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短編ハッピーエンド

あなたが目を開いたら

作者: シュガー

突然の衝撃で私は地面を転がった

何も考えることができずに転がりながら

私の耳には金属音と何か重い物同士がぶつかる音が聞こえた

それが聞こえてはいけない音だというのはなんとなくわかった


規則的な電子音が響く病室で私はベッドで眠る彼を見つめていた

それは、飲酒運転による信号無視だった。

歩道を渡っていた私たちの前に暴走した車が現れ、ぶつかる、と思った瞬間

彼が私を突き飛ばしてくれた。それで私は車から逃れられたが彼がそのままひかれてしまった

彼がかばってくれなければ、私も巻き込まれていた

意識不明のままこの病院に運ばれて、もう数日が経つ


彼が眠るベッドの横に椅子を引いて座った

いまだに彼は目を覚まさない

包帯を巻かれた体に比べて、その顔は穏やかな表情をしている

いつ目をさますのだろう

もしこのまま目を覚まさなかったらと嫌な考えがよぎる

いけない、眠れていないせいか変な考えが思い浮かんでしまう

私はただ、眠る彼の顔を見つめ続けていた

夢を見た

彼と出会ったあの頃の夢を


当時の私は、いじめの標的となっていた

きっかけは今でもわからない

ただ、小さないたずらのようなものから始まって

気づいたらどんどんエスカレートしていった

ものがなくなることもあったし

体操着が切り裂かれていることもあった

そんな日々が続き、どうしようもない不安が、毎日私を襲った

下を向いて生きるのが当たり前だと思いかけたとき

彼と出会った


眠っていたようだ。

時計を見ると、面会の終了時間が近づいていた

病室を出ようと準備をして、最後に彼の顔を見た

顔をつついたら普段通りに起きてきそうな、見慣れた寝顔だ。

「…ねぇ、早く起きてよ」

いつ起きるかわからない彼を見てつい声が出てしまった

「早く起きてくれないと私、どうにかなっちゃうよ…」

正直、不安だ。もしものことを、どうしても考えてしまう。

今の私は彼がいればこそ

そんな彼がいなければ私は

「…それは困るな」

かすかに聞こえた声の方向を見る

彼の目が少し開いていて、いつもの優しい目で私を見ていた

こらえきれない想いがあふれて、世界がやわらかく滲んだ

これからも、彼と生きていける——

私は彼の手を包み込んだ









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