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転生したら魔法の才能があったのでそれを仕事にして女の子と異世界で美味しい物を食べることにした  作者: 鉄毛布
四章

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いざ帰路へ!

 ご飯も食べて腹も膨れたところで、いよいよキリアヒーストルへ帰ることにした。

 本当ならもうしばらくシャーバンスでゆっくりしていってもよかったのだが、リズミナが帰りたそうにしていたからだ。

 魔物の活発化についての調査、その事件の全容を早く報告したいとのこと。部下と接触するにしてもまずはキリアヒーストル領に戻る必要があるそうだ。

 旅の支度を整えて今はアリキア山脈へ入り、山道を登り始めたところだ。

 荷車を引かせたゴーレムを先頭に、俺たちは山道を歩く。


「さて、リズミナ」

「なんだ?」

「山へ入ったんだから……おっと」


 俺がなにを言おうとしているのか気付いたリズミナが距離を取るより早く、俺はその腕を掴んだ。

 そしてその顔を覆うフードを跳ね上げた。


「うーーーー。……あなたって人は」


 むすっとした目で抗議するリズミナ。


「まあまあ。エリとも仲良くなるのにずっと顔を隠したままってわけにもいかないだろ」


 俺の言葉でリズミナとエリはお互いを見る。


「ええと……よろしく」

「エリだよーーー! よろしくーーー! リズミナちゃんだね! えーっと……二人の友達?」


 最高の笑顔でずいっと体を寄せて、強引に両手でリズミナの手を握るエリ。


「こいつは俺とアンナの警護をしてくれているんだ」

「へぇーすごいね。強いんだ?」

「そ、そんなこと……」


 恥ずかしそうに視線を泳がせるリズミナ。


「強いよ! 魔物を仕留めたこともあるんだよ!」


 自分のことのように自慢げに言うアンナ。


「えええっ!? ま、魔物をっ!?」


 エリは背をそらせて驚いた。


「いえ私はそんな……あのときはクリスの援護があったおかげだし。クリスの魔法に比べたら全然……」


 リズミナは褒められるのに弱い。

 だから俺も重ねて言った。


「いやいや、大したものだよこいつは。キリアヒーストル広しと言えどもリズミナ以上に優れた忍者はそうはいない」

「やめてください……」


 消え入りそうな声のリズミナ。


「ニンジャって?」


 聞き返すエリ。


「諜報員とか工作員のことだな」

「えっ!? ってことは、軍の人なの?」

「ああ。キリアヒーストルのな」


 エリは目を丸くして首を突き出し、リズミナをじろじろと見た。


「へぇーーー。こんなかわいい女の子なのにねぇ……へぇーーーーー」

「うぅぅ……」


 見られることが不快、というわけではないだろうが、リズミナはやっぱり恥ずかしそうだ。

 可愛い女の子といえば、三人とも突出した美少女ぞろいなんだけどな……。

 美少女コンテストじゃエリが一位でアンナが二位か。

 偶然いっしょにいることになったけど、よく考えたらすごい組み合わせだよな。

 超可愛い三人に囲まれて、正直に言えば悪い気はしなかった。


「クリス、なにニヤニヤしてるの」

「し、してないぞ」


 ジト目のアンナ。


「わわわっ!?」


 張り出した大きな木の根っこに足を取られて転びそうになるエリ。


「おっと」


 俺はとっさにその体を支える。

 ふにっ。

 両の手に感じるやわらかい感触。

 手のひらに収まりきらないこの巨大ふにふにはもしや……。

 おっぱいだーーーーーー!


「いやーあぶないあぶない。コケるところだったよー。ありがと」

「いや、間に合ってよかった」


 慌てて手を離す俺。

 エリは全く気にした様子もなく素直にお礼を言った。

 あ、ああ……。

 ついにエリの凶悪おっぱいを触ることができました。

 いや、断じて偶然。俺の意図したことではないことは強調しておきたい。

 でも心の中だけでこっそり言った。

 ありがとう神様。


「クリスのエッチ」

「いや別に、やったー! とか思ってないからね?」


 なぜアンナは俺のスケベ心を見抜いて来るのか。


「すごく、うれしそうな顔をしていました……」


 リズミナの声が心に刺さる。

 どうやら顔に出ていたらしい。

 思わず額に手を当ててがっくりとうなだれる俺。

 恥ずかしくてつい足取りも早くなる。

 そんな俺の背中でくすくすと笑う少女三人。

 仲いいなおい!

 そしてしばらく歩いて日が傾かないうちに、少しだけ開けた場所を見つけて食事を取り、テントを張った。

 日が暮れていよいよ就寝という頃になって俺は……。

 ――重大な事実に気付いてしまった。


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