クロ殿下と剣聖ヴェイセル
――――クォーツ祭壇・シズメさまの祭室にあるコタツ。
休憩がてらシズメさまをお膝抱っこしながら、お煎餅をかじっていたのだが……。
「ねぇ、クロ」
「なした?ヴェイセル」
「今回、最終話なんだってさ」
「え?本編もう完結したじゃん。随分前に」
「それから、伏線回収祭やって……」
「ディートのツンデレ感謝祭もやったな」
「そして今回の後夜祭でクロ殿下と剣聖ヴェイセルが完っ全に完結するわけっ!!」
まぁ……本編が終わっといてその後も祭り祭り祭りの連続ってのもツッコミどころ満載なんだが。
「てか、終わり!?散々祭りやりまくっといて今回で本当の終わり!!?」
「そだよ~!」
「わぁ……何か、すがすがしい気分……」
「クロ、わふたん」
そこでシズメさまの祭室に遊びに来ていたちび狼双子精霊のリヴィとロータがおせんべいをねだって来る。
ふたりに手渡すと、そのお煎餅をはんぶんこしてふたりではむはむする姿はめちゃくちゃ和む。
「ちょっと、クロ!最終話なら私も!私、一応ヒロイン!!」
アリスが乗り込んで来る。
「んもうっ!最終話ならぼくも出るよ!だってぼくたち双子だもんっ!」
いつの間に来たんだ、ヨル。
現在ヨルは婿入り先の南部ロンド州と王都エステラを多忙に行き来している。
「わふわふ、キララもなのれす?」
「わふっ」
生命の精霊キララちゃんとわふさんまで。
「もちろん私も」
「俺も~」
どっちがどっちでショー開催中のお揃いの衣装に身を包んだ氷の精霊フブキさまとエル兄さん。
「俺もふわもふ~」
「いや、リオ、今回はふわもふする話じゃねぇから」
クォーツ祭壇のふわもふ担当茶狼族のふわもふフラッフィ・リオと魔人族のローが入って来る。
「ん……我も」
「んだな」
黒猫耳ふっわもふしっぽの黒猫アニキとオリーヴ色の毛並みの黒狼族である狼アニキまでやって来る。
「クロ殿下、私の送り迎えがてらリョクタも連れてきた」
「ご無沙汰っす、クロ殿下」
クォーツ祭壇の闇の精霊士で魔人族のウズメ姉さんとクリスタ祭壇の司祭リョクタも顔を見せる。
「我ら従者軍団も一緒です」
「じゃじゃ~んっ!最終話なので私も来ました~~~」
紅消がいつの間にかいるのはいつものことだが、普段は王都エステラのエストレラ城にいるはずのセナさんまで!?
「うぃ~っ!クロ殿下~!やほ~!リヴィとロータは相変わらずかわいいなぁ~」
赤毛のわふたん精霊エンジーさん。
「えへへ。最終話だからエンジーさんに連れて来てもらったよ」
タイタン祭壇で司祭を務めるいつき。
「ん……シズメ、会いに来たぞ」
シズメさまにそっくりだけど白い毛並みのアダマンタインの精霊フユメさままでゲスト出現!!?
「ん……!フユメ!」
俺のお膝の上に座っていたシズメさまがとてとてとフユメさまに近づき、本性に戻ってふたりでふわもふしている。
「いや、待て待て……この流れだと……!」
「クロ殿下~司祭の私を忘れないでください~」
「私だって、マッドヒーリング班首領として……」
「それはダメ!マッドヒーラーはしまわんかいっ!」
シェル司祭様、光の精霊士長フィンさん、闇の精霊士長ギョクハンアニキまで……次から次へと祭壇の皆や精霊たちまでやってくる。
って……。
「このパターン、本編の最終話とおんなじ流れじゃねぇかっ!!」
「んじゃ、クロ。もう一回、騎士の誓いやる?」
「いや……さすがに何回もは……」
「それじゃぁ……これからの抱負を一丁……」
「ん……?ショタネタは禁止だぞ」
「……なしてわかったの……?」
「わかるわあああぁぁぁぁっっ!!!」
何年一緒にいると思ってんじゃいっ!!
なめんじゃねぇっ!!
「ってことで……ふふふ、クロ殿下と剣聖ヴェイセル……堂々の完結だね!」
「って……主人公とサブ置いて最後にいつの間にか来て締めないで―――っ!!!フィーア義父さんっ!!!」
全く……油断するとすぐ持っていくんだから!この最強クォーツ公爵。
ひとまず……クロ殿下と剣聖ヴェイセル……大団円です!




