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お山のくろねこ子守唄

ねんねこねこよ こねこのこ

ねんねのこねこの みる夢は

夜明けの空の銀の星か

それとも青い海の夢


ねんねこよ ねたならば

なにあげよ

青いリボンと銀の鈴を

明るく澄んだ 鈴の



ねんねこねこよ こねこのこ

ねんねのこねこの きく歌は

夜更けの空を渡る風か

それとも遠い海の音


ねんねこよ ねたならば

なにあげよ

夜明けの窓の銀の星を

やがて広がる 青いあしたを




〈解説 ~単純な子守唄の紆余曲折な長~い歴史~〉


これは、息子たちが赤ちゃんだった頃、私が歌ってやっていた自作の子守唄の歌詞です。

日本の子守唄って、メロディは優しくても、実際に自分の子供に歌ってやろうと思うと、なんだか歌詞が暗かったり恨みがましかったりするものが多いじゃないですか。でも、外国の子守唄は、メロディが賑やかすぎたりして、あんまり眠くならなそうなものが多いような……(もちろん、それぞれ、そうでないのもありますが)。

で、(ならば、日本の子守唄っぽい単調で眠くなるメロディに暗くない歌詞を合わせた子守唄を自分で……)と思い、自作してみたのです。


歌詞は即興で、紙に書き留めたりせず毎回適当に歌っていたので、歌っているうちにどんどん内容が移り変わり、最終的に今のような非常にシンプルなものに落ち着くまでの移り変わりの途中では、いろんなストーリーが生まれては消えてゆきました。

その中で、『お山に住んでいる黒猫の兄弟』が出てきていた時期があり、猫好きの息子たちには、それが特に印象的だったらしく、子供たちはこの歌を『くろねこきょうだいの歌』とか『お山のくろねこの歌』と呼ぶようになり、歌詞の中から『お山』や『黒猫』が消えた後も、そう呼びつづけることになりました。

そんなわけで、歌詞の中から『お山』も『黒』猫も消えてしまった今でも、裏設定(笑)としては、この歌は、『お山に住んでる黒猫母さんが黒猫兄弟に歌ってあげた歌』ということになっています。

だから、タイトルが『お山のくろねこ子守唄』。


そして、メロディのほうには、実は、もっと長い長い歴史があります。

歌詞は子供が赤ちゃんの時に作ったものですが、曲自体は、もともと、私が小学校の高学年の頃に作った曲なのです。

最初は、本で読んだ物語の中に出てきた詩に、頭の中で付けてみた曲でした。

その後、中学生の頃には、この曲に、元の物語や歌詞とは全く関係のない、オリジナルの歌詞を付けました。 遠いお国の岩山に住んでいるひとりぽっちの竜の歌でした。

もう良く覚えていませんが、冒頭は、『海の向こう もっと向こう 遠いお国の岩山に(中略)大きな竜が住んでいた』みたいな感じでした。なにしろ中学生という感傷的なお年頃だったので、おとぎ話に託して孤独を歌った、救いのないストーリーでした(^^;)


そしてそれから大人になって、自分の子供たちのために子守唄を自作しようと思った時に、このメロディを思い出し、でも元の歌詞は悲しい内容なので却下して、別の歌詞を付けてみたのでした。

竜のお話だった頃の歌詞自体は全く痕跡を残していませんが、歌詞の中に『お山』や『海』が出てくるのは、たぶん、元歌詞のイメージの名残りです。

そういえば一時期は、たしか、新しい歌詞にも竜も出ていたのだと思います。

黒猫のお母さんが子供たちに竜の出てくる歌物語を歌ってあげているという、歌中歌(?)みたいな形で。

やがてその『歌中歌』の部分が抜け落ちて、外枠だけが残り、さらにいろいろ省略されていって、今の、ものすごくシンプルな形になりました。


そんなわけで、この歌は、単純で稚拙な素人の鼻歌ではありますが、小学生の頃から長年、私と共に人生を歩んできた歌なのです。

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