SS:セナさんのステータス
――――王都での公務のついでに自分の書斎に立ち寄り、セナさんとのんびりお茶をしていたときのこと。
そいえばこの謎を解明していないことを思い出した。
「私のジョブとスキルですか?」
「そう。ずっと気になってたんだけど」
考えられるジョブと言えば……?
・もふり師
※ただし趣味で暴走するため最終的にはぶおっさぶおっさぁにしてしまう
・占い師
※だって託宣術を使えるし
・執事
※だって様になってるし
「私のジョブは……」
ずずず……ごくりっ。
※単に紅茶を飲んだだけの効果音。
「狂戦士です」
「え?」
今、ありえないジョブ名が聞こえた気が?
「狂戦士です」
「ええええぇぇぇぇっっ!!?」
ま……まさかのイルハンさん一族と同じジョブっ!!?確かにふわもふに対して暴走するし、ぶおっさぶおっさぁになるまでもふらずにはいられない熱狂的もふり趣味を持っているけどっ!!
「そ……そっか。似合ってるよ」
「ふふふ、クロ殿下に言っていただけると光栄です。他の狂戦士のように戦闘スキルはあんまり高くはないのですが」
いや……セナさんのふわもふりはモンスターさえも哀れに見えてくるレベルだから戦闘スキル……というか敵弱体化スキルは高そうだな。
サクサクサク……もひもひもひ。
※単なるクッキーとパウンドケーキを食べる効果音。
「スキルはやっぱり託宣術?」
「そちらは隠しスキルですね」
なんと……隠しスキル!
「それじゃぁスキルは……」
・もふり過剰
※もふるのは好きだがぶおっさぶおっさぁにするため
・紅茶マイスター
※いつもおいしい紅茶を入れてくれる
・ふわもふビーム
※一瞬にしてイオさんをもふわっもふにする魔法のスキル
「魔法工房ですね」
「魔法工房?それってどんなスキルなの?」
「新たな魔法を構築、創り出すことが得意なスキルです。私のふわもふ魔法はこのスキルで生み出したものです」
あぁ……そう言うことだったのか。ふわもふのための魔法がセナさん自身がスキルで創り出したものだったとは。
「ふわもふ魔法以外には何か開発したりしたの?」
そういうスキルってなんかわくわくするよね。
「そうですねぇ。ふわもふサーチ”とかクロ殿下サーチとかですかね?」
「……あのふわもふサーチはともかく俺のサーチって何?」
「ヴェイセル殿のロリショタサーチを参考に魔法陣を編み込んでみたんです!」
あぁ……何かと役に立つけど根本的な考え方が変態じみてるあのスキルね。
「ふふふ、私もクロ殿下の執事ですからクロ殿下のことはいつでも気になるのです。あぁ……次はいつふわもふりに来てくださるのかっ!!」
「セナさんっ!!!」
すっと差し出された狐しっぽをすかさずふわもふったげる俺なのであった。