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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_84 森コン、グルメ、そして観劇! 新生魔王軍始動、前夜祭!

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84-4 クライマックス!! 『みずおと』第二話第五幕!

副反応で熱でて全身いてえのです……。

おかしなところあったら後程直しますねm(__)m

もっとがっつりバトルにはいりたかった……

 第五幕は、お城の一角と思しき廊下ではじまった。

 人通りのないそこに、女の子がひとり、歩いてくる。

 大きな木箱を、二つかかえて。

 年のころは、おれたちとおなじくらいか。真新しい胸当て鎧、切りそろえたばかりのショートヘアも初々しい。

 いかにも新入りです、といった風情の女兵士だ。

 だれだろう。見覚えがすっごくある気がするんだけれど。


『どうしよう……いったいどこにあるのよ、倉庫……』


 声を聞いて驚いた。それはなんと、ユキさんだった。


『大丈夫ですか、兵士さん。

 持ちましょうか』


 そこへやってきたのが、新しい文官服、ちょっと年下のクレハだ。

 紳士的にも、荷物を持とうと申し出る。


『あ、……いえっ、大丈夫です!

 あの、倉庫までの道を教えていただければ!』

『え、倉庫……反対側ですよ』

『がーん…………』


 思わず口に出てしまうユキさん。

 クレハは優しく笑って申し出る。


『このお城、広いですからね。

 一緒に行きましょう。ひとつ、持ちます』

『あ、ありがとう……ございます……』


 なんかちょっぴりいい雰囲気で二人が歩いていくと、現在のユキさんが舞台中央に舞い降り、静かに語り始めた。


『三年前のこと。

 新米兵士のあたしは、すこし先輩のクレハ君に出会った。

 故郷を遠く離れ、なかなかお城になじめなかったあたしだったけれど、そこからはどんどん友達もできて、仕事も頑張れるようになった。

 そうしてあたしは騎士になり、王様の御庭番に任じられ……

 ついには、友好関係にある国々との連絡役を任されるようにまでなった。

 クレハ君はいつもあたしを、優しく励ましてくれた。

 今のあたしがあるのは、クレハ君のおかげなのだ。

 それが、こんなことになるなんて。

 ……思ってもみなかった』


 いつもサッパリ、チャキチャキしたユキさんによる、情感たっぷりの語り。

 意外なほどの名演技にただただ聞き入っていれば、いつの間にかユキさんのそばにチナツがいた。

 ユキさんは一通の封筒を取り出し、チナツに渡す。

 チナツは神妙な顔でうなずき、受け取ると、その場で開封。

 中身を読む手は次第に震えだすけれど、チナツはそれを抑え込む。

 最後は、笑顔でこう言った。


『ありがとね、ユキさん。

 いやー、まさか、まさかだったわ。

 あのさ。でさ。まず、俺が説得してみたいんだけど、いい……かな?

 ほら、俺、クレっちゃんの補佐やってたしさ!』

『そう……ね。

 まずチナツ君が話すほうが、……きっといいわね』


 二人は無理して笑いあう。

 けれど照明が落ち、再び舞台に光があふれた時、そんな雰囲気は跡形もなく消えていた。

 廊下のセットは撤去され、舞台は城の前庭に。

 ファンファーレが響き、ずらっと並んだ城の人々が、華々しくグリハ一行を出迎える。

 国を代表しての商談はもはや成功と言っていい状況だった。

 はなやかな宴、いくつものおみやげ。

 さらには、相手国の王弟そのひとが、帰路を送る騎士としてついてきた。

 グリハは得意満面だ。


『ハルキ殿下、道中お守りくださり、誠にありがとうございます。

 今宵はあなた様のための宴。どうぞお楽しみくださいませ』

『ありがとうございます、クレハ殿』


 さっき以上の驚きがやってきた。

 めんどくさがりのグリードがこんなにしゃべってる。しかもすっごくそれっぽく。

 まあちょっと棒読みだけど、それでもいつも寝っ転がってめんどくさそーになおかつガラ悪くしゃべってる普段からすれば、もはや『だれおま』レベルの頑張りっぷりだ。


 ともあれ、ハルキが世話役のメイドたちに引き渡されて去ってゆくと、行列も解散。

 グリハはチナツに連れられ、ごきごきと首肩を回しながら去っていった。



 照明が再び落ち、再びともったときには、舞台の上はがらんどうだった。

 チナツが黙ってやってくる。グリハもダルそうについてくる。

 ぐるり、周りを見回して鼻を鳴らすと口を開く。


『オイ、どういうつもりだ? 闘技場なんざつれてきやがって。

 俺は長旅ご苦労様で一休みいたしたいんだがよ?』


 このガラの悪さ。もはや完全にグリードだ。

 チナツは確信に至った様子で、懐から白に金の縁取りのある封筒を取り出した。


『アンタがクレっちゃんなら、そうさせたげたかったんだけどね。……

 コレ、どういうことだ。

 武器をつくり、他国に売る。これは王の意に反することだって』


 グリハがすっと指をさしむければ、封筒は何かに食われるように消え去った。


『ンなもんは存在しなかった。チナ、てめえ疲れてんだよ』

『そっか、そっかぁ……』


 するとチナツは、うれしそうに笑った。


『よかった。

 確信したわ。やっぱおたくはクレっちゃんじゃない。

 おおかた『虚飾』とかの仲間だろ?

 何が目的だ。どうやってクレっちゃんにとりついた』

『おいテメエ。自分の立場、わかってンのか、あ?

 てめえは俺の補佐して武器密造をガンガンすすめてた。つまりは共犯者だ。

 いまさら正義の味方ヅラしてオレをとっつかまえたとこで、てめえも一緒に牢屋いき。

 もうてめえはとっくに、悪の側の人間なんだよ。

 オレにつけや、チナよ。テメエのことは嫌いじゃねえ』

『はァ?! ふざっけてんじゃねえぞ!!

 クレっちゃんと牢屋いきなら文句ねえ、だがてめえごときぽっと出のニセモンと心中なんかしてやるかってんだ!』


 チナツがブチ切れた。いつものにぱにぱスマイルはあとかたもない。

 こうしているとチナツもまごうことなきイケメンだ。むしろ落差がすごい。ここ、ランチ会会場もおおさわぎ。

 ただ本人は『真面目な顔すると顔がつる』とか言ってるから、これは舞台用、かりそめのイケメンモードなのだ。

 もちろんグリードはそんなのおかまいなしだ。クレハの体でひっさつパンチを繰り出す。


『ほーうほーうほーう。まァいいか。落ちとけよッ!!』

『チナツ君あぶないっ!!』


 間一髪、助けが空から。するどいキックで一撃を叩き落したのはユキさんだった。


かぜぐすりってすごいね!

あと、ねこちゃんのことをかんがえるとちょっとらくです。

いやしとはこのことなりけり。


次回、つづき!

お楽しみに!!


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