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クロ殿下と剣聖ヴェイセル【伏線大回収祭編】  作者: 夕凪 瓊紗.com
伏線大回収祭編

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25/55

ソードさんの弟


――――何故かクォーツ祭壇でくつろいでいた

クォーツ公爵ことフィーア義父さんの騎士であるソードさん。何でいるんだろうこのひと。

あ、フィーア義父さんがシェル司祭様と歓談中だからか。実はあの2人、兄弟なのだ。


「そう言えばソードさん。ソードさんにも弟さんがいるんですよね」

「ぐはっ!!」

え……えええぇぇぇっっ!?いつもすました意味深な笑みを浮かべる謎の美人なソードさんが……吹いた!?


「どんなひとなんですか?一応先輩と、ウチのイヴの婚約者のお父さんなんで聞きたいなって思ったんですけど」

「それは……その……」

口ごもるソードさん。

やはり弱点なんだろうか。弱点で間違いないのだろうか。

フィーア義父さんは兄であるシェル司祭様とその弟のルクスさんが弱点だが、このひとも自身の弟が弱点なのか……?主従合わせて似ているなぁ……。


因みに俺はヴェイセルとは似ていないよ?俺ショタコンじゃないし。隠しスキル・永遠のロリショタっ子は未だにステータスから消えていないけど。

俺はロリショタコンではない。母さんが昔ドレスを着せていたらしいがロリっ子でもショタっ子でもない。

あ、でもヴェイセルは料理好き俺はお菓子作り好きと言う点はちょっと似ているかもだけど……!


ここでちょっくらおさらいだが、ソードさんの弟さんの息子であるナユさんもチェレンくんも竜人族である。

ナユさんは俺の先輩で面倒見がよく、荒くれものぞろいのカンナギ州竜人族たちのまとめ役のアニキである。


チェレンくんはウチのイヴの婚約者で、無口でぶっきらぼうながらも意外と優しく、まじめで一途。婚約者であるイヴに尽くしてくれるタイプ。イヴも懐いている。


「……別にどうってこともないよ」

と答えたソードさんだが、目が泳いでいる。


「なんだぁ?ソードの弟の話か?」

とそこでニヨニヨしながら近づいて来たのはクォーツ祭壇の闇の精霊士長ギョクハンアニキである。

ギョクハンアニキはソードさんによく似ており、眼帯が無ければ双子に見えなくもない。しかしソードさんは代々カンナギ州を治めるカンナギ公爵家の出身でカンナギ州系の竜人族、ギョクハンアニキはクォーツ州系の竜人族。2人曰く、親戚関係はないらしい。因みに眼帯のアニキはギョクハンアニキの方だ。


「ギョクハンアニキは知ってるの?」

「あぁ。見た目は息子たちと似てんなぁ」


「へぇ……」

ナユさんもチェレンくんも似ているからあんな感じか……。そしてソードさんを恐れさせる……?


「奥さんが天人族なんだよ」

おぉ……さすがはカンナギ州の竜人族。因みにカンナギ州の竜人族はすべからく天人族大好き集団である。


「あいつが命じればソードが雑巾がけもするんだぜ?」

ええぇぇぇっっ!?

このソードさんが雑巾がけ!?


「君がふざけて私の弟に言わせたことは忘れもしないよ……」

ソードさんがギョクハンアニキをギロリと睨むが、当のギョクハンアニキはへらへらとしている。


「ばぁか。西部動乱編でウチのクロ殿下を恐がらせた罰ゲームだよ」

あぁ……そいえばそんなことがあったなぁ……。あの剣鬼ソードさんとウチの剣聖ヴェイセル(大鬼化モード)がヤバいほどの死闘を繰り広げ、暗鬼さんに弱みを吐露され、更にはヤタさんからの元奥さん(※結婚前に逃げられた)攻撃を受けた、……あの一件である。

そしてその一件の背後でギョクハンアニキがソードさんにそんな罰ゲームを付していたとは初耳である。

さすがはマッドヒーリング班首領をも扱いこなす我がクォーツ祭壇の闇の精霊士長である!!

因みにそのギョクハンアニキよりも最恐なのがシェル司祭様である。


「つまりシェル司祭様とフィーア義父さんみたいな?」


「あぁ……似てんなぁ。そういやあいつぁ、カンナギ公爵……ヤタの叔父であり補佐だかんなぁ……。ルクスとも仲良しだぞ」

うおぉ……マジか。最恐弟タッグじゃねぇか。それだけでフィーア義父さんとソードさんを自在にこき使うことが可能だ。


ルクスさんはフィーア義父さんとシェル司祭様の弟でクォーツ州代官である。爽やかな微笑みからは想像もできないほどの、クォーツ公爵使いは見事なものである。さすがはシェル司祭様の弟でもある。


ヤタさんはカンナギ州を預かる若きカンナギ公爵でソードさんの息子。ウチのヴェイセルの異父兄である竜人族の青年だ。

つまりはヤタさんにとってソードさんの弟さんは叔父さん。なんとヤタさんの補佐をしているとは。

かなり優秀なひとなんだろうなぁ……しかもどちらも奥さんが天人族。


「つまりソードさんで困った時は弟さんにコンタクトを取ればいいってこと?」

「おうよ。ヴェイセルも連絡先を知っているから、何かあったら、言うといいぜ」

そしてギョクハンアニキもそのつてを持っているというわけか。


「うん、わかった」

即、頷く。


「や……やめれ――――っ!!」

そして、ソードさんの華麗なる絶叫が響き渡った。うん、何となく楽しみだ。



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