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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_91 平和調印式と、近づく嵐!

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Bonus Track_91-4 悪魔のプラン、天の声 ~とある議員の場合~

今回はユーさんががんばってます。

 我々は押しも押されもせぬ最大与党。

 そのはずなのだが、いま場を圧しているのは野党の党首だった。

 背に流した黒髪を緩く束ねた美貌の男は、食えない笑みで涼やかに弁をふるう。


「『迷宮之女主人(ダンジョンミストレス)』がなぜ魔王のもとで参戦しないのだという声は、日々高まるばかりです。

 こちらはユーザーアンケートから。こちらは、某大手掲示板よりマイニングした数字です」


 やつの背後のプロジェクターに投影されたのは、それを裏付ける数本のグラフと数字。背景には、いくつかのスクリーンショット。

 いずれも、やつの主張を裏付けている。


「このまま月萌領での戦いを迎えてしまえば、期待外れからのユーザー離れの恐れがあります。

 このイベント期間内に『迷宮之女主人(ダンミス)』戦に挑み、そのトロフィーを狙うことができるのはほんの一握りの上位ユーザー。その他のユーザーは戦いを動画で閲覧しているだけ。アタックメンバーも出つくし、もう飽きたとの声すら上がっています。

 そもそも彼女らが魔王の守護神となりつつ、魔王島の戦いに参戦しなかったことにも疑問が噴出しているのです。これ以上彼女らを出撃させないのであれば、批判が集まるのは運営を有する月萌陣営です」


 これらにもいちいち同様のエビデンスが添えられてくる。

 いつもはのらくら昼行燈の風情を漂わせているくせして、いざとなると己の主張にいちいち明確な数字を添え、つっこみどころを先回りして潰してくる。

 それでもと反駁を試みた先達の論も、さらりと流されてしまう。


「だがあれらが魔王どもに加われば、もはや勝ち目などないぞ!」

「何をおっしゃる。

 お忘れですか、これまでの戦いはあくまで『ショー』だったということ。

 この高天原に総動員体制を敷いておいて、勝てないわけがありえない。

 まあ、たとえばその場合でも。『これ』なら魔王を制することができるでしょう」


 そして奴が提示してきたのは、『悪魔のような』としかいいようのない計画だった。


「出すのですよね、しろくろウィングスと、ミライ・ミズキを魔王との戦いに。

 それでも彼らでは勝てはしない。

 そこで、『これ』です。

 もっとも万が一、それで心を折れなければ、もはやわれら人の子に止めるすべはありません。

 われらはみな、怒りに燃えた魔王の手により、討ち滅ぼされることになるでしょう」


 静まり返った議場に、さらに高らかに響く声。


「しかしそうなった場合。その被害を補って余りあるほどの投げ銭が魔王軍に流れ込む。

 名実ともに正義の魔王となったかれらは、それを月萌のために用いる。

 死か、生か。いずれに転んだにせよ我々の行いは、未来の月萌の礎となる。

 すべては未来のため。未来を贖う取れ高のため、というわけです」


 ぞっとした。こいつは、自分の命すらホンキで賭けの俎上に載せているのだ。

 やつのうしろに控える者どももまた、不動の目をしている。

 呼吸さえ忘れかけた、その時。


 パチ、パチ、パチ。


 拍手の音が降ってきた。


「素晴らしい。実に素晴らしい。

 すべては未来のため。未来を贖う取れ高のため。

 いいじゃないか。君たちがそのすべてをかけて月萌の明日を希求するなら。

 そんな熱い思いを応援しない月萌人はいないだろう」


 そして『天の声』――党首リュウジ・タカシロの語る声が。

 手をたたいた。私も、隣の男も、その隣もその隣も。


 反対の声は数の力でかき消され、悪魔のプランが動き出す。

 リークをしようにももう遅い。高天原はすでに、戦時動員体制に入っているのだから。


日向もがんばってます( ー`дー´)キリッ

もっともっとおもしろい作品をかけるようになりたいものです。


次回、掲示板回の予定です。

どうぞ、お楽しみに!

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