トーコさんとレイディと星の王子サマ④
「待てってば、なんで怒ってんの?」
「こっ このヘンタイやろう! 自分の胸に手を当ててよ~~~っく考えてみなさいっ」
そんでなくとも、さっきやられた処がメチャメチャ痛いってのにイミフなことを言う。
珠璃を抑えて、迫ってくる邪霊どもから離れるよう動きながら
「今はそれどころじゃ無いだろっ」
「あたしにとってはそれどころだっっ!」
何怒ってんだろ? トキとバショを考えろよな。
まったく女の考えてることはワケワッカンネェ。
「それよりもアリアンロッドが動かねぇんだよ! 逃げないとヤヴァいだろ」
「動かなくて当たり前でしょ、あんた馬鹿ぁ?」
はぁ!?
「なんでよ!?」
「あんたが掛けてるグラス、それ、あたしのだよっ!」
へ?
「ぉ? ぉお? なんだ、それ早く言えよ!」
言われてよく見てみれば、珠璃は俺のサングラスを掛けている。
どうりでフレームの顔幅がキツイと思ったぜ。擦り傷の痛みで判んなかった。
『ピッ』
システム・メッセージ:パーティメンバー権限により守護霊オペレーションIDをプレイヤーに暫定付与します。
『ピッ』
システム・メッセージ:以後、正規ユーザーから権限剥奪されるまでの期間、暫定IDを用いて守護霊のオペレーションが可能となります。
お!? イケそうだ??
って、これで使えるようになったのは《メルカルト》なワケね。
『ピッ』
システム・メッセージ:《メルカルト》の守護霊称号の影響により、プレイヤーの《デリュージョン・マスター》スキルが強化されました。
キターッ!?
キタよコレ!?
追い詰められて覚醒しちゃうヒーローってヤツですかぁ?
これで俺がカッコ良く決めちゃったりしたら……
『スッゴぉーイ、天太ってばカッコ良スギぃ。あたしの白馬の王子サマなのぉ。 ぁあ~ん、天太ぁ~、あ・あたしもう……もう……来てぇ~、オ・ネ・ガ・イ、早くぅー』
『ダメよ珠璃。天太はあたしの下僕なんだからっ。 天太、アンタのカッコ良い活躍見て、あたしスゴイ濡れちゃったぁ。これで下僕からダンナサマにクラスチェンジね! アンッ、もう我慢できないっ 今夜は朝まで寝かせないからねっっ!!』
んなことになっちまったりして!?
うひょひょっ
『ピッ』
システム・メッセージ:スキル《ブレイクライン》を獲得しました。敵の動きを見切り予測線をAR表示します。これにより回避スキルによる回避判定、攻撃スキルによる命中率にプラス補正が掛かります。
『ピッ』
システム・メッセージ:攻撃スキル《スニーク・アタック》と命中補正スキル《ブレイクライン》を獲得したことで上級スキル《スニーク・アサルト》が開放されました。敵の背後から攻撃を行えば高確率で《クリティカル》が発生し、弱点を突くことで一撃死スキル《インスタント・キル》が発動します。
よっしゃーっ
なんか強そうなスキル獲得だぜーーーっ
……で、やつらの弱点ってドコォ~!?
「な・何これ!?」
隣で珠璃も戸惑った声を上げてた。
「システム・メッセージ……守護霊称号の影響により、プレイヤーの《シックス・センス》スキルが強化されましたぁ?」
なんか、珠璃の方でも似たようなメッセージが出てるっぽい?
「《センス・ウィークネス》を獲得しました、って出た……敵の弱点を見破れるの?」
それだっ!!
「珠璃っ やつらの弱点を教えろ!!」
「え、えっ? えと、首の切断面が弱いみたいよ?」
目を凝らしてよく見れば、やつらの首には切断の跡が見える。
斬首の跡か?
なるほど!
俺は、さきほど俺に一撃入れたオッサン邪霊へ新スキルをおみまいする。
「いっけーーーっ!! 《スニーク・アサルト》」
《メルカルト》がトロケるように目の前から消え、ヨタヨタと近付いてくるオッサン邪霊の背後へ瞬間移動して現われた、そして、
メルカルトの重い一撃でオッサンの首が落ちる。
首が地面に落ちるよりも早く、オッサン邪霊は塵と化した。
「「 ぉおーーーっ!? 」」
俺も珠璃もその威力の高さに驚く。
「メルカルト、カッコイイ! さっすがあたしの守護霊サマね」
「……えっ? そこは俺を褒めるトコじゃね?」
「あんたは、あたしのためにモット働け! とりあえず由里を助けなさい!」
「へ~~っい」
《侍大将》は由里を殺すより先に俺たちを排除することに決めたらしく、残った小姓と共に向かって来てる。
「勝ってる間は攻撃手段を変えないで行くぜ、サングラスはこのままでイイナ?珠璃。 それと、ボスを10秒間抑えておいてくれ」
「……おっけぇ えっと、いけっ 《アリアンロッド》」
俺は小姓をボスから引き剥がすべく《メルカルト》を動かす。
元々前衛タイプの《メルカルト》は小姓の攻撃に動じず、殴る蹴るの連続コンボで小姓を追いやる。力押しの戦いなら《アリアンロッド》よりも扱いやすい守護霊サマだな。
そうして、アリアンロッドがボスを。
メルカルトが小姓を牽制してる間に、俺は由里へとダッシュする。
「ひっさーーーーーーっつ」
俺は両手を由里のミニスカの中へとつっこみ、目的のモノに手が届いたのを確認して一気に下へ降ろした。
「お尻ペンペンの刑~~っ!!」
パンティーを引き摺り下ろして、すかさず由里の上体を前倒しにさせ、脇と膝で押さえ込む。
バッチーーーーン バッチーーーーッン
バッチーーーーン バッチーーーーッン
由里のすべすべしたシリへ、俺は手のヒラを何度も振り下ろす。
フトモモまで半脱ぎさせたパンティーがとても扇情的だ。
「デヘヘヘ」
やべ、これクセになるかも。
バッチーーーーン バッチーーーーッン
バッチーーーーン バッチーーーーッン
『ピッ』
システム・メッセージ:スキル《シェイミング・ペナルティー》が発動しました。対象者の精神異常状態は解除されます。
よしっ 狙い通り!
「ぇ? ぇ? ぇ?」
茫然自失状態を抜け出したらしい由里は、ここまでの記憶があるのだろうか?
とまどった声を上げている。
「気が付いたかい?」
俺はニッコリと由里へ微笑みかける(脳内イメージで、歯をキラ~っン☆ってさせながら)
「もう大丈夫だよ、悪い霊は俺が退治してあげるから、フッ☆」
その間も由里のナマシリを手のひらでなでなでしている。
モチロン、指はシリの谷間に入れてるゼ☆
むむっ? この指先に触れる、妙に柔らかいのにコリコリした感じ……こっ これは!?
ブンッ
視界の隅っこから形の良い足が俺を蹴ろうとしてるのが見えた。
不思議なことに、その足がその後どんな軌跡を描いて俺に当たろうとしているのかが、AR表示で視覚的に見える。もしかしてこれが《ブレイクライン》の効果なのか?
「おっと」
珠璃の蹴りが俺の頭を捉えるより、俺が避けるほうが早かった。
余裕で由里を放し、地面に伏せて避ける。
「こっ こっ くぉ~の、ヘンタイやろう! ユリ! 由里!大丈夫だった?」
「珠璃……ぅん、大丈夫、ありがとう」
弱弱しくそこまで話すと、由里はクタリとした。
どうやら安心して? 意識を手放してしまったようだ。
「由里っ ……ちょっと待っててね、片付けるから」
珠璃は由里の半脱ぎパンティーをちゃんと着せてから、見られないようスカートを正した。
「ぉ、おい、珠璃。 今のはだな」
俺がイイワケしようとすると、
「良い、ワカッテル。けど、後でぶん殴る!」
「ぉ、ぉお、後でな。 でも、その前に」
俺と珠璃の前には、俺の羞恥刑で強制的に憑依を解かれて、宙に漂う存在と化したボス霊の怒りに燃えた顔がある。
だけど、なんでかな?
戦い始める前まで感じてた恐怖はもう微塵もなかった。
それは大きな間違いで、相手は腐ってもジェネラル。
俺は偶然のサングラス取り違え事故で得た強化スキルに浮かれ慢心して、それを忘れていた。
くっ 4話でレイディが出せなかったじぇぃ。
つ、次こそは……
そして、そろそろトゲエルフの最終話を書かないと。