<Stage_100 見えないカベをぶち破れ! イツカナ月面到達!!> 100-1 訓練開始! 満天の星空(VR)とアタックチーム(仮)!
2022.12.27
章は100までなんですね……とりあえずサブタイに入れさせていただきましたm(__)m
2022.12.11
五回ほど→二回ほど
読み返したらさすがにちょっと時間置きすぎなので修正させてくださいm__;mすみませぬ
遅れました! とりあえず上梓いたします!!
「うわあ……すげえすげえ! 星いっぱーい!」
「地球以外ぜんぶぜんぶ空だー!!」
「すごいねー!! 雲ひとつなくてピッカピカー!!」
「ふおおお作りてえ! 作りてえですよこれはあああ!!」
窓の外には、どこまでも広がる満天の星空。
イツカたちとシオンとニノが強化ガラスにはりついてはしゃぐと、機内に笑いが満ちた。
残念だが、これは本番じゃない。というか、リアルでもない――VRを用いた航宙訓練シミュレーターのなかである。
それでも、みたことのない景色、弱まる重力に、おれのきもちもわくわくとはずんだ。
『なっ? すっげえだろ宇宙は。
はやくホンモノ見せてえなあ。なあリュウジ!』
「ああ。
シミュレーターで何度も見ていたはずなのに、涙がこぼれたからな。
とりどりの星たち、青い青い地球。そして輝く月。
世界はこんなに広かったんだと改めて感じた」
通信越しに誇らしげに言うのは、フライトシミュレーターを操るユリア・ホシノ博士。
おれたちのすぐそば、微笑んで応じるのは、作業用スーツのリュウジさんだ。
正直似合ってる。イケオジずるい。本人の顔が晴れ晴れしているせいもあるだろうが、背広姿よりも数段若々しくさえ見える。
ちなみにアスカは彼の言葉に腕組んで「ふ、……ふーん……」なんていってる。最後のツンを何とか維持しているのがバレバレなので、ほほえましくそっとしておく。
リュウジさんとアスカは伯父と甥。けれど、イメージが全然違う。
まっすぐな黒髪にキリッとりりしいしょうゆ系の顔立ち、しっかりとした体格のリュウジさん。
アスカは柔らかい金髪に、繊細な甘いマスクで、いうなればクリーム系。体躯も、病弱だったことを差し引いてもあきらかに華奢だ。
なのに、親戚であることは間違いようもなくわかるのが不思議だ。
黒髪黒目、白い被毛などの優勢遺伝がないことや、そもそも人間の体に発現する色素の数がかなり多いといった、『まえのセカイの記憶からみた不思議』はこのセカイに多々ある。
それらにはもう慣れてしまったけれど、ふとしたときにこんな不思議にでくわし驚かされる。人生は不思議が尽きないものである。
『全チームリーダー顔合わせミーティング』から三日。
月面にむかうさいの編成が決まり、アタックチーム・サポートチームが選抜され、宇宙に出るための訓練がはじまっていた。
ざっくりいうと、現状のアタックチームは、ほぼほぼ旧『うさぎ男同盟』のメンツになった。
第五覚醒を成し遂げる予定の、二組のおれとイツカ。
無敵の頭脳のもちぬしアスカ、アスカを守るハヤト。
『時間操作』『すり抜け』を持つイズミとニノ。
『フルムーン・ファインダー』で道中の安全を確保するシオンと、シオンを守るソーヤ。
現時点最強の回復技をもつミライとミズキ。
そして、『フェニックス・アクエリア』でいかなる障壁をも蹴り破ることのできるソラが、本人たっての希望で参加だ。
ソラを心配したレモンさんや、もうひとりのおれたちを案じたルカとルナ、そしておれの秘書役のライムも一緒に来たいと言っていたが、月萌のトップアイドルである三人はそうでなくとも多忙。ライムもしばらくバトルはしていない。
そんなわけで彼女らが月行きにくわわることは難しいもようだが、もしそうなってもできる限りのことをするつもりだと約束してくれた。
ともあれ、ここから一週間。
おれたちはできる限りのトレーニングをして、月に向かう。
宇宙飛行。そしてなにより、第五覚醒を使いこなせるようになっておきたい。
おれが『卯王の聖地』で作りだしたネットワークを介し、イツカとみんなでリンク。そうして放つ究極の一撃こそが、このセカイ最強の存在に打ち勝つことのできる方法のはずなのだから。
宇宙に出て、生還するためのいろいろをライカ経由でインストールし、使ってみて、頭と体にしみこませる。
マスコミのインタビューに応じて、みんなに言葉をかけて。
ご飯をしっかり食べて、ときどきモフモフして、ぐっすりと眠る。
疲れが取れたら、トレーニングとバトル。
それを二回ほど繰り返したとき、奴はやってきた。
次回、あの男がやってくる。
そして残した言葉とは?
どうぞ、お楽しみに!




