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しゅらば

ショップでのダンジョンバトルが終わった後は、解散となった。

その後は俺も帰宅──ではなく、茜の家にいた。

まるで、修羅場の様な雰囲気が漂っている。


「先輩・・・今日、対戦相手の事、嫌らしい目でチラ見してたっすよね」


修羅場だった。


「いや、あれは・・・そう、男性の本能でだな・・・」


「私の事は見てくれないし、手も出してくれない癖に」


「いや、茜は極めて魅力的なんだが・・・」


実際、相当意識はするのだが。

どうしても、茜の態度が本心に思えなくて・・・


「私、魅力無いっすか?」


茜が、上着を脱いでいき・・・そして、大きなものがこぼれ出る。


真剣な目。


「いや、茜は極めて魅力的だ・・・ただ・・・どうしても無理している様に思えてな。自暴自棄というか・・・自分を傷つけたいというか・・・」


そっと茜に服を被せる。


「・・・そこまで分かってるっすか、流石先輩っす・・・」


茜が、表情を消し、漏らす。


「そうっす・・・私は、自分を汚したくて・・・先輩を選んだっす・・・でも同時に、先輩なら分かってくれる、そんな事も期待してた気がするっす」


茜は俺をまっすぐ見ると、


「先輩、私──俺の話を聞いて欲しい」


そう言った。

俺娘。


「俺は、かつては、ウォリアーだった。そこそこのチームで、それなりの活躍をし。中学校の全国大会出場経験も有る」


茜が続ける。


「残念ながら連携が苦手で、チームとしては2回戦敗退だったけど。クラス別MVPに選ばれたから、それなりの実力はあったと思う。そんなある日・・・」


茜は目を瞑り、頭を振ると、


「俺は気づいてしまった。PTのスカウトが・・・ドロップ品を誤魔化していた事を」


スカウト、というクラスは、宝箱の解錠や、ドロップ品の回収等、ドロップ品に接する機会が多い。

誰も気付かない間にレアを拾えば・・・甘い誘惑に晒される。


「俺は、そのスカウトに注意したんだが・・・嵌められ、レアを秘匿したと冤罪をかけられて・・・PTを追放された。俺は、身を粉にして、リーダーをやっていたつもりだったが・・・結局、誰も俺を信じてはいなかったんだ」


「茜・・・」


酷い話だ。


「それで自分を変えたくて・・・いや、先輩の言うとおり、自分を汚して欲しかったのかも知れない。俺は・・・」


「茜、俺はお前の味方だ。俺を信じろ」


茜を抱きしめる。


「先輩・・・ありがとう。本当の俺は・・・女の子っぽい喋り方でもないし・・・魅力も無いけど・・・それでも、先輩の彼女でいたいです」


「大丈夫だ、茜──正直、ぐいぐい来るのは若干引いてたし、お前の喋り方は別に女の子っぽく無かったぞ」


「えっ?!」


いや、〜っす、とか、女の子っぽく無いしな?

無理に語尾つけてる感あったし。


「あと・・・あの・・・その・・・恥ずかしいので、するのは・・・その・・・時間を下さい」


真っ赤になって、茜が顔を埋める。

エロく迫って来てた時より魅力的だよ、畜生。

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