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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_96 戦闘終結?! 降伏の月萌軍、挑戦の月萌国議会!!

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96-1 黒猫騎士<ぶらっくにゃいと>の純真、兎王子<ウサプリ>の微笑み! 終結、月萌沿岸の激突!

2022.10.21

隊名修正いたしましたm(__)m

『つきかぜ』→『ゆうづき』

 イツカがスケさんを倒し、一瞬だけブッ転げて起き上がった、そのとき事件は起きた。


『フォレストドラゴンメイデン』にクラスアップ、清楚に華麗に変身した『さっきー』が杖を振り回し、バレーボール大の光弾をばかすかと撃ってきたのだ。

 一言で言って、やばかった。なにがやばいって、威力よりむしろコントロールが!


 突如始まった無差別攻撃(※悪気なし)に、『かえで隊』飛行兵たちは全力上昇。ビークルはさらに高度を上げる。おれもそれを追い上昇した。

『フォレスト・フォース』のダメージはおれには怖くない。しかし、避難した飛行兵たちが流れでビークルに向かうかもしれない、これがまずいのだ。

<シルウェストレ>の翼で大きくはばたき、ビークルのそばにつけた、その時だった。


「おーい『さっきー』! スケさん倒れちゃったー!! 頼むー!!」

「は……うぇっイツにゃんっ?!」


 なんだかのーてんきな声が下から。

 みればイツカが、人間姿のスケさんに肩を貸して、ニコニコと手を振りつつ歩み寄っている。

 あまりにふっつーなその様子。戦場があっけにとられた。


 それは確かに、スケさんはいろんな意味で貴重な戦力だ。もろともに撃たれることはないだろう。でもうしろから狙撃されるかもとかそういうの考えないのかこの猫は。

 ああ、よく考えたらハンパな狙撃なんか通らないんだっけ。テラフレアボム1、2発背後からぶっこんだところで、今のイツカは余裕で生きてる。「いってぇぇぇ?!」ぐらいは言うかもだけど。


 それにしても緊張感がない。お前の野生はどこ行った。

 そのせいだろうか『さっきー』、あっさり接近を許してしまう。


「フォレドラメイデンって回復できんだっけ?」

『あ、はい、持ってますっ』

「それじゃ頼む。フォルドももうグロッキーみたいだし」

『うえっ?! フォルドさん?!

 あああ、どうしてこんな! いったい誰がこんなふうにーっ!!』


 いやあなたです。主にあなたが俺をパワーソースとして『フォレスト・フォース』を連発したせいですから!

 へたんと地に伏したフォルドの瞳には、そんなきもちがあふれまくってた。でも、まだ竜の姿を保っているあたり根性を感じる。わんこサイズに縮んでるけど。


 ともあれ、『さっきー』はスケさんに回復魔法。フォルドにはどっからか取り出したポーションをふりかける。

 それでも、スケさんもフォルドももうフラフラ、もはや戦うことはできないようす。

 うむむとうなる『さっきー』のイヤリングがピピッと光る。彼女はそれに手を添え、しゃべりだした。

 もちろん相手は月萌軍の司令官。ちょっと工夫をこらした撤退命令を伝えているのがおれにはきこえている。

 すなわち、『社長命令』であると伝え、撤退せよと。


『え……あっ。はい、わかりました!

 あの、それでは私たちは撤退します。

 これ以上ここにいては、月萌軍の皆さんの足手まといとなってしまうから撤収せよとの社長命令ですので』

「おう、了解! 今日はありがとな!」


 若干一名は未練の残る顔をしていたけれど、それでも三人は転移の護符で離脱。

 戦場で『社長命令』という、いっぷうボケめいた言いように騙されたわけでもないだろうが、イツカはニコニコ手を振って見送る。

 そして「っしゃ、『0-G+』!」さらっと<シルウェストレ>の肩にとんできた。

 ほめてほめてーという顔をしているので、風防を開けてよしよしと撫で、ポーションを渡した。


「よくやったよイツカ。いまのは100点満点といっていいよ。

 スケさんにいい具合に勝って、三人を無事撤収させてくれて。

 まあおまえじゃなきゃあんな真似はしようとも考えないだろうけどね」

「マジ? やったあ!」


 あんまり素直じゃないおれの誉め言葉にも、無邪気に喜ぶイツカ。これで16とか大丈夫かと、ちょっとだ心配になる。

 それでも、こういうとこでのこいつはたよりになる、それは本当だ。

 万一スケさんをつかまえてこうなんて余計な色気出してたら、面倒なことになってた予感しかしない。

 

 でもまあ、それもこれも。

 この先を勝ちぬけば、多少は何とかなることだろう。

 おりしも、ゴーちゃん&マリオンも撤退。

 のこされた『かえで』『ゆうづき』両隊では、おれたちを止めきれないのは明らかだ。


『この戦力差ならだいじょうぶ。降伏勧告して。

 あくまでいつもどおり、さわやかウサプリふうでねっ!』


 シオンがお墨付きをくれた。よし。

<シルウェストレ>の風防を全開にしたおれは、おれたちを代表し、この戦場に微笑みを向けた。

教訓:しろうとは怖い。

教訓2:悪気がないともっと怖い。


月萌軍は今泣いていい。

もっともさっきーの暴走にはダメージが発生しなかったので、どちらにしても勝負は見えていましたが。

次回、基地攻略前の掲示板回! 専門用語でさりげない説明回ともいう!

どうぞ、お楽しみに!!

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