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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_96 戦闘終結?! 降伏の月萌軍、挑戦の月萌国議会!!

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Bonus Track_96-2-2 はじける!! チナツお兄の第二覚醒!! ~クレイズの場合~(2)

 チナツは。


 笑った。

 怒った。


 そしてもう一度、盛大に笑った。




『うん、まず、闘技場行ってシミュレーションモード起動しようか。

 話はそれからするよ』


 ライカ分体の身体をかりたアスカがそう言ったときに、私たちはピンときた。

 案の定リークされたのは、月萌軍の作戦を利用した悪だくみ。

 ソラたちを過酷な実験に利用した研究者らが、またしても暗躍しているという。

 やつらはよりにもよって、それにチカを巻き込んだ。


 結果から言うと、シミュレーションモードかつ地下闘技場じゃなきゃやばかった。

 チナツの怒りは、不完全な第二覚醒となり、そこをぶっこわしかけたのだ。



 それでもクレハがチナツのこぶしに手を添えてやると、たくさんの花々とともにチナツは笑顔を取り戻した。

 ちょうど、今みたいに。


「それでもさ。

 ぶん殴ってぶっ壊して、怖がらせんのはやっぱ俺じゃねえ!

 笑おうぜっ!『カモナ・ハッピーフォレスト』ッ!!」


 陸の上、海の上。

 どうやってかどんっ、とあらわれた色彩豊かな森がいっきに島南海域を包む。

 花咲く枝葉の間を猿が跳ね、鳥が飛び、竜が舞い、虎が戯れ、猪が走る。

 木々の間から顔を出すのは、髪に花を飾った女神。笑顔で手を振り、みずみずしい果物を投げ渡す。


 あたりはもはや笑うしかない、楽しいカオスと化した。

 あるいは歓声を上げ、あるいは慌てて振り払おうとし。

 あるいは遊びだし、あるいは大笑いする。

 一番笑っていたのはほかでもない、過酷な役を演じた、船上の少女だった。

 ツボに入ったのだろう。体を二つに折って盛大に笑いまくっている。


「あはは! あははは!! お(にい)ってばなにやってんのよもー!!

 第二覚醒よ? 第二覚醒なんだよ??

 笑うっきゃないじゃんこんなの!! もー、やっぱお兄はお兄よねっ!!」

「だろだろーっ?! やっぱさいきょーだろっ、チカのお兄は?!」

「あははは!!」

「あはははっ!!」


 そうして兄妹がキャッキャウフフしていると、通信を介し、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


『月萌軍が『(セント・)(フローラ)(・アーク)』を使用し、高天原の教師と生徒がその電池になっている。

 それはいったい、いつの情報かしら?』


 低く、ややハスキーで暖かく、静かな包容力に満ちた女性の声は――

『元エクセリオン』オルカ・フジノ改め、オルカ・タマモのもの。


『月萌軍は一ツ星と二ツ星、ミソラとミライ、ミズキを集めた。

 あくまで偽計の一環。電池として使うつもりはなかった。

 それを軍内の裏切り者が悪用した。自分のプロジェクトをこっそり進めるためにね。

 だが、彼らは既に捕らえた。

 その影響でSFAが消えてしまったが、かわりに『はるかな愛のコンチェルト』を起動しておいた。

 両軍の皆、心配せずに戦いを進めてくれたまえ』


 それに続くのは、明るくやわらかな中に、確かな頼もしさを宿した男性の声。

 彼女の夫であるエルカ・タマモのものだ。

 彼は紳士的ちゃめっけをまぶし、こう結んだ。


『トウヤは『すべて、自分の責任だから』とこれを言いたがらなかったからね。しょうがないので私たちが代わりにぶっちゃけてしまうことにしたというわけさ。

 以上、月萌軍国立工廠付研究所所長エルカ・タマモ、ならびに我が最愛の妻にして世界一の『ちょっとやめなさいエルカ』オルカがお送りしたよ!』


 ……いや、惚気はじめて当の奥様にお叱りを受け『てへっ』というかんじでごまかして逃げ切った。

 みれば、月萌隊を包んでいた薄紅色の無敵障壁は、跡形もなく消えている。

 これで行かなきゃ嘘である。


『チナツ、クレハ!

 全力全開、行っちゃっていーなっ?』

「もっちのろんよぉ!」

「お願いします!」


 神獣たちを代表して私が聞くと、帰ってきたのは景気の良い返事。


『クレハは我に乗れ!

 ユキ、やるぞ!』

「待ってました!」


 ともにクレハを守るうち、すっかり意気投合したシーラとユキもいい笑顔でうなずきあう。

 忘れちゃいけないのはこの二人。


「っしゃあ!

 そんじゃあ俺らもやっかぁ!

 もってけっ、俺のパワー!!」

「任せなさい!」

「「『フレイミー・ストリング』!!」」


 ここまで総大将としてどんと立ち、檄を飛ばしていたトラオとサリイだ。

 サリイが矢のように飛び立てば、二人の間に赤熱のラインが引かれる。

 掲げたトラオのこぶしから、するするとテープを引き出すように伸びた炎の糸は、サリイの軌道を追いかけて自在に戦場をきりぬいていく。

 接触した敵を次々灼きつつ、その他にはダメージがないあたり、豪快と見せかけて芸が細かい。


 なかなか見ないタイプの攻撃技が、群なす相手に猛威をふるう。

 だが、この二人を止めるための対策は打たれていた。

 月萌軍旗艦『つきかぜ』の甲板から手を振るのは、二人の友だった。


「おーい、トラオ、サリイさーん!」

「勝負して! 俺たちとー!!」

「って今かよ!

 どうするサリイ!」

「やらなきゃカッコつかないでしょ!

 降りるわ。手加減なしだからね!」

「はーい!!」


 サリイがかっこよく一騎打ちを承諾し、イツキとザインがいいこの返事で飛び立ち、魔王島の戦いは終盤に入ったのだった。

次回、ビミョーな状況のうさきつコンビ。

いちおうトウヤさんがかっこいいはず!

どうぞ、お楽しみに!!


※明日、小宅にてエアコン取付工事が予定されているのですが、時間がまったくわからんとです……

もしかしたら登校時間が激しくずれる可能性も無きにしも非ずです。

すみませんがよろしくお願いいたしますm(__)m

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