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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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99-4 漢のセキニン! イツカ、選択の時!!

 ミライたちがつくってくれたおいしいおべんとうをわいわい食べたら、ひなたの河川敷でのんびり。

 お日さまが傾くころに、解散した。

 セレネさんは、公務のためにと先に帰還。ミライ(明日はソナタとふたりでデート)をのぞくおれたちのこりの高天原組は、タカヤさんのリムジンで高天原まで戻った。


 だがその車中で、イツカはこれまでみたこともないほど難しい顔をしていた。

 セレネさんに帰り際出された『宿題』のためだ。

 そう、やつはセキニンをとらなきゃいけない。

 それは、漢として。


「うーん……うーん……セレネはどっちかっていうと……白なのか……いやでも黒も……うああああ!!

 わかんねえ! わかんねえよおお!!

 なあみんなさー! セレネの水着どれがいいと思うっ?!」


 そう、やつは明日、セレネさんとプールデートのご予定だ。

 なぜってやつは『勝ったらデート一回』『プールでも遊園地でも連れていく』と約束してしまった。

 だが、セレネさんは当然水着なんか持ってない。よってニノデザインの『魔王軍水着』から一着選んで、ご着用いただく運びとなったのだ。


 やつは決して頭は悪くない。センスだって光るものがある。

 でもまだ16のゲームっ子にそのタスクは過酷なものだ。

 いかにライムご推薦のモテ男・ユーさんに『よりよき男女交際について』のご指導をいただいていても。


 まあ、ぶっちゃけいうとおれもラクじゃなかった。

 でも、おれはライムに相談できた。


『おれ、女子の水着って選んだことなくって……ライムはどういうのが着たい?』

『そうですわね……ビキニ』

『え゛っ』

『は恥ずかしいので、セパレートがいいかしら。

 色はカナタさんとおそろいで、白がよいのですけれど』


 やばかった。ライムのビキニとかどう考えたって最終兵器じゃないか。とてもじゃないがそんなの世の狼どもにさらせない。イツカであってもギリアウトだ。ミライとミズキはセーフだけれど。


 なお、ミズキとブルーベリーさんはとっくに白のワンピースに決定済み。

 もうひとりのおれと白リボンのイツカも、ルカとルナと相談して合意を形成していた。

 ルカは『やっぱりあたしは黒が好きだわ! どうせならちゃんと泳ぎたいからワンピースにしたいんだけれど、カナタいい?』とスパスパ決めていたし(もう一人のおれはニコニコうなずいていた)……

 ルナは『うーん、せっかくだからビキニきてみたいなあ。色は……うん、白がいい。イツカくん、いいかな?』とはにかんで白イツカをあわあわさせていた(結局同意)。


 やはり、相談できる環境というのは大切だ。おれは懊悩し続けるイツカの肩をたたいた。


「ねえイツカ。素直にセレネさんに相談したら?」

「うーん……もうぶっちゃけるしかねーか……

 ごめんタカヤさん! ちょっと車止めてくんねえ? セレネと話したいから!」

「おっ? いいよいいよー、お兄さんたちは盗み聞きなんかしたりしないから、ゆっくりと話しておいで♪」


 するとタカヤさんはめっちゃいい笑顔で親指立てて、路肩にリムジンを止めてくれた。

 ドアから飛び出したイツカは、たたっと走って距離を取るとピッポッパ。携帯用端末ポタプレを耳に当てて……


「あ、セレネ? いまいいか?

 あのさ! 水着なんだけど、決まんねえ! 全部見たいっ!!

 だから、やっぱ相談乗ってくれ!!」


 …………いや、いやいや。


「それまるっきりきこえてますやんっ!!」


 やつめ、でっかい声で叫んでるもんだからまるぎこえ。

 タカヤさんがツッコミを入れると、イツカは真っ赤な顔で振り返るやスタタタターッと走って逃げて、さらに10mくらい離れた路肩でしゃがみ込んでしまった。

 それでも携帯用端末ポタプレは離さず、なんとかごまかして通話を続けている模様。


 うん、その気になれば傍受は可能だ。だっておれは、うさみみだから。

 でも、それはしない。する気にならない。

 なぜって今日は、ミズキがいる。

『戦場の聖母』とうたわれた(男だけど)、その清らかな美貌とやわらかな微笑みを見ていると、悪い気持ちも浄化されてしまうというものである。

 おれたちは人耳をたれうさみみでしっかりとふさいで、いっしょうけんめいなイツカの様子をほほえましく見守ったのだった。




 そして、翌日。

 プールに現れたセレネさんは、いつもの小さな少女の姿で白のワンピース水着を着こなしていた。

 きれいな水晶色の髪は、あの赤いリボンでポニーテールにしてイメチェンだ。

 イツカは数秒間フリーズしたのち、真っ赤な顔であーとかうーとかいいだし、笑顔のセレネさんに連行されていったのであった。


水着って足を入れたり出したりするのがほんと、大変なんですよね……

ても今は座ったまま着脱できるものがあると知りました。便利!

さらにふんどしだったらもうカンペキかも!

……いや、本音言うと着替えるの自体がめんど(禁句

結論:モフモフになりたい


次回、イツカナーズがお仕事復帰です。

RMP、ホシノ博士やソリステラスサイド、これまでチームであってなかったひとたちと顔合わせの予定です。

どうぞ、お楽しみに!

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