キュオネーとクリスタ周遊
――――早速ヴェイセルと一緒に待ち合わせ場所へ向かう。
「わ~いっ!クロ殿下、久しぶり~~~!!」
キュオネーがいつもの笑顔でこちらに向かってくる。キュオネーはいつでもどこでも元気だなぁ~。
「取材見たよ。元気そうでなにより」
「クロ殿下こそ!」
「2人は南部連合王国でも一緒だったのよね。仲良さそうね」
と、セシリーさん。わぁ……相変わらず生のセシリーさんも美人。テレビの中でも美人だけど、本物は芸能人オーラと貴族令嬢オーラ半端ない。
因みにセシリーさんはエストレラ王国東部リュミエーラ領の領主令嬢だ。
「はい。南部連合王国では私もクロ殿下の魅力をばっちりお送りしましたよっ!」
と、キラッと決めるキュオネー。
「さすがは私の妹ね!わかってるぅっ!」
いや単に巻き込まれただけな気もするけども。今日はオフということもあってカメラはない。だが念のためカメラ担当アッシュさん(セシリーさんが暴走したときの保険)やキュオネー傭兵団(皆だいたいコワモテ)の皆さんも、離れたところで見守ってくれている。
「私、クリスタで早速行きたいところがあって……」
「どこ?案内するよ」
「わぁいっ!ありがと!クロ殿下!あのね、南部連合王国で出会った碧狼族のちびっ子ちゃんたちに会いに行きたくって!でももう今はちびっ子ちゃんじゃないかな?おっきくなってるかも!」
そう言えば。南部連合王国の桃雲県で奴隷商人に売られそうになっていた碧狼族の子どもたちを保護したんだよなぁ。
そしてキュオネーは早速彼ら彼女らと意気投合していた。魔王様たちともすぐに仲良くなるし……やはりキュオネーはすごい。
「そっか、じゃぁ早速リョクタを呼ぶね」
俺はクリスタ祭壇に赴き、クリスタ祭壇のふわもふ茶狼族司祭キオさんに了解をもらう。
早速ふわもふ碧狼族代表で、キオさんと一緒にクリスタ祭壇で司祭をしているリョクタを連れてくふ。
今回は一緒に碧狼族の姿の縁結びの精霊ウララちゃんも来てくれている。
ついでにリョクタは連れてくる時に、しっかしもふっとチャージしてきたので俺のふわもふ値は満タンだ。
「きゃぁっ!リョクタさん、お久しぶりです!相っ変わらずのふわもふ!ウチの傭兵団のナガトさんにも負けず劣らずの毛艶です!!それにウララちゃんもめちゃかわっ!!」
ナガトさんとは灰色っぽい毛並みの碧狼族風の青年で、このひともなかなかのコワモテでなかなかのふわもふ。キュオネーは傭兵団のふわもふにも抜かりないのである。うむ……なんだかシンパシーを感じるよ、俺。
「それは光栄っすね」
と、リョクタ。
「はうぅ~!ありがとうなのれす~」
続いて、ウララちゃん。
ナガトさんは今も団長のゴウテツさん(コワモテ)と近くで見守ってくれており、キュオネーが手を振ると彼らもふり返してくれる。
前回会ってから3~4年だろうか。
子どもの成長とは早いものであどけない表情だった彼ら彼女らもすっかり立派になった。
当時最年長だったひすいちゃんとふうやくんはもう12歳でステータス開示も済ませている。2~3歳年下のりょくせんくんとろくなちゃんはすっかり元気いっぱいで久々のキュオネーの訪問に飛びついていた。
一番年下だったりょくなちゃんは引っ込み思案な子だが、お兄ちゃんお姉ちゃんたちにかわいがられており、キュオネーもその毛並みにメロッメロで思いっきりぎゅ~してあげていた。
「私のあげたリボン!大事にしてくれてて嬉しいっ!!」
「……うん!キュオネーお姉ちゃんと……おそろい……」
「ズッキュンっ!!!」
俺もズッキュンと来た!!
何、あの類まれなるかわいい妹属性……!ウチのイヴはもちろんだが……やはり妹はかわいいよね!
「ふふっ!相変わらずのわんぱくどもだな」
と、ニカっと笑うのはリョクタのアニキであり子どもたちの親代わりでもあるアニキのひとり……リョウヤアニキだ。
因みにウチの茶狼族のふわもふ義父マティアス父さんとは酒のみ友だちである。
マティアス父さんの実家はここ、クリスタ領なので帰省の際はよく飲みに出かけるらしい。
ついでにふたりともしっかり艶もふしている。
「そうっすね、リョウヤアニキ」
「わぁっ!リョウヤアニキさん!」
そしてリョウヤアニキに気が付いたキュオネーも子どもたちとじゃれ合いながらリョウヤアニキに手を振っている。
「うぐぐ……っ!!ちびちゃんたち、めちゃかわっ!!」
せ……セシリーさん……?
セシリーさんがかわいさに悶絶していた。まぁ、かわいいけど。めっちゃ気持ちはわかるけど、
セシリーさんにもクリティカルヒッツしたらしい。
そしてエストレラ王国のアイドルリポーターのセシリーさんにも気が付いたちびっ子たちはテンションマックスである。
エストレラ王国と南部連合王国の2大アイドルリポーターが、ここにっ!!
キラキラオーラ、半端ない。
「ねぇねぇ久しぶりに、お姉ちゃんのお歌聞きたいっ!!」
そいえば桃雲県庁でちびっ子たちとじゃれてた時も歌を口ずさんでたなぁ~。
あのこぶしの効いた歌ではなくかわいらしい民俗調の歌だったけど。
キュオネーのお歌にもちびっ子たちは大満足だ。こうして久々の再会を祝してクリスタ名物ジャイアントスパーキングポークBを使った豚まんを皆で頬張ったのだった。




