第十五話「幼なじみが絶対に負けない感じのラブコメにしたい気もする今日この頃」
お久しぶりです!上野慎です。
しばらく投稿できておらず、大変申し訳ありません。
あとがきに詳しく理由を書かせていただきますのでそちらのご確認もお願いします。
それでは物語をお楽しみください!
5月2日、晴れ。
ゴールデンウィークも終盤になってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
普段はあまり会わない友達と遊びに行っている方、家でゆったり休日ライフを謳歌している方、家族サービスに精を出している方、休日だろうと関係なく仕事をされている方など様々なケースがあるかと思います。
そんな中私は、幼馴染の女の子とデートをしています。
――――ああっ、待って待って!そんなに怒らないでっ!
これには深いわけがあるんですよ。綾音が泊まりに来ててたまたま寝るときの部屋を間違えてたまたま同じベッドで寝てしまっていてそれに気づかなかった俺がたまたま綾音の胸を触ってしまい激怒させてしまってそのお詫びに一緒に遊びに行くことになっただけなんです!
……あれぇ、読者が減っちゃったよ。なんでだろう。
「どうしたの、変な顔して黙り込んじゃって」
俺が小説家(志望)にあるまじきメタいことを考えてしまっていたら綾音に本気で心配されてしまいました。
「い、いや、大丈夫。なんともないよ」
「本当に?変なまこと。……あ、いつものことか」
「おい……」
そんないつも通りなやり取りがとても心地よく感じる。
そう思ってしまうのはあの遠足での出来事のせいだろう。
本来は俺以上に大変な思いをしたはずの綾音がいつも通り、何事もなかったかのようにしているところを見ると、なんとも強い人だと改めて感じる。
――俺もこのくらい強くならないといけないな。
「ところで、今日はどこに行く予定なんだ?」
そう俺が尋ねると、
「今日はなんと、新しくできたイ〇ンタウンに行きます!」
と答えてスマホを俺に見せてきた。
そこにはゴールデンウィーク初めに新しくイ〇ンタウンがオープンしたとの記事が載っており、その内容が書かれていた。
「なになに、――――すごいな、いろんな店が入ってるんだな」
「そうなの!今まで近くになかったユ〇クロとかライト〇ンとかがあるから気になって行ってみたかったの!」
綾音の言った服屋さんのほかにも少し高そうな服屋さんやスポーツ用品店、電気屋さんに本屋さん、そしてゲームセンターや映画館など様々なお店があり、一日中遊んでも暇をしなさそうなラインナップとなっている。
「確かにこれは気になるな。俺もせっかくだから服でも買おうかな」
「うん、そうしなよ!まことっていつも同じような服しか着てないんだから、たまにはおしゃれしてみなよ」
「うっ、そう言われてもな……」
そう、何を隠そう上屋真16歳、ファッションに関して興味がゼロなのである。
基本的にはジャージやパーカーなど楽な服装が多く、今日のように遊びに行くときや誰かが来るときは一応ジーンズを履いてまだましだろうと思われるシャツなどを着るだけなのである。
「いや、ほら、あれじゃん、俺小説家になる予定だからファッションとか関係ないじゃん」
「そんなことないでしょ。キャラクターたちに着させる服は?何らかの賞を受賞したときとかにインタビューとかでもしかしたら写真求められるかもしれないじゃん。それに今は有名な作家さんがネット放送とかに呼ばれたりすることもあるんでしょ?その時どうするつもりなの?」
そう綾音に捲し立てられてしまった。
――言われてみれば、俺はいつもキャラクターの個性や見た目などは思い浮かぶのだが、服装についてあまり深く考えたことがなかった。そこがもしかしたらキャラクターの魅力を引き出し切れていない理由なのかもしれない。
それに確かに最近は雑誌のインタビューやネット放送などで表に出てくる作家さんも多いし、そういう人は人気がとてもある。
よく考えてみるとそういった人はとても自分に合った服装をしているように思える。
まあ、つまり綾音の指摘について
「ぐうの音も出ません」
完全降伏である。
「わかればよろしい」
「たのむ、綾音。俺のために服を選んでくれ。そしてファッションについて教えてくれ!」
「ううーん、どうしよっかなあ」
「たのむ、綾音!俺には君しかいないんだっ!」
そう力説すると綾音は顔をそらしてしまった。
何故かはわからないが、少し頬が赤くなっているようにも見える。
――いったいどうしたのだろうか。
そう思っていると綾音はこちらを向いて答えた。
「わ、わかった。まことの服、選んであげる。ファッションについても、教えられることは教えてあげる」
「ほ、本当か!」
「でも、私は見返りを要求します」
「ですよねー。タダなわけないですよねー。……まあ、仕方ない。そちらの要求を呑もう。しかし、あまり高価なものはやめてくれ」
そう言うと綾音は呆れた顔でため息をついてきた。
なぜだ?俺はこんなにも誠心誠意向き合っているというのに。
「まこと、こういう時は高価なものはやめてなんて言わない方がいいよ。……まあ、それがまことらしい誠意の見せ方なんだろうけどね」
「よくわかってるじゃないか。さすが幼馴染」
「はあ、もう。――私が要求する見返りは、私の服を選んでもらうこと」
「――――は?」
「それじゃあしっかりと私のことを考えて選んでね。まこと君」
「待って待って待って、無理だよ!俺ファッションセンスないから教えてって頼んでるじゃん!なのになんで俺に服選ばせるの?いじめなの?生粋のサディストなの?」
「いじめでもサディストでもありません!……ただ、まことに服を選んでもらいたいだけなの。――――だめ?」
「うっ……」
たのむ、そんな顔でこっちを見ないでくれ。綾音にそんな顔をされるとその要求を聞かないわけにはいかないじゃないか。
「――わかった、わかったよ。その代わり、変な服選んでも文句言うなよ」
「そこはまこと次第かなあ」
「おいっ!」
そう言って俺たちはイ〇ンタウンへと向かって行った。
――――ちなみにあの時の綾音の顔がどんなのだったかは教えません。
「別に、作者が表現する言葉を思いつかなかったわけじゃないんだからねっ!」
「どうしたのまこと気持ち悪いよ」
……やっぱりメタい発言はやらない方がよさそうです。
※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「「おおーー!」」
歩くこと約20分、ようやくたどり着いたイ〇ンタウンは思っていた以上に広く、思っていた以上に人で溢れていた。
「これは、すごい人だな」
「まあゴールデンウィークだしね。それにこれだけすごいと皆来たくなるよ」
「まあそれもそうか」
確かに家族連れの人がとても多く、ゴールデンウィークに近場でお出かけをする選択肢としてはかなりいいところなのだろう。
その他に学生もたくさんいる。確かにこの近辺で服が欲しくても今までは車や電車で行くことが普通だったため、歩いて行ける範囲にこれだけのものができたとなれば学生は万々歳だろう。
「とりあえずどこから見るんだ?」
「ううーん、人も多いし混む前にお昼食べちゃおっか」
今の時刻は11時ちょっと過ぎ。
まあ確かにこれだけ多くの人がいるとなるとお昼時はどこの店も混むだろう。
「そうだな、そうするか」
「それじゃあフードコートに行こっか」
※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「おまたせー」
「おっし、それじゃあ食べるか」
「「いただきまーす」」
フードコートへ来たらすでに結構な人数がいたが、何とか空いているテーブルを見つけて各々食べたいものを買ってきた。
ちなみに俺がかつ丼で綾音はうどんを買ってきた。
「おっ、これ結構うまいぞ!」
「このうどんもおいしいよ!一口食べる?」
「食べる食べる!」
そう言って俺は綾音が食べていたうどんを食べてみた。
しっかりとしたコシがありとても美味しい。
そう思っていると少し周りから視線を感じた。
――まあ、これに関しては今日だけではなく綾音といるとたまに感じるのだが。
それもそうだろう、こんなにかわいい子と一緒にご飯を食べていてしかも一口分けてもらっているのだから周りの男から嫉妬されてしまうことくらい理解できる。
「サンキュ、美味かったよ」
「でしょでしょ、チェーン店なんだけど近くにはなかったからすごくうれしいな!やっぱりイ〇ンタウンは最高だね!」
「ああ、間違いないな」
そう言って俺たちはお互いのペースで食べ進めていった。
(それにしてもあの人達、ずっとこっちを見ているな)
普段は綾音といても少し視線を感じるだけだが、俺たちの近くに座っている大学生くらいの男の人たちがずっとこっちを気にしている。かなり綾音のことがタイプなのだろう。
ナンパされることが多いという綾音にとって、こんなことは日常なのだろうか、まったく気にしている様子はない。
そのため俺もあまり気にしないようにしているとお互いに昼食を食べ終えた。
「「ごちそーさまでした」」
「それじゃあそろそろ服を見に行くか」
「うん、そーしよ!しっかりと私の服選んでねっ!」
「ぜ、善処します」
そうして俺たちはフードコートを後にした。
「変なの選んだらやり直しだからね」
「どうかお慈悲をっ!」
いかがだったでしょうか。楽しんでいただけましたか?
実は半年前からYouTubeをはじめまして、そちらの都合で投稿が途絶えていました。
これからは不定期になってしまいますがこちらもしっかり更新していきますのでよろしくお願いいたします。
YouTubeではバラエティ系を中心に様々な内容でやっており、小説の書き方などについても登校していますので是非見ていただけたらと思います。
こちらからお楽しみください!https://www.youtube.com/channel/UCkHsJsV1fB8LwIBWvprnnqg
そしてこれからの物語もぜひお楽しみください!