21 一方通行
真剣なその言葉を聞いた時、私の脳裏に浮かんだのは、とても冷めた言葉だった。
……そうやって、他の人にも伝えてきたの?
何も言えず、じっと自分の足元を見つめ続けた。
「きっと、ずっと前から比奈の事が好きだった。でも、ちゃんと気が付いたのは高三で。だから、そこから気持ちを伝えてきた。……つもりだった」
冷めた気持ちで聞いている私を置いてけぼりにしたまま、こたろーちゃんは話し続けてる。
「最初は、年齢差に戸惑った。でも、やっぱり諦めきれなくて」
そのまま、自分の気持ちを、私への想いをつらつらと話し続けるこたろーちゃん。
でも、言わないんだね。
高三の時、自分が何をしていたかなんて。
そして、聞かないんだね。
その時、私がどう思っていたかなんて。
自分の気持ちだけで突っ走って、私を置いてけぼりにする――
ねぇ。
何も言わないで、終わりにするの?
こたろーちゃん。そんなんじゃ、信じたくても信じられないよ。
穏やかで優しいこたろーちゃんは、私を好きになったと言ったその時、何、してた?
高校三年生。
私が中学生になった年。
その年、こたろーちゃんが私の事を好きになったというのならば。
思い出す、綺麗な女の人。
言われた言葉。
心を抉る、辛辣な願い。
ねぇ、こたろーちゃん。
私は、その年にあなたを好きでいる事を諦めたんだよ。
今日は短いです。
そして明日も短い予定^^;