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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_88 増える仲間! 講和前夜のあれやこれ!

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88-5 サプライズ! 本物きちゃいましたの上映会!!(2)

アンナさんかいててたのしいです*^^*

 はじめてみる光景だった。

 すきとおる二対の翅を広げ、クイーンアントのアンナがふわりと飛び立ったのだ。


「えっ!」

「えええ!!」

「なんだこれ――!!」


 ランチ上映会&歓迎会、おれたちは第二部からの参加だ。当然まだ、闘技会の動画は見ていなかった。

 やろうと思えば結果をさきに知ってしまうこともできなくはなかった。けれど、せっかくならば感動を分け合いたいもの。ぐっとこらえてがまんしたおれに、イツカたちもつきあってくれた。


 そのためだろう。イツカも派手に驚いている。

 おれも知る限り、こんなのは初めてだ。

 アンナはイザヤとユウを見下ろし、妖しく笑う。


『フフ。この姿になるのはどれ程振りかねえ。

 アンタたちはアタシたちを単に、地を這う虫と思っていたかもしれない。

 けど、それはとんだ大間違い。

 アタシたちはね、飛べるんだよ。

 普通のアリなら生涯一度。けど、アタシたちは何度でも。

 まあ、そうそうこんなことはないんだけどね――アタシたちは強いから。

 さあ、冥土の土産に焼き付けな、クイーン・アンナの最終系をね!!』


 そして彼女は宙を滑った。

 アリの下半身に、あでやかに着飾った美女の上半身。その背に生えた羽で、軽やかに宙を舞う。

 鎌のような刃と化した両腕からは、ユウが放ったような真空の刃が放たれる。

 なんとも絶妙なバランス、不条理に美しいその姿の足元で、残ったアントたちが攻め寄せる。


 それでも、イザヤとユウはひるまない。


「っしゃあ! ドンときやがれ!!」

「おれたちも、全力出すよ。イザヤ!」

「おう!!」

「「『嫉妬エンヴィ』ッ!」」


 二人が呼ぶのは、強い味方。3S七人衆の一人『嫉妬エンヴィ』だ。

 かつて、彼女からはがしとられたフラグメントを摂取させられ、二人の航路は捻じ曲げられた。

 けれど、彼女と出会い、彼女と話し、その境遇を知った二人は、彼女の友になることを決めた。

 結果、二人は彼女のチカラを余すことなく使えるようになった。

 綺麗な蛍光グリーンのオーラが二人を包むと、そのパワーが爆発的に上がる。

 今回はなんと空中に、彼女本人の姿まで現れた。


 セミロングの髪を肩に乗っかるみつあみに。丸い眼鏡にセーラー服。

 ドールの身体をもらった時に取得した、ぺこんとおれたボタン耳に、くるんとまいた巻きしっぽ。

 見ため、中学はいったばかりくらいの彼女は、じとっとアンナを見てぼそり。


『……お兄ちゃんたちは渡さないんだからっ!』


 それだけ言うとぱっと姿を消してしまう。

 人前に出たり、話したりするのが苦手な彼女にしては、破格の頑張りだ。

 ぶっちゃけ尊い。イザヤとユウももえもえと手を振っている。


『おおっ、こんな出てきて偉いぞ~! ありがとなヴィー子~!』

『お兄ちゃんたちがんばるよ~!!』

『ちょ、ちょっとなにいまのかわいいいきもの……ハッ?!

 っゴホン。勝負に女連れとはいい度胸だね!

 まあいい、渡さないというならあの娘ごといただくまでッ!!』

「ヴィー子は渡さんっ!!」

「ヴィー子とつきあいたいならおれたちの屍を越えて行けっ!!」


 別方向にテンション上がってしまった二人。けれど、どんな方向だってテンションはテンションだ。

 イザヤが間断なく仕掛けてアンナのアント召喚を防ぐ間に、ユウは的確なひとりコンビネーション攻撃で、残ったアント兵たちを沈めていく。

 その鮮やかさ、まるで魔法。

 五分と経たないうちに地上のアントはすべて消え、アンナもいくつもの手傷を負わされていた。

 こうなればあとはあっという間。クイーン・アンナは力尽き、地上に落ちた。



『ハハ……完敗だ。ああ、完敗だよ。

 さあ、トドメをさしな。

 ハッキリわかった。

 アタシは、弱い。もう、生きる意味もない』


 二人の得物を向けられてなお、アンナは笑ってそういった。

 けれどイザヤは、はいそうですかととどめを刺したりなどしない。

 バトルピックをしっかりとむけたまま、それでも彼女の哀しいことばをきっぱりと否定した。


「何言ってやがる。

 弱っちいやつがこんなとこに来れるわけがねえだろ?

 お前は強ぇ。自分の身一つでここまでやりあえるんだからよ」


 ユウにいたっては、武器を下ろして彼女の前にしゃがみこんだ。


「そうだよ。それにね。

 生きる意味だけはみんな、ちゃんと持って生まれてくるものなんだ。

 人生最大に落ち込んだ時、ある人にそう教えてもらった。

 そりゃ、敵になったら戦うけどさ。生きる意味もないなんてことは、ないんだ。

 それを自分の手で、投げ捨てない限りはね」


 アンナはふたりをかわるがわるに見ると、じんわりと笑みを深めた。


『フ……あんたたちという男は。

 決めた。アタシは生きる。

 そしてもっともっと強くなって、いつの日かアンタたちをアタシの婿にする!』

「ええええ?!」


 突然のトンデモ宣言に、二人はぶっ飛んだ様子で声を上げる。


『フフフ、そうだよ。あんたたちのような男が婿になってくれれば、アタシの世界征服の夢も大きく前進するってなモンさ!

 いいかい、必ず手に入れて見せるからね! その日まで、もっともっと男を磨いておくんだね!!』

「ちょおおお!!」


 高笑いを残してアンナは、土の中に消えていった。

 美しい、二対の翅を土の上に残して。

 イザヤはバトルピックをぼうぜんと降ろしてひとこと。


「おいまじか……人生はじめての告白がアントかよ……」

「あはは。ドンマイ?」


 ユウがその背をポンと叩き、会場が笑いに包まれる中、決着のゴングが高らかに鳴った。


アリさんは『コロニーに危機が迫った時』や、『コロニーが十分大きくなった時にも一部のオスメスが新天地を目指し飛び立つそうで。

ただ、一度飛んだアリさんがまたなんかの理由で飛ぶことはあるのか。それは調べたのですがハッキリしたエビデンスが見つけられずorz

いろいろ読み合わせて、まあなかろう、いや、このセカイではいいことにしよう!! と思って言い切りました。

もし現実世界のアリさんが生涯複数回飛ぶんだぜと知っている方いらっしゃいましたら、教えてやってくださいませm(__)m

アリさんのコロニービルディングは浪漫……!!


次回、ちょっぴり会場のわちゃわちゃの予定です。

どうぞ、お楽しみに!

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