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26 蛇足・遭遇・こたろー

 外に出てみれば、すでに比奈は正門を左に曲がるところだった。

 自宅に行くには右に曲がるはずなのに、なんで左? と些か不思議に思いながらも周りにおかしく思われない程度の速さで前を行く比奈を追う。


 一心不乱に足元だけを見ながら歩く比奈を、周りは避けながら首を傾げて見送る。

 そんな光景を目の当たりにして、やっぱり自分が比奈を苦しめてるのかなと思い至った。


 片山先生の言うとおりだな、きっと。

 生徒達の間では渾名で呼ばれていた、片山先生。

 馬鹿にされて、呼ばれているわけじゃない。

 むしろその逆。

 とても慕われていたのだ、口と態度の悪さをひっくるめても。


 俺が三年の時も、そうだった。

 いきなり成績が下がり生活態度が崩れた俺を、何を言うでもなくじっと見ていた。

 頼りねぇと思ったけれどそうじゃなくて。

 馬鹿な事をやっていると、自分自身で気付かせるためだった。

 それに気が付いたのは、卒業した後だったけど。


 片山先生には、頭が上がらない。



 やっと追いつけるかと思った時、下を向いて歩いていた比奈が歩行者にぶつかってパッと顔を上げた。

 顔色が変わるほど驚いて、がばっと頭を下げている。


 ……どこの怯えた子犬だ。


 思わず笑いそうになってから、咳払いをして近づいた。

 一緒に謝っておこう。

 教師たる者、生徒を守らねば。


 その生徒が比奈じゃなかったらという仮定はしないでくれたまへ、皆の衆。

 それはたぶん、想像通りだからね。


 数歩の距離ですぐ後ろまで来た俺の耳に、懐かしい声が届いた。



「ひなちゃん、久しぶりね」



 ……なんで彼女が、比奈の名前を知ってんだ?



だんだん、蛇足が蛇足じゃなくなってきた^^;

しばらく、短い話が続きます……予定です。

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