帰還
ザシュッ
俺の斧が、ゴブリンを斬り伏せる。
少しずつ、コツが分かってきた。
まず、回避。
敵から青い光がうっすらと漏れ出ていて、それが指す方向・・・一瞬後、その軌跡をなぞる様に敵が動く。
つまり、未来の動きの予測線だ。
達人が経験から動きを予測・・・それをゲームにシステムとして取り入れたものだ。
次に、攻撃。
敵の身体に、赤い線が走っている。
これが、隙だったり、弱点だったりする。
強く赤く光る線は、クリティカルが発生する。
茜を観察していて分かった事だ。
尚、茜が敵を攻撃する時は、赤い線が太い。
恐らく、スカウト?のスキルのせいだろう。
クリティカル率アップ的な。
ドロップアイテムは既に持ちきれなくなり、茜に持ってもらっている。
それでもいっぱいになれば、かさばる物を捨てる。
所持可能量は基本、ウォリアーの方が多いのだが、装備、バックウェアの効果で所持可能量が増えるらしい。
これも、ベースユニットと、インゴットスロットとジュエルスロットがあるのだが。
そもそも、バックウェアはベースユニットすら所持していない。
初期配布は、ウェポンとウェアとエアタンクだけだ。
「・・・なかなかレベルが上がらないな・・・」
俺は溜め息をつく。
「このゲームは、本当にレベルが上がりにくいっすからね。特に、格下との戦闘は、かなり経験値低いっす。とりあえず、数日でレベル2になったら良いや、くらいの気持ちで良いっすよ」
「ん?今レベル5になったぞ?」
「早すぎるよ?!」
茜が叫ぶ。
あれ、早い方なのか。
「・・・私がまだレベル8っすよ。先輩おかしいっすよ」
「あれか・・・ずっとDDSに憧れていたから、その補正・・・?」
「有り得ないっす・・・まあ、確かにこのゲーム、どんな経験したか、で経験値入るので、学習能力高い人は成長早いんすけどね」
そういうものか。
「そろそろエアも減ってるでしょうし、戻るっすよ」
631/2000。
確かに大分減ったな。
「分かった、今日はこのくらいにするか」
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アイテム精算。
適当に茜が分配してくれる。
恐らく、多めに貰った。
「気に入った見た目の武具、回復アイテム、インゴットとかはとっておくと良いっす。要らないアイテムは、そこのボックスに入れると、リソースに変換されるっす。リソースを貯めると、ショップでパーツを買ったり、エリクサーにしたりできるっすよ」
エリクサー?
まあ、リソース=お金、なのだろう。




