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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_12 ショーと本気と昇格と!

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12-3 『ミライツカナタ』VS『うさもふ三銃士』~ミライの場合~(3)

『検索してください』って言ってますけど……でません……orz

 忘れた! でも気になっちゃうっ! という方は『4-2 伝説級の大惨事(未遂)!』を読まれるといいかと思います。スコ耳マイロ先生がざっくりしたとこを教えてくれてます♪

「――『ブレイクインフェルノ・プラス』!!」


 シオンとソーヤ、ふたりのクラフターたちは、炎の錬成陣に手をついた。

 ミズキはふたりの後ろに跳んだ。

 クラフターふたりが、全てのBPを一気に錬成陣に注ぎ込み、がくっとくずおれる。

 ティアブラではBPかTP、どっちかでもなくなると、ほとんど行動不能になってしまうためだ。

 ふたりにミズキが手を貸し、陣から距離を取らせた。

 その間にも陣は赤熱し、炎を渦巻かせ、爆発!

 同時に、ミズキが神聖防壁ホーリーシェルに穴をあける。

 小さな出口からこちらに向けて、真っ赤な炎があふれだした!!


『きました! これは『フレアボンバー』の応用技っ!!

 それも『切迫発動による上位化』『プロテクトサークル破砕制御』という高等技術を要する高難度の錬成魔術だー!!

 このさい詳しい仕組みは検索して下さいと言っておきましょう!!

 簡単に言うならば、一歩間違えば術者ともども吹き飛んでしまう危険度マックスのトンデモ錬成を、ソーヤ、シオン両選手のパワーで安定的に発動させ、ミズキ選手の神聖魔法で安全に制御しきった驚きの連携技です!

 この技量はもう、学生レベルを超えかけているっ!!

 さあ、ソーヤ・シオン両選手の全パワーを注ぎこんだ必殺の一撃が、バトルフィールドを熱く熱く焦がしてゆくッ!! 

 どうなる『ミライツカナタ』!! 持ちこたえるのか、それとも――?!』


 そのときおれたちは、塹壕の中に身を潜めていた。

 スキル『瞬即塹壕クイックトレンチ』で掘ったのだ。

 この中に入れば、だいたいの攻撃はやり過ごせる。

 それでも、クラフターふたりが数万のBPをつぎこんだ上位錬成魔術の威力はすさまじい。

 吹き付ける炎が容赦なく空気と土を焦がし、塹壕ごとおれたちを炙ってきた。


 はじめての3on3で感じたような灼熱の中、カナタはおれたちに覆いかぶさり、ありったけのTPをつぎこんでの回復ヒールを繰り返しながら、痛いくらいに抱えてくれてた。

 そうでもしないと、よわむしのおれと優しいイツカは、こんなふうにかばわれるのに我慢できないとわかってるから。

 おれが、イツカの回復のためにとっとかなきゃならないTPと――

 イツカが、ミズキとの斬りあいのためにとっとかなきゃならないHPとBPを――

 カナタのために使っちゃうと、ちゃんとわかってるから。


 やっとやっとカナタの手が離れた時には、カナタはもう立ち上がれなくなっていた。

 でも、これも、三人で決めてあった作戦なのだ。

 やりきらなくちゃ、いけないのだ。


 魅せるバトルじゃあるけれど、だからこそ、全力あげての真剣勝負。

 そのために決めた、作戦だから。


 ミズキがもう、走ってきてる。イツカも駆け出す。

 おれは全力の魔法をかける。


「ティアラさま。おれたちの戦士に、ありったけの祝福をっ!!

 サクリファイ・フルブレッシング!!」


 おれの残り戦闘用TPぜんぶと引き換えに、『ありったけの祝福』を。

 イツカの体がクリスタルのような虹の輝きに包まれると、体力は全回復。

 やけどもふきとび、神聖強化ホーリーインフォース漸次回復リジェネーション状態異常防御イミューンオールがかかった。

 もちろん、おれももう動けない。あとは目をそらさないで、見守るだけだ。


「われらが守護たる女神ティアラよ。守るべきものを負う騎士に、どうか祝福を――

 セイクリッド・フルブレッシング!!」


 ミズキも走りながらイツカと同じ輝きをまとった。

 違うのは、ミズキにはTPが1残っていること。だからミズキはまだ動ける。イツカと全力で斬りあうことができる。

 もっともふたりとも、まだ剣は抜いてないけれど……


 それでものこったBPを惜しまず使い、斬りあいながらチャージ。至近距離から放つ。ソニックブーム、ときにはキック。かわす、いなす。また斬りあう。

 軽快な二人の戦いは、まるで舞っているみたいに見えて、なんだか夢心地になってくる。


 と、よこからとんとん、と軽く足をふみならす振動が伝わってきた。

 カナタのうさスキル『足ダン』だ。

 イツカがなかなかミズキを誘導しないため、どうするの? と催促気味の確認をしてるのだ。

 イツカの黒しっぽがふり、と左右。

 カナタは了承の足ダンを返す。

 しょうがないなあ、と苦笑した顔は、それでもどこかうれしそう。

 ミズキも気づいて、ふわっとイツカに笑みを向ける。

 イツカも笑い返した。顔は見えないけど、ふわっと動いた、黒い猫耳しっぽでわかる。

 ミズキがふみこむ。イツカが地を蹴る。

 鞘に入ったまんまの剣を、ぶつけていなしてまたぶつけて。


 気づけば時間切れのゴングが鳴っていた。

 イツカもミズキも、肩で息をしながらも立っている。ドローだった。


「おつかれ……イツカ。

 俺、君に届いてたかな……?」

「届くどころか……たぶん超えてた……

 俺はミライ頼みでこれなのに、お前は自力でやってくるしっ!」

「だって俺、もと聖騎士なんだよ? これ、俺の専門だもん」

「違いねえ!」

「次は抜いてやろうね!」

「もっちろん!」


 二人が笑顔で握手し、背中を叩きあうと、観客席一杯の熱狂が押し寄せた。

 おれのはじめての学園闘技場体験は、こんなふうに熱っぽく終わったのだった。


意外と長くなったので、やっぱり分けました。

次回はすこしちがった視点で行こうと思います。お楽しみに!


ぴーぶいがいっぱいだ!! ありがとうございますっ!

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