90-4 せまる激突! ライアンとカナタ、決着宣言! ~白リボンのカナタの場合~
突然豪雨に降られてえらいめ見ました^^;
2022.08.16
サブタイ修正いたしました!
奇跡のような第二覚醒を披露したソラだったけど、負担は大きすぎたよう。『大海嘯』霧散と前後して、水の巨鳥――『ドラゴンイーター・プラス』も解除。そのままばしゃん、と海面におちてしまう。
きつかったのはパレーナさんものようで、人の姿に戻り肩で息をしている。
それでもそこは大人の意地。ざばざばとソラに歩み寄ると、その体を引っぱり上げた。
「これほどの技を見せた勇士が、むなしく溺れるさまなど見たくないのでな。
……そうにらむな、後でちゃんとそちらに返すから」
ミツルはじぃぃぃっと、威嚇する勢いでパレーナさんを見ている。
大丈夫、この人は信頼できるから。そっと目配せをすれば、ようやく圧をひっこめうなずいてくれた。
パレーナさんがソラに肩を貸し、海の民の手を借りて船へ戻れば、のこりのおれたちがすることはひとつ。攻防の続きだ。
ライアンさんが渋く苦笑すると、天にこぶしを突き上げ吼える。
「全く、仕様のないやつらだな。……
あとは任せろ、パレーナ。
皆の者! 戦いはここからだ!
魔王軍よ。われらが決着、今日こそつけようぞっ!
いくぞォ――!!」
「おうっ!!」
カリスマ満点の赤き獅子は、今度こそがっつり決着をつけると宣言してきた。
もちろん、ここはおれが応じる。
両ふともものホルスターから『サツキ』『ウヅキ』の双銃を抜いて頭上へ。クロスさせて天にかざし、ハッキリと返した。
「ソリスとの決着。今日こそはしっかりとつけましょう。
もちろん、おれたちの勝利をもって。
イツカ、ソレアさまは頼んだよ。
おれは、おれたちはここで、この浜を、この島を、守るっ!!」
「っしゃあ!」
「おーう!」
「合点承知ィ!!」
『オレもがんばる!』
イツカが、浜の仲間たちがこたえてくれる。
そして、管制塔からシオンの声も、音声放送で流れてきた。
『覚醒したよ!『フルムーン・ファインダー』!
こんどこそ、見張りはまかせて!
もうオレ、幻術でだまされない。
ぜーんぶ、まるっと、おみとおしだから!!』
「うん、お願い!」
実をいうとさっきのシオンのきもちの動きは、おれに伝わってきていた。
自分が至らなかったのだ、と思ってしまったことも、みんなの温かさで救われたことも――
だからこそ守りたい、という気持ちがはじけたことも。
もちろん覚醒を告げるシステムアナウンスも聞こえてきたけど、それを本人から弾んだ声で伝えてもらうと、気持ちがぴょんっととびはねる。
おれは島の見張りに回していたチカラをすべて引き上げた。
そして、そのぶんをバリアにまわした。
ソリス軍も漫然と再来したわけじゃない。
パレーナさん頼みにならないバリア破りと突入を目指して、海空平原、合同での演習を重ねてきたのだ。あのフリーダムなソリスの民がである。
おそらく、破られるだろう。けれど、そこではおわらない。
空と海から迫るソリス軍。おれは気合を入れて、笑って、彼らに相対した。
次回、再び浜での激突の予定!
どうぞ、お楽しみに!!




