したようで、ルクの出現位置をじっとにらんでいた。

 それでも、『わざわざ忠告にきただけの使者』にとっさに斬りかかったりしなかったのは、さすがのカンの冴えというべきか。


 ただ、このことはおれたちにあらためて問題を意識させた。

 セレネさんたちによれば、ルクはただしく第五覚醒者。彼がその気になればどこにでも侵入できるし、とらえておくこともむずかしい。

 彼自身が妨害・破壊工作を行ったり、彼の手の者を転移で連れ込んできたりしたら厄介なことになる。

 だが緊急対策会議でリュウジさんは『それはないと考えられる』と述べた。


「私も折に触れ言われた。自分で何もかもを行うな。可能な限り下の者に考える機会と行動のチャンスを与えよ。そして、成長を促せと。

 それが女神の聖務を進めるにあたり肝要なことと。

 実際、それが可能な局面でも彼はそれをしてこなかった。

『御大』はつねにミッション『エインヘリアル』を進めるために行動している。たとえばわれわれの行動がその邪魔になるとしても短絡的な妨害はしてこない。すべて、配下にその力で行わせるはずだ。

 イツカ君とカナタ君を、月萌の民の手で狩らせようとしたように、今度はわれらを『グランドマザー派』の手で狩らせようと試みると考えられる」


 同様に『御前』――セレナもまた、月面到達までは直接的な手出しはしてこないだろうとリュウジさんは結んだ。


「あいつらに一番近かったのはリュウジ……おじさんだからね。確度は高いとおれも思う。イヤミとかじゃなく。」


 アスカもツンデレしながらそれを裏書き。ほほえましい。


「覚醒は特殊な成長です。意識的にでも無意識的にでも、それを成し遂げようとしなければなしえない。

 現状の自分のカベに突き当たり、それを超えようとするとき、なされるのが覚醒だ。

 イツカ君とカナタ君を本気で狩ろうとするものならば、いずれ第四、第五覚醒に至る可能性がある。油断はできません。

 たとえば、行方の知れぬアカシ・タカシロ氏をはじめとした『GM(グランドマザー)」派。『御大』の人心掌握能力は超級で、彼がその気になれば非常に強い忠誠心を抱かせることは容易ですし、ウィッカーワークスの技術、それを扱えるであろう人材は彼らのもとにもいるはずです。

 あるいは、『白刃』をはじめとした純粋に強さを追い求める者たち。『GM(グランドマザー)」のほうが強いと判断すればこちらにつくでしょうが、そうでなければふたたび挑戦してくることでしょう」


 エルカさんの後継と目される研究者、シアンさんが警告を発する。


「あー……またやろうぜって言っちゃったからなー。

 そんときは俺指名してくれって連絡してもらうから!」


 白イツカがあははとわらってのたまわる。

 もうひとりのおれは笑顔でうさみみロールだ。

 うん、やつなら言ってると思ったけどやっぱりだ。

 するとライカがさらに耳を疑うことを言いだした。


『どうせならさー。俺とガチでやりたい奴ら集まれーってイベントやっちったら?』

「えマジ!」

「やりたいやりたーい!」


 とたんイツカどもがとびついた。おい。


「おー、それいっかもねー。

 いっくら強くてもいつものメンツばっかじゃ行き詰まるっしょ。

 それに、攻撃以外の手立ても考えなくっちゃだかんね」

「ああ。

『御大』は嘘はつかない。すくなくともこれまではそうだったし、自らを『俺』と呼称することもなかった」

「それは、…………うん、伯父さんが言うなら間違いないんだろうね」


『ソースは俺』。これはいうなれば、一種の慣用句だ。

 つまり、普段の人称代名詞が『俺』でない人がこの形で使用してもそうおかしいものではない。

 まさかすぎる天然ボケにアスカが絶句。だが、そこは付き合いが長いリュウジさんの感覚を信じたのだろう。立て直して肯定した。


「そうなると、ルクはみずから第五覚醒でGM(グランドマザー)を攻撃したことがある、ということになりますね……?」


 白リボンズがソリステラスでお世話になった切れ者いぬみみ博士、フィロさんが眼鏡を直しつつ、固い声で指摘する。

 リュウジさんに問うアスカの声も固い。


「聞いてる、そうしたことがあるって」

「いや、一度も。

 ミッション『エインヘリアル』開始以来一度も、人類は月軌道上にすら到達できていない――すくなくとも生きた状態では。

 だが、この世界に我らの知らない時間軸があるらしいということはすでに明らかになっている。

 彼もそこでGM(グランドマザー)に挑み、そして敗れたのかもしれない」

「つぎにやつが来たら……ハナシ……してみるかなあ……?」


 イツカがうなる。おれを心配しているようだ。

 話をするのはおれがメインになるはずで、その時になんかいやげなことを――セレネさんとのバトル直前のように――言われはしないかと思っているのだろう。

 おれはだいぶ寝ている黒のネコミミに、ありがとうと大丈夫をこめて軽く触れた。


「まあ、来たら、じゃない?

 大丈夫、ひきこまれたりしないよ。

 ミッション『エインヘリアル』を止めないと、おれたちに明日はないんだから」

「……そう、だな。

 ブレる余地なんか、俺たちにはないもんな!」


 そう、おれたちは世界中を敵に回され戦ってきた。

 折れればそれ以下に逆戻り。ブレる余地なんかもう、ない。

 イツカが力強い笑顔を取り戻したところで、エルカさんが話を動かした。


「イツカバトルイベントと、ルクへのインタビュー。いずれもいいアイデアだな。反対がなければ、進めることにしようじゃないか。

 あともうひとつ課題があるな。関係先の守りの強化だ。

 当面はカナタ君のチカラを使えばしっかりとした防備はできるだろうが、ずっとそのままというわけにもいかない。

 これをどうするか、アイデアはないかい?」


 すると、ミズキとミライがそろってはいっと手を挙げた。


「イツカとカナタを倒したい人たちは、その意識で覚醒を果たすんですよね?

 俺たちにも、おなじことはいえるはずです」

「おれたちは、そういう強い人たちからも、みんなをまもりたい!

 もっと覚醒、がんばってみますっ!」

「……!!」


 ふつうに卒業するなら、また間のある二人。学内で騎士団をはじめとしたみんなのお世話もしているし、もちろん学業だってある。

 そんなふたりに『もっとがんばる』なんていわれて、やる気が出ないわけもない。

 その日じゅうに、あらたな覚醒をする人たちが相次いだ。

 そのなかには、パートタイムの防衛要員として応募してくれていた、ハナナさんとルイさんも含まれていたのだった。


年末になっていろいろ差し迫ってきました……

14日は健康診断、22日はワクチン接種ですorz

そのため、書き溜めの状況によっては15日、23日には投稿をお休みさせていただくかもしれません。

楽しみにしていただいている方には申し訳ございませんが、どうかよろしくお願い致しますm(__)m


次回、ミズキとミライを送り出す覚悟を決めた高天原生たち!

どうぞ、お楽しみに!

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