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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_90 決着と、挑戦と?! 第六陣は覚醒続き!

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90-6 さあ来い! 『魔王島』南ビーチの決着!(1) ~白リボンのカナタの場合~

2022.08.16

サブタイ修正いたしました……orz

 見えるのは、飛び散る火花と必殺技の閃きだけ。

 それでも、おれにはわかった。

 女神の障壁の向こうからでも、ぜんぶ『聴こえ』た。


 イツカが全速の剣劇をくりだせば、ソレアさまが腕をかぎづめに変えて応じる。

 フェイントのひとつさえもが、月萌で標準的な小銃の威力を超えている。

 変幻自在に踏まれる軽いステップは、踊るように楽しげで、それでも位置取りはおどろくほどに精確。

 なのに、楽しげに笑いあい、冗談を飛ばしあっている。

 まるで遊んでいるよう――いや、ただしく遊びなのだ。

 この異次元バトルは、あの二人にとって、あくまで『最高に楽しい、遊び』なのだ。


 おなじことはライアンさんとタクマにも言えた。

 こちらは普通におれの目でもみることができるが、パワフルな戦いぶりに胸が躍る。

 二人とも生き生きとした笑みを浮かべ、応酬を繰り返している。


 なるほど、強くなるのも納得だ。

 かれらには、バトルを愛するこころと素養が、ともに備わっている。

 だから、笑いながら勝つ、戦う、そしてどんどん強くなる。


 フリーダムに思う道を切り開き、おれたちをひっぱってってくれるイツカ。

 そんなイツカに惚れ込んで、今ではすっかりよき友になってくれたライアンさん。

 だれでもバトればともだちと、気さくに接してくれるソレアさま。

 そして、おれとおなじく妹を守り、めげずにがんばってここまできたタクマ。


 悪いこととは思わない。そうだからこそ、おれたちは今、こうしてここにいる。

 もちろん、かれらが敵じゃないから、そんなふうに思えるのかもしれないけれど。



 ともあれ、いまはすることを。

 沖合の月萌艦船に注意は払いつつも、おれは浜辺の仲間たちの支援に全力を注いだ。

 ビーチラインを色とりどりの花咲く茂みで彩り、その香りで強化とポイント回復をおこなった。

 もちろん単体での効果はピンポイントで直接飛ばす魔法やアイテムには劣るので、あくまで底上げポジションだ。


 またこの茂みは、このあとの防御のためのものでもある。

 緑の葉陰、幾重もの枝ぶりで、防御の陣を描き、きたるべき砲撃に備えた。


 そうしてどれほど戦った頃か。上空からまんぷくまんぷくというような声がした。


『はー!! バトったバトったー!!

 すごいねイツカ、ほんとにノーハンデでやりあえるようになったね! ボクはもう胸いっぱいだ――!

 ってなわけで、今日のところはキミの勝ちだ!! また会おう、わが友よっ!!』


 そして起こったことはしっかりこの目で見えた……ソレアさまにむぎゅっと抱きしめられたイツカは、そのまんま『ほっぺにちゅー』をされたのだ。

 狼狽のあまり「にゃああああ?!」と叫んでキョドり、しまいに子猫に変身するイツカ。いやそれは逆効果だぞおい。逆にめっちゃモフられてるし。

 イツカの鳴き声でふりかえったソリスの皆さんも歓声上げてる。ここまでくるとフリーダムというよりもはやカオスだ。月萌軍の人たちはフリーズしてるに違いない。ちょっと謝りたい気持ちになってしまった。


 それでもおれにはここで、心を鬼にして言わねばならないことがある。

 手をメガホンにして、フロートの上に呼び掛ける。


「ソレアさまー! そいつ持って帰んないでくださーい!!

 あとでしっかりモフる機会もうけますんで――!!」

『あっ、ごめんごめん。

 一応いまのは女神による承認兼ねてるから。怒らないでやってね?』


 ソレアさまはそうのたまって、おれにまで『なげキッス』をお投げになった。

 いや、いいの承認それで。

 けれど周囲でさらなる歓声が上がり、おれはもう「ど、どうも……」と笑うよりほかないのだった。



 ソレアさまが『それじゃーおさきー』と飛び立てば、ビーチはそわそわとした雰囲気に包まれた。

 ルリアさんが上空から、ライアンさんに声をかける。


「ライアーン!

 ソレアさま帰っちゃったし、パレーナ起きてこないし、そろそろ引き上げるー?」

「そうだな! そうとなれば、もはや士気は保てん!

 全員撤退!! 殿しんがりは俺に任せろ! ソリス軍、動けるものは全員撤退!!」


 動けるものはといってはいるが、動けない人がそもそもほとんどいない。せいぜい、落とし穴に落ちて出てきてない人ぐらいだ。

 ひとつには、ソリス衛生兵がとんでもなく有能であること。

 いまひとつには、乗り込んできた平原の民がそもそも頑丈で、どっちも殺す気で戦っていないこと。

 そんなわけでソリス軍はわらわらと撤退を始めた。

 もちろん追いはしない。タクマがライアンさんと二人、剣とこぶしをぶつけあうだけだ。

 やがて平原の民の最後の一人が船にたどり着くと、ライアンさんも「良い戦いだった、タクマ」との言葉とともに、一撃を残し駆け出す。

「おう、またやろうな」とタクマが見送れば、あっという間に船へ。


 よし、ここからがおれたちの正念場。

 船が、空の民が浜を離れれば、ゆっくりとつきかぜの主砲が動きだす。

 海底の様子をそっと確認。大丈夫、ステラ開戦派ももう海域を離れている。


 おれは砂を踏み、波打ち際へ。

 スタンッとおれのとなりに降り立ったイツカに『まかせとけ』と笑いかけると、沖に並ぶ艦船にむけ、大きく両手をひろげてみせた。

結局砲撃は次回に回してしまい申した。

というわけで次回こそ第六陣終結! お楽しみに!!

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