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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_98 終結・魔王戦!~あの月を目指す、その前に~

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98-7 ひさしぶり! 楽しい学園訪問!

 RMPチーム最初の全体ミーティングは、そんな感じで終わった。

 時間にして数分。というのも、ミライとミズキは明日、定例闘技会がある。

 それなのに『すこしでもはやく、数分でもみんなの顔が見たかったから』なんて、けなげな理由で参加してくれた二人に、余計な負担はかけられない。

 予備調査の結果と推論とを共有。ついでに若干のもふもふ祭りをはさんで会合は終了した。

 おれちの観測で得たデータの、さらなる分析を研究者さんたちに託し、おれたち『もと魔王軍』は次なる場所へ。


「はいはーいかわいこちゃんたち! きょーはしっかり磨くからねー!

 ほらっイズニノとハーちゃんも逃げないの!」


 というか研究室を出るよりさきに、超上機嫌のアカネさんにキャッチされた……若干数名は逃亡を試みたのだが、プリーストお得意の聖静籠サイレントケージであえなく捕獲。


「いっいや俺たちは明日学園行きませんしそもそもアイドルでもっ」


 かれらを代表し、ニノが抗弁するけれど。


「シャーラーップ!

 まずはイーパラめいよかいちょーふくかいちょー! 週末に向けてふたりをピッカピカにしとけってイェリコちゃんから依頼うけてるの!

 つぎ、ハーちゃん! 明日観戦行くんでしょ? ピカピカのイツカナちゃんたちと並んだ時にボロかったらはずかしいよ、主にあーちゃんが!」

「げっ」

「うぐっ」


 もちろん口でアカネさんにかなうわけもない。

 研究所にのりつけたマイクロバスにおれたちとともにつめこまれ、エステに拉致られていったのだった。



 そうして、翌日の午後。

 おれたちはそれぞれテイストの違う、それでも明らかに同一デザインラインとわかる匠のこだわりのスーツをまとって会場入りした。

 そこはかとない魔王っぽさを漂わせるおれとイツカ二組、シックなスリーピースのアスカとハヤト、とにかくかわいいシオンとエルマー、イケメン感を前面に押し出したソーヤとタクマ。

 そして、スッキリとタテのラインを生かしたスケさん、花のようにやわらかな雰囲気のゴーちゃんとマリオさん、あきらかにペアルックっぽいササキさんとドラオさん。

 そして、上質なお姫様感たっぷりのルカとルナ。

 このメンツでそろってオブザーバー席に入れば、闘技場内が沸き立った。


 実を言えば、若干の不安はあったのだ。

 この高天原を出るとき、おれたちは視界に入るほぼすべての人から敵として追われている。

 そして、この会場内は人、人、人がぎっしり。

 ほとんどが観戦用アバターであるとわかっていても、この密度が敵に回るとか、恐怖以外の何物でもない。


 けれど、そんなのは全くの杞憂だった。

 会場いっぱいのあたたかな『お帰り』が、拍手とともにおれたちを包んでくれた。

 おれたちは笑顔で手を振って、なつかしい席に体を落ち着けたのだった。


 さすがに、出場者は多くない。学園のカリキュラムはもとから楽じゃないのに、さらに戦時協力でノルマが積み増しされたのだから。

 それでも、闘技場は華やかだった。

 なんと、あちこちから集まったOBたちが特別出演してくれたのだ。

 そのなかにはケイジとユキテル、マルヤムさんとオフィリアさん、レモンさんまでもいた。

 みんなもけしてラクではなかったはずなのに、それでも盛り上げようとしてくれる気持ちがうれしい。

 もちろんその戦いぶりもしっかりキレを増していて、おれたちも身の引き締まる思いだ。


 トリをかざったのは、ミライとミズキの対モンスター戦。

 空から攻めるワイバーン相手に、走って跳ねて強化を重ね、ついに打ち取った時にはスタンディングオベーションが起きた。

 ドラオさんが笑顔で言うには「あいつ、俺がドラゴンの操作教えた後輩なんです。いいやつなんスよ。次のネームドになるのは、きっとあいつだって信じてます!」だそう。

 その日を楽しみに、おれたちは惜しみなく拍手を送った。 


 フィナーレを飾るのは、レモンさんのパワフルな歌声。

 体を揺らし、歌声を合わせ、喝采のうちに定例闘技会は終了したのだった。


リアルがびみょーにバタバタしてます……少し落ち着かねば……

そうだ、猫ちゃん! 猫ちゃんを見て落ち着くんだ!!


次回、ミッドガルド凱旋行と、星降園への涙の帰還!

どうぞ、お楽しみに!

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