Bonus Track_91-1 近づく嵐? 月萌軍の学園来訪! ~ミライの場合~
例によってこの水曜も、午後は動画学習だった。
おれたちの『魔王軍』は、かっこよく勝ってくれた。
北岸の戦いはもしかしたら負けるかも、て前評判だったのに、ばっちり勝っちゃったからびっくりした。
『シエフロ』で無敵化したうえに、弱体化抵抗もばっちりかけてる空軍小隊を、撃退しちゃったのだ。
テラフレアボムや、減速の踊りなどで無敵化パワーと弱体化抵抗をどんどん削って、しまいには空中高く山をそびえさせ森を茂らせて攻めこみ、撤退に追い込んだ。
南海岸の戦いはみどころいっぱいだった。
イザヤとユウはアンナの翅と先祖返りパワーでかっこよく戦ってたし(砂浜で戦うユウはさりげなく無双してた)。
ソラは頭の上まで足上げて二人を空まで打ち上げたり、不死鳥っぽく第二覚醒しちゃうし。
ちなみにパレーナさんはまたファンがいっぱい増えたみたいで、ソラをたすけたときにはセナだけじゃなくってみんながすっごい歓声上げてた。
タクマとライアンさんの一騎打ちは、前に見たのよりもっとすごくなってて、まわりでソリスのひとたちが観戦に回っちゃうのもむりないくらい。
イツカ対ソレアさまは動きがはやすぎて見えなかったけど、イツカはハンデなしでちゃんと戦えたみたいで、『ほっぺにちゅー』で承認をもらってた。
あわてまくって子猫になっちゃったイツカはすっごくすっごくかわいくって、『あんな可愛い生き物もう憎めねえ……』って声があっちこっちから漏れてた。
それよりなにより、最後は一番すごかった。
カナタはイツカと一緒に、月萌軍からたたきつけられる『挑戦状』のまえに、自ら進み出た。
そうして、島のみんなで作った新型結界を発動。
防御結界で弾き返したらまわりも大変なことになるレベルのすさまじい砲撃を、やさしく柔らかく溶かしてしまったのだ。
さらには結界の術式をネットで公表。今後戦うならこれを使って、みんなを守ってくださいと、かっこよくボウ・アンド・スクレープを決めた。
もうもう、かっこよすぎてすごすぎて、おれはふおおおおおっとなってしまった。
「かっこよかったね、ふたりとも。
ミライったらもう、しっぽがパタパタしすぎて見えないくらいだよ?」
「そういうミズキだって、おみみがふわあっとなってるよ?」
「えっえっ、そう?」
「なってる!」
「なってますね!」
「なってますよ!!」
「うわ、ほんとだ……ちょ、ちょっとはずかしいかも……?」
視点変更で自分の様子をたしかめたミズキは、はずかしそうにたれみみに手を当てる。
こんな反応新鮮で、なんだかすっごくかわいい。
クリーム色のおみみのしたで、ほっぺが『ぽっ』と染まってるのもかわいくて、おもわず、いつもとは逆に、おれがミズキをなでなでしてしまった。
そんなこんなでほこほこに、午後の動画学習は終了。
ほんとなら魔王島にとんでって、おつかれさまのお料理をふるまってあげたかったけど、今はそうもいかない。
アスカから言われていたのだ。
『第六陣がおわったら、すぐに軍から学園に人が来るはずだ。
月萌軍は第七陣、もしくはそのあとの月萌での決戦に向けて、君たちを動員するつもりだ。
とくにきみたち、魔王の捕虜になった履歴のある者、親しい者たちは警戒されている。監視が直につくかもしれない。
だから状況が落ち着くまで、魔王島に行ったり、イツカやカナタたちと連絡をするのは控えて。『ゼロブラ館』にも、行かないほうがいい』
……と。
こればっかりは仕方ない、レポートをまとめてしまおうと講堂を出ようとすると、ミズキに止められた。
「来てる。校門のところ。おそらく、月萌軍の人だ」
さっきまでほわほわしていたたれみみが、見てわかるくらい緊張している。
そうっとミズキのかげから風のにおいをかいでみると、知らない人のにおいと、お兄ちゃんのにおいがした。
お兄ちゃんはすごくぴりぴりしたにおい。たぶん、おれたちがでてったらだめな場面だ。
おれたちは講堂の扉の陰にはりついて、お兄ちゃんが軍の人たちを学長室に連れていくまで、じいっと待った。
チラウラ:えらいカオスな夢を見ました。
・家族とキッチン用具持ち出しての大喧嘩(婉曲表現)
・ゲームキャラ(骨)となりゆきでオクラ入りの納豆ご飯を食べる(納豆嫌いなのになぜかウキウキと)
・そいつとは参加しているイベントの関係で同室だったのだが、部屋に戻ったらサラッともう一人ドワーフが増えていた
…………疲れてるんだろうか。
次回、おとなサイドの攻防の予定です。
どうぞ、お楽しみに!




