95-3 祝福されし戦いを! パワーアップ・スケさんとの対決!! ~赤リボンのイツカの場合~
珍しく剣士同士のタイマンをガッツリ描きました^^b
言葉はもういらない。
俺はスケさんに、スケさんは俺に駆け寄った。
一目見た瞬間わかった。今回のスケさんは『肉入り』だと。
自分の体に、スケルトンの姿と装備を重ね合わせた、正真正銘、まるっとホンモノのスケさんなのだと。
すなわち、キャップ付きのアバター越しに戦っていた時なんかとワケが違う。
ケタ違いどころか、もはや世界が違う。
あいさつは、お互いの初撃で。
背の高いスケさんは、大上段からの斬り下ろしで。
対して俺は、下段からの居合・斬り上げをクロス。
聞いたことのないような音がした。しびれるような衝撃が腕に伝わった。
前とは、違う。スケさんも、俺も。
互いにバックステップ。距離をとった。
ただ突っ込んでいったなら食われる。
だから、食い尽くすつもりで、突っ込む!!
俺のほうが強めに押し込めた。ラッシュラッシュラッシュ。
袈裟懸け斬り、横なぎキャンセルからの突き、突き突き、斬り上げからの斬り下ろし。
スケさんはそのすべてに食いついてきた。
袈裟懸けを斬り上げで弾き、巻き打ちで落とそうとしかけてくる。キャンセルした横なぎはかるくあしらい、突きからのコンボはさらりとステップでいなす。
そして、驚くほどにまっすぐな突きが斬り下ろしをキャンセルに追い込んだ。
そのままはじまる反転攻勢。
同時に三か所突かれているかのごとき超速の連突。息つく間もなく、至近距離から首筋を狩りに来る。姿勢を低く、かいくぐってタックル。転倒はさせられず。ダメージは入ったのでいいとした。
頭を狙い柄頭をたたきつけてくる反撃は、スケさんの体にそってくるり、回りこむように潜り抜ける。
骨の腕でのひじうち、軽くだが胸元にヒット。思った以上に痛い。
真後ろにとびのけば、ほねほねボディの腰から上がくるん。180度回ってこちらを向いた。
「ちょっスケさんっ?! 肉入りでできんのそれ――?!」
びっくりして叫んだら、しゃれこうべがカタカタ笑った。
「すげえ! すっげえ! スケさんかっけええええ!!」
ぶわあっと、うれしくなった。
ガキだなーと自分でも思うけど。
でも、笑っちまったらもう楽しい。
人間なんかじゃぜってーできないアクション。どうやってるのか後で聞かないと。けど今は、スケさんか繰り出してくる技、ひとつひとつがワクドキだ。
ぐっと腕を後ろに倒して、背中がわへの斬り下ろし、ソニックブームつき。スウェイでよけつつ距離を詰めなおし、背中を正面に見立てての三点突きをお見舞い。
かえってきたのは、上半身をぐるぐるっと水平に回しての高速回転斬り。上に跳んでかわし、ひとりムンバスにつなげてぶち割る。
つぎにきたのは、腕の関節を外しての超ロングレンジ攻撃。食らいながらもかっとばす。
俺のポテンシャルを振り絞り、あるいはとびのき、あるいは斬りこみ。
くらいついて、くらいついて、夢中で。
反撃して、攻撃。攻撃で防御して、防御で攻撃。
濃密な打ち合い。スキル発動のひと手間すら惜しい。
そのくらいなら一太刀でも、多く速く強く!
打ち込んで、打ち込んで、打ち込むほどに、スケさんの剣が輝きを蓄えていく。
俺の剣のブルーラインも、金色を通り越し白熱している。
斬りあいを続けるうちに、必殺チャージがたまっていたのだ。
まっすぐ目が合った俺たちは、うん、とうなずきあった。
そうだ。いまこそ、決着ぶちかます時だ。
泣いても笑っても、こいつで決める!
決意を胸に飛び離れる。
俺は地をけって、そらへ。スケさんは、がっしりと土に足を踏ん張って。
そうして、俺たちは、撃った!
『スケルトンロード『スケさん』のユニークスキル、超剣技『白蓮華<ハクレンゲ>』発動します』
しゃべれないスケさんのかわりに、システムボイスがアナウンス。
交差して俺は、自分で宣言。
「いくぞぉぉぉ!!『0-G、エクストラーダ』ァァァ!!」
逆向きに体を回し、青い空をけり、重力加速度味方につけて。
剣の軌道、俺の軌道、全部まっすぐなひかりにして、スケさんにとっこんでいく。
俺に向けられたスケさんの骨の腕は、握られた剣は、まるで分身したみたく見えた。
ああ、カッコいい。しびれるほどに、カッコいい。
下手すると俺のよりカッコいいかも。あとでやり方きかなきゃだ。
そのために、今は、ぶち抜く!!
スケさんの斬撃に。俺の軌道に。周り中から光が集まってくるのがハッキリみえた。
あたたかくて、熱くて、まぶしいそれが何なのか、もちろん俺にはわかっていた。
オフラインであげられるがんばれの声援が、キラキラの星屑としてふりそそぐ。
オンラインに書き込まれたエールが、流れ星となって流れてくる。
まばゆい星々の洪水の中、俺たちは交差した。
俺がはじめて『この人』に出会ったのは、ちょっと前。まだ『ミッドガルド』のAランク冒険者として、遺跡探索をしていた時だった。
一体だけ、動きが『光ってる』スケルトンフェンサーがいた。
まるで、ホンモノみたいに。
一瞬だけ、目が合ったと感じた。
そのとき俺は、思ったのだ。
『やけに動きがいいモンスターが、ときどき群れの中にまじっている。
それは、Ω落ちして地下に閉じ込められた人が操ってるNPCなのだ』
そんな都市伝説が、実は真実なんじゃないのかと。
そうであるなら俺はまたいつか、こいつと会えるんじゃないだろうかとも。
けれどそれからスケルトンフェンサーと出会うことはなく、TP100万達成して『戦士昇格』。俺は『ミッドガルド』を去った。
けれど、そのあと。
アイドルバトラーとしてのデビュー戦、三本試合のうち一本の相手としてでてきたスケルトンフェンサーと相対したときに、俺は感じた。
あのときのやつだと。
また、会うことができたのだと。
うれしかった。なんかカッコよくなってる。CランからAランになって、すっかり強くなってる。
斬りあって斬りあって、最後にかっこよく一礼されたときにはもううれしくて、思わず『またやろうな、スケさん!』なんて言ってしまった。
結局はそれが、この人と俺をリアルでも引き合わせたのだけれど――
走馬灯のようにめぐった回想。気づけば俺は、フィールドの土にぶっ転がってた。
人間姿に戻り、すっかりダウンした様子のスケさんとともに。
体をおこし、呼びかけても返事はない。
命に別状はないようだ。むしろ幸せそうにスヤスヤしている。
とはいえ、このままここに置いといたら危ない。戦場を見回した俺は、『ダンサーズ』マネージャーの『さっきー』(なんでか変身してる)を見つけ、「おーい」と手を振った。
ho<いやだからここでこんな決闘シーンやっちゃってあとどうするんニャと(ry
日<な、なんとかなる! といいなー( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
次回、魔王島にマイクをお返しします!
どうぞ、お楽しみに!




