表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_85 『魔王軍』活動再開~そして開始、『ステラ杯』!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1011/1358

85-2 夜明けの執務室で待ってて? うさぎと竜の小さな約束!(2)

遅くなり申した! 取り急ぎ投稿いたします!

 報告や相談、意思決定への支援体制はシオンたちが最大限整えてくれていたし、そもそも結構な数の仕事を権限委譲していた。

 それでも、やることはいくらでもある。

 夜食を食べ、『まおネット』をチェックして疑問や発案、指示なんかを書き込んで、執務室にやってくる人たちと相談して。

 それも途切れたら島を回り、できる作業を手伝って。

 合間合間に、イツカの様子を見るのも忘れない。

 おれが事務系なら、やつは体力担当。ハンターたちとのバトロワ……もといトレーニングで切磋琢磨したのちは、夜目を生かして野外作業。

 大丈夫、無茶はしていない。どっちかというと安心してみていられる。

 いろんな意味で目の離せない突撃にゃんこがここまで成長したかと思うと、おれとしてもうれしいものがある。ちょっと目頭が熱くなった。


「カナター、白たち起こしてきたー」


 東の空が明るくなると、ハンターたちとのトレーニングを終えたイツカが、白リボンのおれたちをつれてやってきた。

 この日はメディアの取材がある。その時間に起きようかと思ったが、ふたりがまかせとけ、アイラさんたちにもそれでお願いしたからと言ってくれたので、ここはあまえることにした。

 その他もろもろ、引継ぎをして執務室を譲り、おれとイツカはさっそく朝風呂。

 食堂でおいしい朝食をいただいたら、ブワーッと眠気がやってきたので、部屋に引き上げておやすみなさい。


 目が覚めると、昨日とおなじようにまた一晩。

 今度の夜明けには、エルマーもいっしょにやってきた。

 黒子猫どもはイケメンフェイスを装っておれたちを送り出そうとしていたが、長いしっぽが背後でぴくぴく。こっそり後からついてきてのぞき見しようとしているのがバレハレだ。なので、モフモフ要員として連行し、農場に向かった。


「あ、みなさん!」

「お話にきてくれたんですか? お茶でも飲みます?」


 夜明けの優しい明かりの中、作業着姿も可愛いうさぎ姉妹は楽しそうに苗のお世話をしていたが、おれたちに気づくとグレーと黒のお耳がぴょん。ニコニコと手を振って招いてくれた。



 紳士たるもの、ティーセットはインベントリにスタンバイ済みだ。

 農場の一角にしつらえられた、木製のティーテーブルで、おれたちは夜明けのティータイムとしゃれこんだ。

 口火を切ったのはクローネさん。

 クローリンさんによく似た笑顔で、こう励ましてくれる。


「すこし気が早いですけど……いよいよ、明日ですね。

 がんばってくださいね」

「もっともあたしたちは、100パーカナタさんたちが勝つって思ってますけどね!」


 クロートーさんは、クローリンさんよりやんちゃな笑みでにししと笑う。


「タクマは第三階梯いきかけてるし、エルメスさまも頑張ってるし!」

「そうだね。ふたりの後で恥ずかしくないよう、精いっぱい頑張るよ」


 白リボンのおれが笑う。

 われながら、自信に満ちた様子。もしかすると第三覚醒の時同様、第四覚醒も仕上げるかもしれない。

 それなら、それでいいのだ。

 ステラ杯の終了から、ステラ領からの援軍が届くまでの間、この島はソリスと月萌の猛攻にあうことがほぼ確定している。

 月萌からの攻撃には、ステラの開戦派が食らいつく。

 かれらが競り合っている間に、素早くソリスとの戦いを制さねばならない。

 そのときに第四覚醒が完成していれば、大きな助けになる。


 もうひとりのおれにおんぶにだっこの形とはなるが、つまらないプライドで仲間を危険にさらせない。もし完成がかなったら、ライカを通じてすぐにコピーさせてもらう所存だ。

 いっぽうモフモフ要員、もとい、イツカたちは純粋に楽しみな顔。


「そのあとは俺たちが頑張らなきゃだな!

 ライアンさん、パレーナさん、ルリア。誰と当たるかわかんないけど、誰と当たっても絶対勝つっ!」

「だなっ!」

「頼もしいですわ。よろしくお願いいたします」

「あたしたちはお料理で応援するからねっ。サラダもポトフも、全力でおいしくするんだから!」

「お茶とお菓子も、楽しみにしてくださいね。

 ミライさんとライムさんにレシピいただいたんです。すこしでもおふたりのかわりが務まりますよう、わたしたちみんな、力をつくします」


 そういえば前・前夜祭のとき、ミライと草原の民のみなさんがわいわいしていたと思ったら、レシピを交換していたのだ。

 ライムはあの日来られなかったけれど、ミライがレシピを渡したのだろう。正直いって頭が下がる。

 そしてそれは、そのレシピを使っておれたちを応援してくれる、この人たちにもだ。

 おれたちは声を合わせた。


「ありがとうございます!」

「ゴチになります!!」


 いやイツカども、ここはそうじゃないだろ。

 いつものうさみみパンチをくらわすと、朝日のティーテーブルは笑いに包まれた。

 エルマーが可愛く気合を入れる。


「よーし、僕ももっともっとがんばらなくっちゃ。

 いちおう六獣騎士なんだもの。みんなを守るのが、僕のお仕事なんだもの。

 イツカとカナタにはかなわないかもだけど、僕もがんばって、みんなを守るからね!」

「よろしくエルマー!」

「よろしくお願いしますわ!」


 すっかり明るくなったエルマーの笑顔は、うさぎ姉妹たちにも負けず劣らずのかわいさ。

 この三人、アイドルデビューしたらすごいことになるかも。ふとそんなことを考えてしまうおれなのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ