92-8 ぶっちゃけました! ユーさんの出口戦略!
2022.09.17
なんか余計なこと書いてました……以下の部分を削除いたしましたm(__)m申し訳ございませぬ!
「ではお聞きしますが、こんな策が『魔王』の名を冠する男相手に通用したとでも?
少女の叫びひとつ、少年の嗅覚ひとつで瓦解するような、もろいプランが。
「ファン ィユハン!! お前がやったんだ、そうだな?!」
いつものチャイナ風スタンドカラー姿のユーさんが会場に入ってきた。
お仕着せの若者たち数人に詰め寄られているが、その様子はゆうゆうとしていて、一ミリも焦った様子がない。
まあまあと手を振ると、笑顔でしれっと答えを返す。
「ええ。私の判断で、出口戦略Bを取らせていただきました。
その結果が、この絵面です♪」
「貴様っ……」
「逆に感謝してほしいものです。私がこうしなかったなら、まったく大変なことになっていたことでしょう。
聞きたいですか、ここで、どうなっていたのかを?」
「っ……くそっ!」
お仕着せたちが立ち去ると、ユーさんはこちらにむけて「おや皆さん、お揃いで」ととぼけた様子で一礼した。
レモンさんがあははと笑う。
「お揃いでって、きみが知らせてくれたんじゃない、ユーユー」
「ああ、そうでしたね。
そういうわけですので、私も一緒に行きますよ、トウヤ殿」
「………………どういうことだ」
「それはもちろん、イベントメイクですとも♪」
あっちのイツカとカナタの肩をばんばんたたきながら笑うユーさん。その笑顔はあっけらかーんとしていて、おれたちまでも気抜けしそうだ。
出口からは、手を叩きながら現れるさっきのお仕着せさんたち。
つづいて昨日の画像の狙撃手と、月萌軍の軍服を着た人たちもわいわい入場。あたまのなかみを根っこでぶっこ抜かれてた人、『助けてくれ!』といいつつ斬られていた人もニコニコとこんにちわ。
最後に、向こうの二人もははははと笑い出した。
めっちゃいい笑顔の彼らをバックに、ユーさんはとくとくと語りだす。
「いやー、ちょっと予想以上に炎上しちゃいましたんで、ここはいったん火消しをと。
じつはですね……」
曰く、今回のイベントプランニングは自分がと手を挙げたはいいが、ちょっと派手にやりすぎてしまい、ネット上がだいぶブラックになってしまった。そのため今回はこうして種明かしをし、頭を下げに出てきたということだ。
もちろん、それは『表向き』の落としどころ。
本当は、策は動いていたのだ。
おれたちをニセものとすり替え、世界中の怒りの声で精神を削り、打ち倒すための陰謀が。
もっともその『底』には、抜くことのできる栓があらかじめ仕込まれていたのだけれど。
ほかならぬ、この人の手で。
「……というわけでございます。
みなさまこの度は、大変お騒がせをいたしました。
どうかこれに懲りずに今後とも、このティアブラ・魔王戦イベントに、よろしくお付き合いをくださいませ☆
はいみなさん撤収ですよー、まずは反省会でーす」
ユーさんはニコニコとおれたちの肩を抱き、茶目っ気のある一礼。
『ゆかいな仲間たち』を退場させ、自分も帰っていこうとする。
なお「おいちょっとなんだこれは」ととまどうトウヤさんは、レモンさんに拉致られていく。
ネット上の声も、なんかもう脱力、笑うっきゃないって感じで落ち着きかけてるけれど。
「いやちょっと待てよ。
それってことは、ミライとミズキのしたことは、ぜんぶ無駄ってことなのか?!
オーバーキルまでくらったのに!」
そう、おれたちはちょっと、いや大いに納得いってない。
イツカはぶんっとしっぽをふって抗議の構え。おれもユーさんをじいっと見る。
と、ミライが割って入ってきた。
「イツカ、カナタ、おれたちは気にしてないから!」
「だって、入院までして! ほんとならまだ病院いなきゃだったんじゃないのか?」
「あれはね、おれたちの健康管理がいきとどいていなかっただけ! ほかのだれも、わるくなんかないから!」
「ごめんなさいイツカ、カナタ。俺がついてながら、ミライを倒れさせたりして」
ミズキまでけなげに頭を下げてくれる。
ここまでされると、おれもさすがにもう何も言えない。
「……わかった」
イツカの肩に手を置くと、やつも矛を収めた。
「そのへんも含めて、これから話し合うことにするから。
ごめんな、お前たちにばっか、負担かかって」
「ルカ、ルナ、ライム。
みんなにもごめんね。
はやく、みんなでまたここで、歌えるようにがんばるから。
レモンさんたちにも、よろしく伝えて」
握手と激励、一部なでなでモフモフを交わすと、ミライとミズキ、レモンさんたちも会場を出て行った。
さて、本番はここからだ。
そう、月萌側とのほんとうの和平協議である。
ガタン、とわざとらしい音を立て、部屋の奥に大きな扉が現れた。
踏み込めばこんどこそそこは、円卓のもうけられた会見場だった。
ラノベはあんまり文章練るなと言われているが、私の初稿は文章にすらなってないんだよなあ^^;
もっと国語力が欲しいです。
もっともっとほしいのはネコ分です。
次回、ノゾミ先生がぶちきれます。
どうぞ、お楽しみに!




