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クロ殿下と剣聖ヴェイセル【伏線大回収祭編】  作者: 夕凪 瓊紗.com
ディート殿下ツンデレ感謝祭編

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イェリクのディート殿下観察日記


――――side:イェリク


私の名はイェリク。文字としてはエストレラ王国王配のメガネであらせられるエリック・フォン・シュテルン公爵閣下とスペルは同じだが、ロザリア帝国ではイェリクと読む。

ここら辺はロザリア帝国とエストレラ王国の

訛りの違いだともいえよう。


今回は不肖、この私イェリクと私のかわいい天使で愛で崇めるディート様の出会いについて語らせてもらおう。


わかっていたのだ……。

精霊さまが閉じ込められたあの場所でかわいらしい顔立ちながらディート様に出会ったあの瞬間からわかっていた。


この子はあの皇帝の血を受け継ぐこのロザリア帝国の皇子であること。

顔立ちは皇后に、見た目は皇帝によく似ていた。


あの気の強さと我が心を刺激する何とも言えないツンツンした愛らしさはどうもあの帝国皇族らしくない気はしたが。


陰ながらずっと教えられてきた……あのロザリア帝国皇族こそが我が一族を罪の一族としてこうして精霊さまと共に地下に押し込めてきた忌むべき仇敵の一族なのだと。

そして一族が信仰してきた精霊さまを守るには我らは彼らに従うほかないことを。


それが精霊さまの対であるこのロザリア帝国に祀られる希望の精霊が精霊さまを守るために提示した取り引きなのだから……。


それ以外に精霊さまを守る術などなかったし、たかだか我々一族が強大な軍事力を誇るこの帝国にあだなす力などない。

精霊さまの力があればそれも可能なのだろうが精霊さまはそれを望まなかった。この帝都に暮らす民たちを、例え自信を蔑もうとも、その恩恵を忘れようとも、我らが一族や言い伝えを信じ、自身のシンボルを掲げる帝都東門砦のものたちのために。

精霊さまはこの帝都の民を慈しみ、守ることを選んだのだ。そして我らはそんな精霊さまをお守りできる。罪の一族と蔑まれようとも、罵られようとも、我らを支えてきたたったひとつの誇りなのだから。


そして何の因果かディート様に懐かれ、連れられ皇帝と皇后に謁見し、彼らの顔色が変わった瞬間……彼らが私が誰かを悟ったことがわかった。


皇帝は最初渋い顔をしていたが、意外にも皇后は苦笑しながらも賛同してくれた。


『あの子が懐くのは珍しいので。わがままでまだまだ子供ですが……息子のディートをよろしくお願いいたします』

皇后が賛成したため、皇帝も渋々という感じだったが。


本来であれば彼らは俺にとって仇敵だ。そしてその皇子であるディート様もまた……。


しかし無理だった……。

ディート様に出会った時のこの胸のときめき……なんっとかわいくカンペキなかわいい男の子なんだっ!……と。


しかもその半ズボンとニーハイのコントラストとか細い脚。そして半ズボンの裾とニーハイのその間にちらっと見える白い柔肌……。

これはすばらしき黄金比……つまり絶・対・領・域……っ!!


しかも皇族だと言うのに飾らないその白シャツの襟元に結ばれた赤いリボンとか、ブーツや革紐靴ではなく子どもっぽいデザインのローファーをチョイスすると言った点もとても評価が高いっ!!

何だ、このカンペキな美少年っ!!かわいい男の子っ!!しかも服装だけではない……顔立ちもとてもかわいらしくすこし気の強そうな瞳がまた癖になる。口元はへの字型だが、ほんのり頬を桃色に刺せながら私を見上げてくるのだ……。

あぁ……っ!なにこれ!なにこのかわいい生き物!

ヤバい……鼻血でそう…。皇帝と皇后との謁見を終えた後、ディート様が渡しの手を握りちょいちょいと引っ張って来た。


「お前、鼻血でてるぞ」

あ……ほんとだ。


あぁ……しかしこの気持ちを何と言ったらいいのだろう。私は帝国城のディート様の部屋に招かれひとまず鼻血の止血をしている。


ディート様はとっておきの花茶が手に入ったからと、ディート様の従順な下僕となったこの私のために花茶を自ら入れてくださっているのだ……。

あぁ……なんと素晴らしい……。


しかも何故かツンツンしているのにたまにデレているような一面を見せる……。

そんなところもこの心をくすぐる……っ!


あぁ……半ズボンの……かわいい顔のディート様を愛でたいっ!その細い脚で踏みつけられながら罵倒されたいっ!この気持ちをどう表現すればいいんだ!


――――そうして、イェリクとディートの出会いから数年後

ディート様の下僕(※正確には従者)をしていた私にもうひとつの運命の出会いが訪れた。


ディート様に連れていかれたエストレラ王国で私は運命とも呼べる、己の趣味を分かち合える盟友に出会ったのだ。


彼の名は赤髪のへんた……いや、剣聖ヴェイセルと言う。

彼はディート様のお友だちでエストレラ王国第4王子のクロムウェル殿下……通称クロ殿下に仕え、クロ殿下のかわいさを愛で崇めている。


つまりはディート様を愛で崇める私の同志とも呼べる存在だ。


そして私の心をくすぐるこの感情の答えを彼は私に諭すように教えてくれた。

これはつまり……。


――――ハーパンショタっ子萌えなのだと!!


しかもそのエストレラ王国には太陽の精霊さまがいらっしゃる。かつてロザリア帝国から去ってしまい、今では対である月の精霊さまの胸筋を愛でている太陽の精霊さままでもが同志だということがわかったのだ。


そしてディート様の下僕を務める傍ら、私は今も剣聖ヴェイセル殿、その紹介で出会ったセシリー嬢、太陽の精霊・コウリン導師と共に、我々はいかにしてハーパン萌えを極め、ショタっ子萌えを極め、そして愛で崇めるかを追い求めているのである……。


あぁ……ディート様は本日も短パンとニーハイを身につけている。は……鼻血が……っ!


「と……これが、私とディート様とのなれそめですね、ムイさま」

私はムイさまに懐かしいディート様との出会いなどその他あれこれ云々(うんぬん)をお話しているところでございます。長い間我が一族が仕えそしてクロ殿下により封印から解放された。今ではロザリア帝国大祭壇にて希望の精霊と共に崇められている。ちょっとおっきめ猫耳しっぽ精霊……虚無の精霊です。

「ショタっ子萌え……それは素晴らしい!ムイさまに向ける我々の信仰心と似ているのです……!!ディート様もクロ殿下もかわいらしいでしょう?

ムイさまはディート様のようなツンデレショタっ子、クロ殿下のようなツッコミストショタっ子、もしくはエストレラ王国のロンド州を治めるロンド公爵子息のとにかくかわいいと評判の猫耳しっぽショタっ子シュイくん……どんなショタっ子が好みですか?」


「……俺は……猫耳しっぽ萌えが、一番」

そうでしたか……やはりムイさまはご自分と同じ見た目の、猫耳しっぽショタっ子萌えですよね。

うふふふふ、また、同志が増えました。


「ねぇ……イェリィ……あれ、どう思う?」

おや、あちらの柱の陰からムイさまの対の精霊であらせられる望の精霊ユリーカさまがこちらを覗いていますね。

因みに金髪金眼の美女の人族の姿。

隣には私と同じ、ムイさまをお守りする一族で

ムイさま専属精霊士の群青色の髪に金眼のイェリィがいます。


「……ムイさまをショタっ子萌え仲間にするんじゃないわよ。ムイさまは猫耳しっぽ萌えなんだから……。イェリク……ちょっとオシオキしてあげるから、いらっしゃい?」

何故でしょう、イェリィが般若の如き微笑みを向けてくるのですが……。


「……俺は、猫耳しっぽを愛でてくる」

「あら、どちらに行かれるのですか?ムイさま」

不意にムイさまそのように告げられ、立ち上がります。

それをイェリィが、おや?と声をかけました。


「……今日は、エストレラ王国のロンド州で……猫耳しっぽ精霊の会に出席予定だ」

猫耳しっぽ精霊と言えばムイさまの他にも、ロンド州が本場の封印の精霊・パシャさま、鋼の精霊・八雲さま、星の精霊・ミーティアさま。珍しいところで言えば、最近は南部魔族同盟に本拠地を置く暗闇の精霊ズグロさま、そしてズグロさまがたいそうかわいがっていらっしゃる半鬼半精霊と呼ばれる存在の、マヌル猫耳しっぽのぴにゃ殿……などなど。森の精霊も入れれば結構な数の、猫耳しっぽ精霊たちが集まるお茶会でしたね。

世界各地の猫耳しっぽ精霊たちの本拠地で順番にお茶会を催しており、前回はここ、ロザリア帝国帝都ロザリア大祭壇でも猫耳しっぽ精霊の会を催しておりました。そこにディート様や、ヒメナ様と一緒に私もイェリィやユリーカさまとともにお呼ばれしたのでしたね。


「まぁ、素晴らしいですね!」

イェリィがその時の光景を思い浮かべながら微笑んでいます。先ほどの般若の如き微笑みはどこへ行ったのでしょうか。


「あぁ……今回は、エストレラ……だからクロ殿下と、シュイも来る……楽しみ」

「えぇ、楽しんできてくださいませ。お帰りをお待ちしておりますね!ムイさま」


「うむ、わかった」

そう言って、ムイさまがエストレラ王国へと向かわれた。そして……。


「イェリク……これから反省会よ」

と、イェリィ。

再び、般若の笑みが戻って参りました。私、反省することなど特にないのですが……。

しかしイェリィには昔からなかなか頭が上がりません。

私は泣く泣く般若の如き美女に連行されていくのでした。


(おしまい)

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