90-3 エール集めて! 覚醒、『フェニックス・アクエリア』!! ~白リボンのカナタの場合~
無線LAN復帰! からの投稿コンボ!!
……いろいろあって遅れました!
2022.08.16
サブタイ修正いたしました!(~白リボンのカナタの場合~忘れてました^^;)
イツカがソレアさまと闘うために船上から去った。
その後を担い戦線を維持するのは荷が重い、そう悟ったミクさんは、アオバのミラクルジャンプで撤収。惜しまれつつ、浜に戻ってきた。
前後してモモカさんも、くるくると旋回してそのとなりに着陸。
あとに残るは、防衛用フロートをぶっ壊さんばかりの勢いでやりあう赤と黒。
そして、海面でしずかに対峙する青と白。
ソラはいいやつだ。そして、ほんとに強い。
そのチカラはホンモノだ――目覚めたきっかけは、不法な実験だったとしても。
『色欲』も言っていたが、『永久機関コンボ』の難度は高い。あれをふつうの技みたく使えるのは、ソラだけだ。
さらに覚醒技も使いっぱなしで防衛を担うとか、ぶっちゃけ頭が上がらないといって過言じゃない。
けれど、ソラの自己評価はびっくりするほど低い。
パレーナさんもほっとけなく思ったのだろう、というのがおれの読みだ。
「大いなる海よ。われらが命の母よ、心の源よ。
どうか、我にその力を――集え! 『大海原の祝福』!」
ろうろうたる美声による詠唱が響く。
パレーナさんはあたかも導くように、誘うように、自己強化を始めた。
白いクジラをとりまく波たちがきらめきさざめき、星の海にあそぶ幻獣もかくやの美しいエフェクトとともに、すべてのステータスが一気に上昇していく。
前の戦いのときにはみせなかった技だ。さすがはソリス最強の一角、このひとも底が知れない。
「がんばってソラ! 強化!!」
「ミックスポーションどうぞっ!!」
「防壁!!」
「クイック!」
「サクリファイ・フルブレッシング!!」
「水の精霊よ! ソラさんを守って!!」
「うなれ俺のソウル! 『風の祝福』ぅ!」
「えっとえっと……がんばれ――!」
「だいじょぶ! ソラならできるよっ!!」
けれど、おれたちも負けはしない。
錬成陣、ポーション、護符に魔法にスキル・スペル・ソウル。めいっぱいの強化と声援をソラへ。
かすかに水色を透かす水の巨体は、あまたの輝きを集め、深い水のいろに虹の輝きをまとった、神秘の鳥へ。
体の各所にあしらわれた歯車がくるくると回れば、星屑のような輝きとともにりんりんと、澄んだ音色が湧き立つ。
そして、その頭部に立つソラの装いはますます白く。『セレスティアルホワイト』の名を冠した翼は、光そのものであるかのように輝いた。
イツカとソレアさまは大丈夫、なんだかんだで視線こっちだ。
ソリスの民たちも、邪魔だてする様子はなく――
ステラ開戦派、月萌軍も距離をおく様子。
まあ、月萌軍潜水兵の一部の動きが若干気にならなくもないので、そこは注視しておく。
やがて、一週間前と同じように海が膨れ始めた。
びりびりと緊張で毛並みが逆立つ。
けれど、どういうわけか、今回はどこか安心できた。
きっとそれは、水の巨鳥の、その頭部に立つソラの、背中がぴんとのびているからだ。
波統べる白鯨が、よしと笑う。
「では、はじめよう。
――あまたの波よ、幾多の風よ。
一時その領を得るために、我とともに来たれ。
我はパレーナ、旧くからの汝らの盟友なり!
往くぞ、『大海嘯』ッ!!」
「だいじょうぶ! みんながいる!
だから俺も――がんばれる!!
うわあああっ!! え――いっ!!」
軍用レベルの防御結界をぶち破る、天変地異レベルの大津波が巨大な壁となって迫る。
その威容の前には、頼もしき虹色の水の巨鳥も、ほんのちっぽけなものに見えた。
それでも、ソラは走った。
まっすぐに。迷いのひとかけらすら見せずに。
そうして、全力の蹴りをくりだした。
水の鳥の足が触れた部分から、津波はみるみる、虹色のかけらにかわる。
そして、涼しげな音とともに、砕けて消えた。
『マリアージュ発生:プレイヤー・ソラとけも装備『ヘビクイワシの尾羽』のエンゲージレベルが限界突破しました。
スペシャルスキル『フェニックス・アクエリア』が解禁されました』
奇跡そのものの光景に静まり返った海に、厳かにシステムアナウンスが鳴り響いた。




