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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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Bonus Track_98-3 縁は異なもの~祭りの日のつめあわせ~

下手うってギガ使い切っちまいました。

もし13:00に投稿されていたら予約投稿です!( ;∀;)


 久々の、楽しい夏休み~とある鳥装備ハンターの場合~


 あの月の夜。魔王軍基地に夜襲をかけ、ボロ負けして思った。

 フリーランスは、俺には向かないのかもしれない。

 やはりなんとか定職に就き、真面目にコツコツ働いて生きていく。きっとそれがいいのだろう。

 と思っていたけれど……


 警備会社の求人に応募したらフツーに落ちた。

 やけ酒食らったら財布も落とした。

 ともあれ何とかしなければ。藁にもすがる思いで、例のバイトに応募した。

 魔王の仲間たちの、戦闘訓練。その相手を務めてくれるプロフェッショナル募集、というしろものだ。

 あの夜、うさ魔王様御自らが『応募しておいで』と言ってきたものだ。一度くらいは使ってもらえるだろう。それはひたすら、お情けで。


 そんなふうに思っていたらとんでもなかった。


 面接の場で待っていたのはなんとご本人。「お待ちしてましたよ」なんて、あの綺麗なお顔で微笑まれちまったらもうだめだ。

 気づけば俺は、魔王軍のお雇いエージェントになっていた。

 リガーやチェシャ、12人のアンドロイドエージェントたちと月萌に潜入し、反対派エージェントによる工作を阻止するために働き、時には戦闘もした。


 その毎日は、俺に意外と向いていた。

 さらに意外だったのは、それまで苦手と思っていたチェシャやリガーたちと馬が合ったこと。


「つーかお前よ。ハナッからこっち目指しゃよかったんじゃねーの?」


 そんなふうにさえ言われた。

 やつらとともに月萌を駆け回り、ときには酒など食らっていれば、われらが勝利はやってきた。

 待ちに待った戦勝パーティー、そして長期休暇。

 気取らない野郎どもと常夏のビーチで遊んで食って寝転んだ。

 そうだ、これが、夏休みだ。

 中学校のとき以来の幸せを満喫する俺だった。



 空振り、でもそれはいいことで~レイジの場合~


『かんぱーい!!』


 イツカナはいいやつだ。もちろん、その仲間たちも。

 災厄の魔神として生を受けた俺たちにも、分け隔てなく接してくれる。

 それでも、同じ生まれの奴らはやはり特別だ。

 俺たち『3S七人衆』こと『Order of <Seven Stigma of Sin>』は、ひとつの卓を囲んで乾杯していた。


『はあー。まっさかマザー戦で見学組んなるとはなー』


 りんごジュースを半ばまで飲み干し、タメ息をつくとグリが言った。


『いーじゃねーか。他人の恋路を邪魔する奴は……ってな』


 でれんと背もたれを満喫しまくるその姿は、まるで100年前からそこに住んでましたなイキオイだ。いや問題はそっちじゃない。

 奴の隣には、すっかりラブラブになった女がいる。そう、バニーだ。


『おめえに言われたくねえわリア充爆発しろ!!』


 アタマ来るほどアタマいいくせしてレンアイ力がまるでねえ奴の恋の後押しをしてやらなかったこともない俺だが、改めて見るとこんちくしょうな気がする。

 はたしてやつめはクッソ小憎たらしくのたまわってきやがった。


『は? てめーにゃダンナがいるんじゃねーの? いとしいいとしいごしゅじんさまがよ?』

『ばかやろうアレのお邪魔ができてたまるかっ』


 俺がさす先にはノゾミの兄貴とミソラちゃん様がいらっしゃる。

 ようやっと結婚を決めたおふたりの様子なんざ、改めていうまでもねえ。

 グリが史上二番目(一番目は言うまでもあるまい)、神妙な顔になった。


『………………あー。わるかったわ』

『グリがあやまったああ?!』


 叫んじまった。いや、よろしくねえことなんだがあんまり珍しすぎて。

 バニーまで言っている。


『アンタ、人間丸くなったわね……人間じゃないけど』

『……………………。』


 グリの狐耳がビミョーな角度に。

 するとナツキがやってきて、俺たち二人とかわいく腕を組んでくれた。


『ドンマイ、お兄ちゃんたち。

 オレもあれはじゃまできないもん。

 はああ。新しい恋、探さなきゃなのかなあ』


 ナツキの見る先には、フユキとお嬢。そのふいんきは言うまでもねえ。

 かわいいナツキが大人になろうとしている。俺の涙腺がぐっときた。

 そのときラミーがウフフと笑ってとんでもねえことをのたまった。


『もういいんじゃない、なっちゃんで』


 俺はグラスをおっことしかけた。


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